食品安全情報blog過去記事

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論文

Is more, better? Finding the balance between nutritional supplements and eye health
27-Oct-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/uouh-imb102416.php
ルテインサプリメントの摂りすぎは目の中の結晶沈着形成と関連
JAMA Ophthalmologyに報告されたユタ大学Moran眼センターからの症例報告。
両目の網膜黄斑部位の結晶沈着のある患者が来て、過去8年、ルテインの多い食事に加えて毎日ルテインサプリメント20mgを使用していた。AMD患者のルテイン推奨量は10mg/日である。患者はサプリメントの使用を中止し、食事は変わらないが、7か月後に右目の結晶が消失した。AMDハイリスク患者にはAREDS2サプリメントが薦められているものの、一般人のサプリメント使用も増加している。著者からの助言は「眼の健康のためには全てのヒトに野菜や果物の多い食生活を薦める。またAREDS2サプリメントは眼科医がAMDの兆候を認めた場合に摂るべきである」

  • 天然化合物が健康なマウスの加齢の兆候を減らす

Natural compound reduces signs of aging in healthy mice
27-Oct-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/wuso-ncr102516.php
NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)の安全性は日本で小規模臨床試験で調べられている
Cell Metabolismに発表されたワシントン大学医学部のShin-ichiro Imai教授による研究。マウスに5ヶ月齢から17か月齢までNMNを飲料水で投与。骨格筋や肝機能、骨密度、目の機能、インスリン感受性、免疫機能、体重、運動量などを調べている。NMNの影響は高齢マウスでしか見られなかった。
(この人、npj Aging and Mechanisms of Diseaseという、日本抗加齢医学会(JAAM)とNature Reseach が共同刊行するオープンアクセスジャーナルの共同編集長をやっている。もう一人は坪田一男日本抗加齢医学会理事長。Nature Partner JournalsシリーズってNatureのビジネス。坪田先生は慶應義塾大学医学部眼科学教室。眼科なのに食事の本とか出している。NMNもビジネスにするんだろう。この結果だと使っても効果が実感できないヒトに対してはまだ若いから差が出ない、とか若いときから始めなかったからダメだったとかいくらでも言い訳できそうだし。)

Study finds lack of benefit of cranberry in reducing urinary tract infections among older women
27-Oct-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/tjnj-sfl102516.php
施設に入っている高齢女性において、クランベリーカプセルとプラセボを比較すると尿中白血球や細菌の存在、あるいは過去1年の尿路感染エピソードに有意差はなかった。JAMA
エディトリアル
尿路感染予防にクランベリー?次に進むべき時
何度も何度も効果はないという研究が報告され、効果があるという研究は方法論に欠陥があるのに、クランベリーが再発する尿路感染の予防に使えるという一般紙やネットの勧めがなくならない。今後クランベリー製品を薦めるのはどんなものであれ入手可能な科学的根拠と合理的理由はない。カナダのマニトバ大学Lindsay E. Nicolle博士が書く。
この信仰の一部は医療を避けナチュラルヘルス製品を治療につかおうと推進するグループや個人によるものである。抗菌剤の使用を減らそうという現在の方針も関与している可能性がある。繰り返す尿路感染はよくあるもので、患者には苦痛で頻度が多いため医療費もかかる。他の管理方法を探るべき時期である。それには抗菌剤の賢明な使用も含まれるべきである。

Some herbal and dietary supplements can be toxic to the liver
28-Oct-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/w-sha102816.php
米国肝障害研究学会とNIHの後援による研究シンポジウムに基づくレビューでは、ハーブとダイエタリーサプリメント(HDSs)の肝臓への有害影響を強調する。
今や米国薬物誘発性肝障害ネットワークの肝障害事例のうち20%がHDSs誘発性肝障害である。主な関与製品はパフォーマンス強化用、ボディービル用、減量用製品である。成分を複数含む栄養サプリメントによる肝障害の有害成分は疑いでしかない。
Liver Injury from Herbal and Dietary Supplements
Victor Navarro et al.,
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/hep.28813/full
(緑茶抽出物が疑い事例の中に結構ある。効果はないのに害は確実にあるものの売り上げが増えることを消費者庁が推進するっておかしいだろう?)

  • 食用昆虫についての噂:牛肉の代わりになるか?

The buzz about edible bugs: Can they replace beef?
26-Oct-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/acs-tba102616.php
Journal of Agricultural and Food Chemistryに発表された報告で栄養素、特に鉄を比較。
(グラフあり。)

  • NOAA:2015年にアメリカ人はシーフードを食べる量が増えた

NOAA: Americans added an extra pound of seafood to their diet in 2015
26-Oct-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/nh-naa102616.php
NOAAの報告によると全国で米国の魚介類の水揚げは97億ポンド、52億円。価格の順ではロブスター($679.2 million)、カニ($678.7 million)、エビ($488.4 million)、サーモン($460.2 million)、スケトウダラ ($441.7 million)。量ではスケトウダラ(33億ポンド)、ニシン(16億ポンド)
規制と水産科学の革新と管理の向上により、アメリカの乱獲を脱し漁業をより持続可能にすることのメリットを受けつつある。
また平均的アメリカ人は2015年に15.5ポンドの魚介類を食べ、昨年より0.9ポンド増加した。

  • 淡水藻類由来毒素がサンフランシスコ湾の貝から検出された

Toxins from freshwater algae found in San Francisco Bay shellfish
26-Oct-2016
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/uoc--tff102616.php
サンフランシスコ湾のイガイから高濃度の淡水藻類毒素(ミクロシスチン)を検出した。Harmful Algaeに発表。市販の牡蠣からも低濃度検出した。この知見は貝類の既存の監視システムにミクロシスチンも加えるべきであることを示唆する、と著者のCorinne Gibbleは言う。