食品安全情報blog過去記事

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全国食事栄養調査の結果への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to results of the National Diet and Nutrition Survey (NDNS)
September 9, 2016
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-results-of-the-national-diet-and-nutrition-survey-ndns/
PHEとFSAが2012-13および2013-2014全国食事栄養調査の結果を発表した。
Reading大学ヒト栄養教授Christine Williams教授
NDNSのデータを見るのは良いことで、これにより重要な公衆衛生目標が正しい方向に動いているのかどうかを見ることができる。子どもの砂糖摂取量が減っているのは歓迎できる。全ての年齢集団でトランス脂肪の摂取量は非常に低く乳製品に含まれる量である。2009年以降企業の自主的取り組みで水素添加植物油由来のトランス脂肪は排除されてきた。
飽和脂肪はまだ推奨より多いが、最も多く食べている高齢集団で少し減っている。また加工肉と赤肉は成人女性で減っているが男性では減っていない。十代の食事についてはそれほど良いニュースはなく食物繊維が少なく砂糖は多い。油分の多い魚の摂取量は特に子どもと十代で非常に少ない。食事に関する公衆衛生助言が達成されるには全ての関係者による協力が必要である。
王立小児科子ども健康学会長Neena Modi教授
この調査の結果はとても心配で、砂糖の摂取量は推奨の3倍。過体重や肥満の子どもは過体重や肥満の大人になる可能性が高い。だから長く待ち望んだ政府の子ども肥満対策が子どもを守るためのジャンクフードの宣伝禁止などの多数の助言を取り入れなかったことに驚いたのだ。我々はこれらの対策の再考を望む。
Reading大学ヒト栄養准教授Gunter Kuhnle博士
NDNSは非常に良くできた食事調査で全集団を代表するようデザインされている。ほとんどの調査同様、食事データは参加者へのインタビューにより間違いが含まれる可能性がある。しかしNDNSでは可能な限り間違いを減らす方法がとられている。
結果は食事パターンを変えることがどんなに難しいかを明確に示している。一日5単位のキャンペーンは長期間行われていてほとんどの人が知っているが目標を達成できていない。子どもの砂糖入り飲料の結果は励まされる。食事の変化は通常時間がかかりすぐには変わらないが、観察された削減は正しい方向に進んでいることを示唆する。しかし子どもの総砂糖摂取量は変わらず、原因についてはさらなる解析が必要であろう


NDNS: results from Years 5 and 6 (combined)
9 September 2016
https://www.gov.uk/government/statistics/ndns-results-from-years-5-and-6-combined