食品安全情報blog過去記事

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SMC NZ

電子タバコは肥満との戦いの新しい武器になるか?−専門家の反応
Could vaping be a new weapon to battle obesity? – Expert Reaction
October 26th, 2016.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2016/10/26/could-vaping-be-a-new-weapon-to-battle-obesity-expert-reaction/
ニュージーランドの研究者が共著者の一人であるコメントによるとフレーバーリキッドを使った電子タバコが体重管理に役立つ。これは今日Nicotine & Tobacco Researchに発表されたコメントで、体重管理への電子タバコの影響についての現状の科学的知見を検討している。Massey大学の研究者を含む著者はさらなる研究が必要としながらも公衆衛生に役立つ可能性があると言う。
このコメントがニュージーランドメディアで報道された(リンク)
英国SMCが以下の反応を集めた
ケンブリッジ大学行動健康研究ユニット長Theresa Marteau教授
ニコチンに食欲抑制作用があるのはよく知られている。彼らのコメントは食品の風味をつけた電子タバコが体重増加抑制に役立つ可能性について説明している。これはミルクチョコレート風味の電子タバコ製品のマーケティングと同じである。電子タバコの影響は検討に値するがそれは確立されている体重管理方法をしない言い訳としてのインチキにならないように慎重にしなければならない。直接的な根拠がないままフレーバー付き電子タバコを使うことを示唆することには用心すべきである
オックスフォード大学食事と集団の健康教授Susan Jebb教授
禁煙すると太る人が多い。主な理由はニコチンによる代謝活性化と食欲抑制が無くなること、タバコの代わりにお菓子を食べることである。その場合電子タバコが役立つ可能性はあるが証明されていない。しかし重要なことは禁煙中の体重増加予防のための戦略ともともとタバコを吸っていない人の減量戦略をごっちゃにしないことである。体重増加の抑制と減量とは異なる。非喫煙者はニコチンに手を出すべきではない。
ロンドン大学Queen Maryタバコ依存研究ユニット長Peter Hajek教授
ニコチンに体重管理のポテンシャルがあるとしても喫煙の重大なリスクを考えると決して注目されるべきではない。
オックスフォード大学行動医学教授Paul Aveyard教授
禁煙後にニコチンを使用することが禁煙による体重増加を抑制することは明確である。これまでの研究はニコチン補充療法で電子タバコではないが同程度の効果は予想される。タバコを吸い続けるより電子タバコに代えるほうがいい。タバコを吸わない人がニコチンを使用することで体重が減るという根拠はなく、リスクのほうが大きい。