食品安全情報blog過去記事

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その他

  • ネットいじめ:科学者を破壊する戦略

Cyberbullying: The Strategy to Destroy Scientists
By Alex Berezow — October 5, 2016
http://www.acsh.org/news/2016/10/05/cyberbullying-strategy-destroy-scientists-10263
私は大学生の時に微生物学を専攻していて初めてGMOについて学んだ。当時はGMOと呼ばれていなくて「トランスジェニック作物」と言われていた。その時の無限の可能性についてのわくわくした気持ちを覚えている。それから何年か経って私は報道の世界に入った。そこでびっくりするような、科学者への無知と批判に出会った。そんな中でGMOの「議論」がオーガニック業界や活動家のバイオテクノロジー業界への絶え間ない、悪意のある攻撃であることを発見した。あなたが学者だろうとジャーナリストだろうと一般人だろうと関係なく、バイオテクノロジーを支持すると反GMO活動家はあなたに嫌がらせをする。かつては思春期前の若者のやることだったネットいじめcyberbullyingが反GMO活動家らによって行われている。彼らは「GMOリスト」と呼ばれる電子メールリストを使ってお互いに連絡しあっていることが情報公開請求によって明らかになった。その中にはGMO Free USAの創設者で会長のDiana Reevesが送った、匿名でFolta博士に嫌がらせをする方法についてのメールもある。ネットでの個人攻撃は現実にも影響している。

  • クライオセラピーの熱い誇大宣伝と冷たい現実。それはあなたの痛みを凍らせて取り除いてくれるか

ワシントンポスト
The hot hype and cold reality of cryotherapy. Does it freeze your pains away?
By Kerry Lauerman September 23
https://www.washingtonpost.com/news/to-your-health/wp/2016/09/23/the-hot-hype-and-cold-reality-of-cryotherapy-does-it-freeze-your-pains-away/

FDA
全身凍結療法(WBC):根拠が無くリスクとなる「クール」な流行
Whole Body Cryotherapy (WBC): A "Cool" Trend that Lacks Evidence, Poses Risks
July 5, 2016
http://www.fda.gov/forconsumers/consumerupdates/ucm508739.htm

  • 米国が著者を誤解させたとして出版社を告発

U.S. charges journal publisher with misleading authors
John Bohannon
Science 07 Oct 2016:Vol. 354, Issue 6308, pp. 23-24
この種の事例としては初めて、FTCが著者を騙したとして雑誌の出版社を告発している。数百のオープンアクセス雑誌を出版しているOMICS Group 社に対してFTCが連邦判事に、その費用や編集スタッフ、ピアレビューなどについての虚偽および誤解を招く主張を止めるよう命令するよう求めている。また著者や学会参加者にその数百万ドルの費用の返却も求めている。
この事例はラスベガスの連邦判事の前にあるが、これまで自主規制の世界だった科学雑誌の世界に衝撃を与えている。コロラド大学の司書で、“predatory”出版社の批判者として有名なJeffrey Beallは「学術出版業界を政府が規制しなければならないとは恥ずべきことだ」と言っている。OMICSはBeallによる批判に対して10億ドルの裁判で脅迫している。
インドのOMICSは2008年に初めてオンライン雑誌を発表してから出版帝国を築き上げ会議も行っている。もと生命医学研究者のSrinubabu Gedelaが運営するこの会社は農業から動物学まで653のジャーナルを出版している。さらに無数の絶え間無く変化する子会社のもとでもっとたくさんの雑誌を発行している。論文は著者が最大数千ドルのお金を払い、読者には無料である。
FTCは研究者からのたくさんの苦情を受けて米国の消費者保護法を執行しGedelaとOMICSとその関連会社2つを訴えた。苦情内容は論文出版のための費用を徴収したのにピアレビューのような約束したサービスを提供しなかった、あるいは学会の運営がいいかげんだといったものである。FTCは過去1年ほど静かに証拠を集めてOMICSを訴える準備をしていた。例えば被害者のカリフォルニア州立大学の心理学者Pamela Reganは、International Journal of Emergency Mental Health and Human Resilienceから論文投稿を依頼するメールを受け取った。この雑誌はかつては彼女の分野では尊敬されていたもので彼女はOMICSに乗っ取られていたことを知らなかった。そして数ヶ月かけてレビューを書き投稿したところピアレビューは行われず1819ドルの請求書が来た。非合法雑誌になってしまったことを恐れて論文を取り下げると言ったら彼らはそれは不可能だと言う。大学の法律担当者に手伝ってもらってOMICS社との何ヶ月にもわたる脅迫的電子メールでのやりとりを行いなんとか落ち着いた。しかし彼女が他の雑誌に論文を投稿しようとしたところ、OMICS社は彼女に彼女の論文を出版したと通知してきた。彼女は恐怖を感じた。「こんなインチキ雑誌に論文を出すなんて科学としての名声にとって破壊的ダメージだ」という。何とかしようとして彼女は雑誌の編集者として名前の挙がっている29人の学者に連絡した。しかしほとんどの人が名前を使われていることを知らなかった。OMICSから名前を外させようとしている人もいたができなかった。最終的に彼女の論文は取り下げることに成功したが彼女は激怒した。OMICSは論文を出したいと熱望している経験の少ない科学者を食い物にしている。特に途上国の学者や大学院生を標的にしている。恥ずべきことだ、と彼女は言う
Scienceは何度もOMICSにメールを送ったが返事はない。

