食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 再現性向上のために抗体の妥当性を評価する?言うは易く行うは難し

Scienceニュース
Validate your antibodies to improve reproducibility? Easier said than done
By Kelly ServickSep. 28, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/09/validate-your-antibodies-improve-reproducibility-easier-said-done
抗体を使っている研究者の半分以上がどうやって抗体の妥当性を評価するのか教わったことはないと回答している
(抗体の妥当性評価って比較的難しいのでそうだろうなと。それどころではないレベルの低さがSTAP騒動で明らかになったわけだし。まともな指導もされず論文読むのが時間の無駄でしかないような状況で学生は可哀想)

  • 数百の新しいダムは将来の気候の問題

Hundreds of new dams could mean trouble for our climate
By Warren CornwallSep. 28, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/09/hundreds-new-dams-could-mean-trouble-our-climate
水力発電再生可能エネルギーとして気候変動対策と宣伝されているがそれほどクリーンではないことがわかってきた。

  • 若い研究者は大学を出て成長する

Natureエディトリアル
Young researchers thrive in life after academia
27 September 2016
http://www.nature.com/news/young-researchers-thrive-in-life-after-academia-1.20686
大学ではないキャリアは妥協とみなすのではなく祝福すべき

  • ジンバブエの科学者がナショナルアカデミーを残そうと戦う

Natureニュース
Zimbabwean scientists fight to preserve national academy
Sarah Wild 27 September 2016
http://www.nature.com/news/zimbabwean-scientists-fight-to-preserve-national-academy-1.20670
経済の急落により研究は困難
何年にも渡る資金不足と政治的無視によりジンバブエ科学アカデミー(ZAS)は躓き支援を求めている。

  • 糖類

Sugars
September 2016
http://www.ifst.org/knowledge-centre/information-statements/sugars
IFSTの情報提供
規制や減らす手段等についても。
(添加物を上手に使えばいいんだけど、消費者の思いこみでなかなか進まない。安全性向上のための努力と従来型の消費者団体の活動が逆になっているのが現代なんだろう)

  • 「アボカドは動物由来」子ども達のショッキングな食品知識の欠乏が暴露される

‘Avocados come from ANIMALS' Kids’ shocking lack of food knowledge exposed
Tue, Sep 20, 2016
http://www.express.co.uk/life-style/food/712737/avocados-come-from-animals-Kids-shocking-lack-of-food-knowledge-exposed
Asdaの調査によると今時の子ども達は食品についての基礎知識がない。41%が卵が鶏のものだと知らず10人中6人がニンジンの育つ期間を知らない。8才以下の1000人に聞いた。
(こういうニュースよくある。あんまり意味はない)

Homeopathy Decision to be Challenged
Tuesday, 27 September 2016, 3:38 pm
Press Release: Society for Science Based Healthcare
http://www.scoop.co.nz/stories/GE1609/S00145/homeopathy-decision-to-be-challenged.htm
ニュージーランド広告基準庁が科学に基づいた医療学会会員の申し立てたWeledaホメオパシー製品の宣伝に対する苦情を支持しないと決定した。苦情内容は風邪とインフルエンザ用のホメオパシー製品が「熱や筋肉痛、頭痛、喉の痛み、鼻水などの風邪やインフルエンザの症状を緩和する」という宣伝をしていることについてである。WeledaはMedsafeが登録しているので宣伝は認められると主張しそれを広告基準審査委員会が認めた。Medsafeの登録はウェブで確認できるが認められている効能リストはない。Medsafeによるとこれは「既得権“grandfathered”」製品なのでオンラインで開示できる情報はない。
科学に基づいた医療学会は「既得権」プロセスが根拠のない製品に効能を謳うことを認めていることを理解した。ホメオパシーには効果がないという根拠がある。今まで宣伝してきたからといって虚偽の宣伝を認めるのは間違っていると我々は考える。消費者は情報を与えられた上での決定をする権利がある。
(日本の漢方薬と似たような問題)

