食品安全情報blog過去記事

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食品基準設定の25周年を祝う

Celebrating 25 years of food standards setting
September 2016
http://www.foodstandards.gov.au/about/Pages/Celebrating-25-years-of-food-standards-setting.aspx
2016年8月17-18日の記念シンポジウムの報告
プレゼン概要がアップされている
シドニー大学のAndrew Wilson教授「予防的未来とフードファッド、フィクション、信頼」
アデレード大学のWendy Umberger教授「デジタルエイジの食品消費者:認識と実際」
(消費者は混乱している、情報の非対称性は重大な問題、信用が必須:FSANZの役割は重要)
MPIのIan Ferguson博士「根拠としての科学−何故我々は信頼されなければならないのか?」
(間違った引用が世界中でクラゲが増えているという根拠のない認識を促進した。引用の解析を行ったところ論文の48.9%がクラゲが増えているというバイアスをもって引用した論文の結論を間違っていた。セラリーニの間違った論文は記者会見とともに発表され取り下げられたが後に別のピアレビューのない雑誌に発表された。エビデンスとは?「まず事実を入手する、それから好きなだけねじ曲げられる」−マーク・マーク・トウェイン
シンガポールのBeverley Postma 氏「疑似科学時代の龍を手なずける」
GMOの導入時期にあらゆる嘘を言ってきた疑似科学の提唱者をドラゴンと呼んでいる。科学者の多くはあまりにも馬鹿馬鹿しい疑似科学に向き合うことはしなかった結果、このドラゴンは猛威をふるっている。彼らの武器は情動と恐怖、特に子どもを人質に取る。科学者も戦術を学び協力しなければならない。これまで何人もの個人的に戦ってきた勇者の犠牲をだしてきた。
誰かが「食品にこの有害物質は入っているべきではない」と言うと簡単に警戒させることができる。有害性のレベルやその他の情報が全くなくても自動的に恐怖を感じるのだ。
福島での事故の時にシンガポールでは日本産シーフードを食べることについてのあらゆる恐ろしげな新聞の見出しを見た。私は寿司が好きなのに避けていた。毒性学者の友人が丁寧に説明してくれて、自分が恐怖を煽るドラゴンに騙されていたことに気がついた。でもこのことは脳の構造がどれほど強力に恐怖を煽られてしまうかを示すことでもあった。
ただそれでも私達は理性でドラゴンに打ち克つことができる。淡い希望だが。
疑似科学的主張に対して反撃したくなる衝動を抑えて信頼関係を構築することを目的とできる。私の目標はより多くの科学者が仲間内だけの関係から抜け出して一般の人々との議論に参加してくれること。)

(信頼は得るのは難しく失うのは簡単。信頼するのも簡単ではないのだけれど。例えばここの情報が信頼できると判断している専門家ではない人は相当な時間とエネルギーを費やした結果だろうし。常に信頼できない、不安だと言い続けているだけで真剣に向き合わない人に対して何ができるだろうか?)