(こういう「論文」が機能性食品の「根拠」として提出されることを消費者は理解していない。バイアグラ買いませんかとか暇な主婦ですみたいなスパムメールはシステムがかなり弾いてくれるようになったけれど学会や学術雑誌を名乗るスパムは毎日届く。)

  • ペプシは訴訟が「誤解を招く」と言ってもNakedジュースのラベルを変える計画はない

Pepsi has no plans to change Naked Juice labels that lawsuit calls 'misleading'
Thursday, October 6, 2016
http://www.stamfordadvocate.com/technology/businessinsider/article/Pepsi-has-no-plans-to-change-Naked-Juice-s-9880285.php
Nakedジュースの表示が批判されたのはこれが初めてではない。2013年には「オールナチュラル」を巡って集団訴訟がおこされ900万ドルを支払って「オールナチュラル」は使わないことに合意した。
今回はそうはならないとペプシは言う

  • (インド)政府の研究が5つのソフトドリンクブランドのPETボトルから毒素を発見

Government study finds toxins in PET bottles of 5 soft drink brands
http://indianexpress.com/article/india/india-news-india/toxin-in-pet-bottles-of-soft-drinks-pepsico-coca-cola-mountain-dew-sprite-3067617/
保健省の下部組織のAll India Institute of Hygiene and Public Health (AIIH&PH)が行った検査で、市販のPETボトル入り飲料から重金属等が検出された
ペプシコーラからアンチモン0.029 milligrams per litre (mg/L), 鉛0.011 mg/L, カドミウム0.002 mg/L,クロム 0.017 mg/L およびDEHP 0.028 mg/L 、コカコーラは0.006 mg/L, 0.009 mg/L, 0.011 mg/L, 0.026 mg/L and 0.026 mg/L。温度が上がると溶出が増える。
(さすがにこのレベルで分析法を書かないのはダメだしコメのカドミウム基準値0.2mg/kg(日本は0.4)はどうなる?日本の豊洲の報道と一緒、ということは日本のメディアはインド並みということか)

  • コカコーラが数百万ドルの広告とともにミニボトルを発売

Coca-Cola launches mini bottle with multimillion-dollar push
7 October 2016
http://www.adnews.com.au/coca-cola-launches-mini-bottle
オーストラリアで250mLボトルを発売