食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 国連が多剤耐性菌に宣戦布告−専門家の反応

SMC
UN brings the battle to superbugs – Expert Reaction
September 22nd, 2016.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2016/09/22/un-brings-the-battle-to-superbugs-expert-reaction/
昨日のハイレベル会合の後、国連加盟193ヶ国全てが多剤耐性菌対策に協力することを誓った。
SMCは以下の専門家のコメントを集めた
(略)

Natureニュース
Facebook couple commits $3 billion to cure disease
Erika Check Hayden 21 September 2016
http://www.nature.com/news/facebook-couple-commits-3-billion-to-cure-disease-1.20649
Priscilla ChanとMark Zuckerbergが病気の治療や予防のために有名な科学リーダーのドリームチームをリストアップし10年間で30億ドルを約束

Scienceでも
Q&A: Can Facebook billions stop disease? This neuroscientist aims to find out
By Jocelyn KaiserSep. 21, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/09/qa-can-facebook-billions-stop-disease-neuroscientist-aims-find-out

  • 科学の1%:研究の世界で如何に収入の不平等が悪化しているか

Nature特集
Science’s 1%: How income inequality is getting worse in research
Corie Lok 21 September 2016
http://www.nature.com/news/science-s-1-how-income-inequality-is-getting-worse-in-research-1.20651
トップ科学者の収入は増加し一方その他は遥かに及ばない
ジニ係数で表現した収入の不平等は公務員や企業よりアカデミアが大きく分野ではライフサイエンスが大きい
科学は金持ちだけのものか?給料の実際、等。
日本のこともちょっと書いてある。

  • 大量生産されるレビューに懸念

Mass production of review articles is cause for concern
Monya Baker  21 September 2016
http://www.nature.com/news/mass-production-of-review-articles-is-cause-for-concern-1.20617
生命医学における大量の質の低いメタ解析や系統的レビューが価値のある研究を埋もれさせ科学者を間違った方向に導く可能性
The Milbank Quarterlyに発表されたカリフォルニアにあるStanford大学のJohn Ioannidisらによる報告によると、科学解析のゴールドスタンダードである系統的レビューとメタ解析が「不必要で誤解を招く、矛盾した大量の系統的レビューやメタ解析で」価値を失いつつある。明らかに欠陥のあるレビューが流行していることに気がついたIoannidisは、その問題の定量を試みた。PubMedの「系統的レビュー」と「メタ解析」タグのある論文を1991年から2014年まで解析した。この間年間論文数は2600%以上増加していた。同時期の論文数の増加は年間153%である。(グラフ有り)
最も顕著に増加していた−2014年の総数の34%−のは中国人の著者による遺伝的関連研究でその多くは偽陽性の高さを考慮していなかった。
増加の原因は引用や論文数を増やそうとする、あるいは企業による宣伝ツールとしての使用だとIoannidisは考えている。
(中国には業者もいるし、ほんとひどい時代。)

  • UFOの盛衰

The rise and fall of the UFO
September 22, 2016
Posted on behalf of Daniel Cressey
http://blogs.nature.com/aviewfromthebridge/2016/09/22/the-rise-and-fall-of-the-ufo/
20世紀半ばはUFOの全盛期だった。目撃証言は多く有名な雑誌にも掲載された。宇宙人に会ったという詳細な報告も多数発表された。それらの書籍(集合的狂気‘collective lunacy’の記念碑として)のレビュー。今やカメラの進化によりUFOを信じている人たちにとって証拠がないことがますます大きな問題になっている。

  • IARCのグリホサート分類について

On the International Agency for Research on Cancer classification of glyphosate as a probable human carcinogen.
Tarone RE.
Eur J Cancer Prev. 2016 Aug 22. [Epub ahead of print]
NCIのRobert TaroneによるIARCのグリホサート評価の欠陥についての指摘。IARCは都合の良い論文のみを選んだだけではなくさらにそれらの論文の中の都合の良いデータだけを選んでいる。例えばある解析では雌のマウスで発がん性がないことが明確だったので雌のデータだけを排除している。

  • Good Thinkingの疑義により慈善団体委員会(英)が代替医療団体の方針をレビューする

Good Thinking Society
Charity Commission to review policy on alternative health charities after challenge by Good Thinking
Sep 20 2016
http://goodthinkingsociety.org/charity-commission-to-review-policy-on-alternative-health-charities-after-challenge-by-good-thinking/
先週Good Thinkingの代理人弁護士が慈善団体委員会に対して命を救う方法としてホメオパシーを主張している団体を慈善団体として登録することへの疑義を提示した。金曜日に委員会から返事があり2017年7月1日までに見直しを完了するという。Good Thinking Societyはこれを歓迎する。
(反ワクチン団体とかが含まれる)

  • オレゴン司法長官はGNCの告訴にDMAA、オキシロフリンを追加する

Oregon AG Adds DMAA, Oxilofrine to GNC Complaint
by Steve Myers -  September 20, 2016
http://www.naturalproductsinsider.com/blogs/insider-law/2016/09/oregon-ag-adds-dmaa-oxilofrine-to-gnc-complaint.aspx
オレゴン司法長官Ellen Rosenblumの修正された告訴によるとGNCがオレゴンの違法取引法違反で販売していた化合物リスト(BMPEAやピカミロン)にDMAA、オキシロフリンを追加する。訴えによるとGNCはFDAが2013年5月から6月のGNCのアリゾナ倉庫の査察で約3000のDMAA含有製品を押収したのを知っていながらオレゴン州等他の州に製品を出荷して販売していた。

