食品安全情報blog過去記事

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コーヒーが認知症を予防するという主張は、良くてもいいかげん

Behind the headlines
Claims that coffee prevents dementia are lukewarm at best
Wednesday October 5 2016
http://www.nhs.uk/news/2016/10October/Pages/Claims-that-coffee-prevents-dementia-are-lukewarm-at-best.aspx
Mail Onlineが「コーヒーは実際認知症を予防するのに役立つ:1日に2杯で36%発症リスクを減らす」と報道した。しかしこの報道の背景にある研究をよく見ると、結果はぎりぎり有意で、偶然の可能性がある。
米国の研究者らが平均1日261mgのカフェインを摂取する(コーヒー2-3杯に相当)閉経後の女性が認知機能障害あるいは認知症疑いのリスクが、よりカフェイン摂取量の人たちより少ないことを発見した。この研究は6467人を最大10年フォローしたもので、カフェインを多く摂る人たちの認知機能障害リスクが少なかった。しかしカフェインの摂取量は自己申告で、デカフェ飲料は特定されておらず、全てのコーヒーや紅茶、コーラがカフェインを含むと想定されている。さらに結果は控えめに言っても小さい。研究者らは予防効果を26%(メディアが報道している36%ではない)と推定しているが、研究者らの計算によると、実際の数値はわずか1%である。
認知症アルツハイマー病の原因はわかっておらず、明確な予防法はない。リスクを減らすためにできることは、禁煙、飲酒を減らす、健康的でバランスのとれた食生活、運動、そして精神的に活動的であり続けることである。