食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 心理学者は有名な学習関連行動を再現できない

Natureニュース
Psychologists fail to replicate well-known behaviour linked to learning
Ramin Skibba 26 September 2016
http://www.nature.com/news/psychologists-fail-to-replicate-well-known-behaviour-linked-to-learning-1.20659
ブロッキング効果」を再現しようとして何度も失敗していることからその作用域に疑問
(パブロフの実験にまで遡る)

  • ワクチンにグリホサート?心配な保護者が知っておくべきこと

Glyphosate herbicide in vaccines? Here is what concerned parents should know
Andrew Porterfield | September 20, 2016
https://www.geneticliteracyproject.org/2016/09/20/glyphosate-herbicide-vaccines-frightened-parents-know/
反化学物質団体Moms Across Americaが子ども用のワクチンから微量のグリホサートを検出したと発表し、FDAやCDC、EPAなどにこの除草剤の許可を取り消すよう文書を送付した。この報告はNatural NewsやMarch Against Monsantoや Vaccine-Injury Infoなどの各種反GMO団体が取り上げ消費者活動家Erin Brockovichまでもが取り上げて恐怖を増幅した。問題の「研究」は論文ではなくピアレビューはなくMicrobe Inotech社というグリホサートの精密分析能力のない企業が行ったものである。さらにMoms Across Americaは自称研究者のAnthony Samselに追加の研究を依頼したという。彼は科学の専門能力はなくこれまで無数のインチキ研究を行ってきた。モンサント社はこの研究に対して「用いられた試験法は水の簡便検査法で追加試験が必要かどうかを決めるためのものである。ワクチン用ではない」と述べている。ELISA法はppbレベルのものを正確に測定するようなものではない。Moms Across Americaは既に否定された母乳中にグリホサートが含まれるという主張でも同じ方法を用いている。
(関連文書へのリンク多数なので参考として。豊洲の件も見慣れた光景。世界中で繰り返される分析の悪用。無知なのではなく、知っててわざとやってるよね)

Rate of Opioid-Dependent Babies Doubles in US
September 26, 2016
http://www.livescience.com/56267-opioid-dependent-babies-united-states.html
新生児離脱症候群の率が2008年は1000件当たり2.8だったのが2013年は7.3になった。2013年の新生児離脱症候群と診断された赤ちゃんは27315。
JAMA Pediatrics.
Rates of Neonatal Abstinence Syndrome Amid Efforts to Combat the Opioid Abuse Epidemic
http://archpedi.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2556200

Johnson and Johnson Faces More Baby Powder Cancer Lawsuits
September 26, 2016
http://stlouis.cbslocal.com/2016/09/26/johnson-and-johnson-faces-more-baby-powder-cancer-lawsuits/
ヘルスケア大企業に対して数百万ドルの判決が出たことでさらにベビーパウダーのタルクで卵巣がんになったと主張する女性が訴訟をおこした。既に二つの裁判で7200万ドルと5500万ドルが要求され同社は控訴しているが裁判は手強い。Onder法律事務所によると1800人ほどが訴訟をおこし合計3500になるだろうという。Johnson and Johnsonの弁護士であるJohn Beisnerはタルクとがんに科学的関連はないと主張する。

  • 反ワクチンの母親が子どもが病気になって心変わり

Anti-vax mum changes her mind after children fall ill
September 27, 2016
http://www.9news.com.au/world/2016/09/27/10/10/anti-vaccination-mum-regrets-decision-when-children-fall-ill
シカゴの教師Kristen O’Mearaは反ワクチン派だった。彼女は読むべきだと思ったものは全て読みよく勉強して自分の調査結果を信じていた。しかし3才の娘が病気になって、全てが変わった。娘はロタウイルスに感染し彼女や夫にもうつった。「私は子どもをリスクに晒した。もっと両サイドを調べていたら。私は間違っていた。」

反ワクチン主義者の心変わりは子育ての自己中心的な側面を顕わにする
Anti-Vaxxer's Change of Heart Reveals Selfish Side of Parenting
By Joe Vince (Patch Staff) - September 26, 2016
http://patch.com/illinois/chicago/anti-vaxxers-change-heart-reveals-selfish-side-parenting
Kristen O’Mearaが9月20日のNew York Postに書いたことは反ワクチン文化の有様を示す。40才の彼女は「私は権威を疑う「自然主義」の家庭で育った」と書く。それが彼女に子どもができたとき、反ワクチンの信仰を育てた。そして彼女はそのことで他の親より優れていると感じていたことを認めている。「予防接種をしている親たちは私のような特別な調査能力が無くて疑問を抱かずただ盲従しているだけ」と。子育てソーシャルメディアサークルの中でカーストの上位を獲得するのが目的のようだった。O’Mearaは予防接種をすることで親友を失ったという。子育ては競争ではない。今や子ども達に全ての予防接種をしたO’Mearaは自分にできる最良のことをした、良い親である。

(最近こういうニュース多い。これまで反ワクチンを煽ってきたメディアが掌返ししている。日本みたいに間違った報道を続けるよりましなのかもしれないけれど。)

  • 田舎と都市部の女性の母親の死亡率と周産期アウトカム

Maternal morbidity and perinatal outcomes among women in rural versus urban areas
Sarka Lisonkova et al.,
September 26, 2016 First published September 26, 2016, doi: 10.1503/cmaj.151382
http://www.cmaj.ca/content/early/2016/09/26/cmaj.151382
地方の方が母親の死亡や重大な合併症が多い。新生児の重大な病気も多い。