Can water protect you from glyphosate ‘poisoning’? Gilles-Eric Séralini’s homeopathy “detox” hoax
Andrew Porterfield | September 27, 2016 | Genetic Literacy Project
https://www.geneticliteracyproject.org/2016/09/27/can-water-protect-glyphosate-poisoning-gilles-eric-seralinis-homeopathy-detox-hoax/
グリホサートの有害影響をデトックスできるホメオパシー製品があるって知ってる?なんと反GMOのヒーロー、フランスの科学者セラリーニがそう言っている。
セラリーニの仕事の中心はグリホサートとGMOの危険性を記すことであったが、最近は自然・代替療法ウェブサイトで活躍中である。今年初め非主流派のオープンアクセスジャーナルBMC Complementary and Alternative Medicineに、フランスのナチュラル製品企業Sevene Pharmaのホメオパシー製品であるDigeodrenが、グリホサートの慢性暴露による運動や生化学的問題を元に戻すことができると結論した研究が発表された。お金を出したのはSevene PharmaでありSéraliniはこの会社の顧問としてこの会社の「研究」のほとんどを行っている。
(以下内容の詳細な解説。)

  • 議員が麻薬取締局にKratomの禁止を止めるよう要請

Congress Members Call for Halt on DEA Kratom Ban
September 28, 2016
http://www.medscape.com/viewarticle/869402
米国下院の超党派議員がオバマ政権に9月30日のKratomの規制対象薬物schedule I指定を中止するよう要求している。
CDCの7月の報告ではKratomに関連した中毒センターへの照会は2010年の26から2016年の263に10倍に増加し、49例は命に関わるものだった。またFDAも7月にKratomを含む製品の輸入警告を出している。
しかしBotanical Education Allianceは議員に対する運動を行い安全で有効だと主張している。この団体は目的やメンバーや資金源を公開していないので情報を求めたが回答はない。

  • ジャンクサイエンスを発表することで批判されている海外企業がカナダの雑誌を乗っ取る

Offshore firm accused of publishing junk science takes over Canadian journals
September 28, 2016
http://www.ctvnews.ca/health/offshore-firm-accused-of-publishing-junk-science-takes-over-canadian-journals-1.3093472
CTV News/Toronto Starの共同調査で、ジャンクサイエンスを拡散し研究者を騙していると批判されている海外の出版社が、尊敬されているいくつかのカナダの医学雑誌を乗っ取っていることがわかった。研究者や編集者はOMICS Group Incという企業に警鐘を鳴らしている。OMICS社はインドに本部があるネバダの会社で、数百以上のオンライン雑誌をもっている。「尊敬されているレビューワー」により「ピアレビュー」されていると主張しているが8月に米国FTCがOMICS社に対して学者や研究者を騙したとして訴訟をおこしている。FTCが訴える前からいわゆる“predatory publisher”であるという批判はあった。世界中に数百の“predatory publisher”がありそれらが科学に深刻な打撃を与えている。
OMICS社は今年カナダの二つの医学出版社を買った。Andrew John Publishingと Pulsus Groupである。Canadian Journal of General Internal Medicineの責任編集者だったRose Simpsonは1月に買収が発表されたとき同社のウェブサイトを見てあらゆる種類の間違いを発見した。そして全ての出版業務はインドに移すと言われ解雇された。その後すぐにOMICSによる直接雇用を提案されたが断り、医師や研究者に警告を始めた。
チェックされていないインチキ論文が氾濫することは患者にとって危険なことである。ジャンクサイエンスの危険性は例えば予防接種に関するウェブの情報を見れば明らかであろう。
(雑誌だけでなくインチキ国際学会もたくさんやっている。こんな会社がお金を持っている、ということは業績水増し目的でこんなところに大切な研究費をつかっている人がいる、ということ。)