In one day, 7 fatal drug overdoses in Cleveland area
September 26, 2016
http://edition.cnn.com/2016/09/25/health/cleveland-drug-overdose-deaths/
土曜日にオハイオ州のCuyahoga 郡で7人が薬物過剰使用で死亡し、公衆衛生警告が出された。この郡では8月だけで52人の薬物過剰使用による死亡がおこっている。2016年の死亡者は350人で年末までには500人と予想されている。昨年の2倍。原因はヘロイン、フェンタニル、カルフェンタニル

  • 2050年までに全てのアルコールが「2日酔いにならないアルコール」に置き換わるかも、とDavid Nuttがいう

'Hangover-free alcohol’ could replace all regular alcohol by 2050, says David Nutt
Katie Forster |Friday 23 September 2016
http://www.independent.co.uk/life-style/health-and-families/health-news/hangover-free-alcohol-david-nutt-alcosynth-nhs-postive-effects-benzodiazepine-guy-bentley-a7324076.html
アルコールのポジティブな影響を真似するが有害影響はおこさないようデザインされた'alcosynth'(新しいタイプの合成アルコール)が普通のアルコールにとってかわるだろう、とDavid Nutt教授が言う。彼はこれまで90ほどのalcosynth化合物の特許を取得している。Nutt教授らのチームは脳でアルコールと同様の作用をする化合物を探索している。
(特許なので秘密だって。2日酔いがイヤなら飲む量を減らすだけでいいような気がするんだが)

  • がん患者はあまりにも大きな希望を抱いて新薬の治験に参加する

Cancer patients sign up for trials of new drugs with too high hopes
By Laura Donnelly, Health Editor
26 September 2016
http://www.telegraph.co.uk/news/2016/09/26/cancer-patients-sign-up-for-trials-of-new-drugs-with-too-high-ho/
Royal Marsdenの研究によると、新しいがんの薬の試験に参加する患者はその実験的治療で救われるという非現時知的な期待を抱いている。実際には第一相試験の反応率は4-20%で(動物実験では効果がある)、参加者(標準療法に反応しない進行がん患者)の平均生存期間は約6ヶ月である。Cancerに発表。

  • オーストラリア人の食事は考えられていたより悪い、CSIRO の研究が示唆

Australian diet worse than originally thought, CSIRO study suggests
September 26, 2016
http://www.news.com.au/lifestyle/food/eat/australian-diet-worse-than-originally-thought-csiro-study-suggests/news-story/2b55affbb7bdaf14a82ec5d64761722c
2016 CSIRO Healthy Diet Scoreは12ヶ月に渡る86500人の成人の食習慣を描く。昨年は100点満点中61点だったが調べる人を二倍以上にしたら59点に下がった。
男性56に女性60で女性の方がいいが3人に1人がグルテンや乳製品や肉などの何かを避けている。あなたの点数が知りたければcsirodietscore.comに。

  • 「再現性」は何を意味するのか?

What do we mean by “reproducibility”?
Sep 13, 2016 |By Stephanie Wykstra
http://www.stats.org/what-do-we-mean-by-reproducibility/
ここ数年、多くの科学分野で「再現性の危機」が議論されている。心理学の分野では再現性プロジェクトの一環として100の研究を再度行う検討が行われ生命医学分野ではAmgenが53の「画期的」前臨床がん研究を再度行ったところ同じ結果になったのは6つしかなかった。研究の信頼性への懸念が増す中でNIHが報告の透明性の向上により再現性を上げようと呼びかけている。
信頼性と透明性の向上の努力は尊重すべきだが議論はしばしば混乱する。「再現性」の意味が専門分野により異なる。経済学者のMichael Clemensは社会科学の文献の中で70以上の違った意味で「再現性」が使われていることを同定した。
方法の再現性methods reproducibility、結果の再現性results reproducibility、推論の再現性inferential reproducibilityの三つの再現性について。

コンシューマーラボ
Product Review: St. John's Wort Supplements Review
9/2316
https://www.consumerlab.com/reviews/St_Johns_Wort/stjohnswort/
検査に合格したのはたった40%、強度は2万%以上違う
10製品を調べて6製品は不合格。ヒペリシン含量は0.11mgから2.6mgまで、ヒペルフォリンは0.13mgから36.4mgまでと大きく異なる。

  • フランスがプラスチックの皿やカトラリーに「さようなら」という

Scienceニュース
France says ‘au revoir’ to plastic plates and cutlery
Sep. 19, 2016
http://www.sciencemag.org/news/sifter/france-says-au-revoir-plastic-plates-and-cutlery
ピクニック好きには残念だが、フランスはプラスチックのカップや皿や器具を禁止する最初の国になる。Washington Postが報道した。プラスチックは壊れにくく動物が食べものと間違えて生態系に影響する。またポリ袋を作るのに何百万バレルもの石油を使い気候変動にも影響する。この法が2020年に発効すると、生分解性材料を50%以上含むもののみが使用でき、2025年までにはそれを60%に増やす。
(コメントたくさんついている。陶器や金属も生分解はしないし作るのに二酸化炭素はもっと多く排出する、とかストローの代用品は難しいのではとか。フランスらしいといえばそう)