食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 乳児用ミルクを拒否した母親が投獄を免れる

Mum who refused baby formula escapes jail
31 October 2016
http://www.skynews.com.au/news/national/qld/2016/10/31/mum-who-refused-baby-formula-escapes-jail.html
母乳をベストだと考える匿名のクイーンズランドの母親が、彼女の栄養不良の子どもに「有害な」ミルクを与えることを拒否したことで投獄されるのは免れた。月曜日にブリスベン地方裁判所で、医学的助言を無視して息子を虐待したことで有罪とされた。
彼について当局が気がついたのは5ヶ月の時で、体重は3.7kgと標準の約半分しかなく、ひどい栄養不良だった。判事は「この子は死ぬところだった。乳児用ミルクは有害ではない。母乳が足りない赤ちゃんには必要なものだ」という。母親は4人の子どもがいてこれまで全ての子どもは母乳で育てていてミルクに含まれる化学物質は有害だと恐れていた。また彼女は主流の医療も恐れていて産後鬱のためにさらに息子の状態を認識しなかった。
彼女の弁護人は「助けを呼びたかったができなかったのだ」という。「彼女はミルクを与えることは母親失格であると考えていた」
この43才の女性は18ヶ月の判決で直ちに仮釈放、父親50才も息子のために何もしなかった罪で12ヶ月の有罪判決で直ちに仮釈放。
息子は回復している。

  • 特集:転落の後

After the fall
Jeffrey Mervis
Science 28 Oct 2016:
Vol. 354, Issue 6311, pp. 408-411
研究不正の発覚後に研究所に残る人たちがいる

違反者の名前を公表する?場合による
Name that offender? It depends

  • 若い科学者の苦境

Nature特集
The plight of young scientists
26 October 2016
http://www.nature.com/news/the-plight-of-young-scientists-1.20870
研究費や定職は少なく、事務作業は多く成果を出せというプレッシャーは強く、科学や科学者は窒息しかかっている
(なんか救いのない特集)

  • フランス農業機関の議論の多い所長が話す

Nature | News: Q&A
Controversial head of French agricultural agency speaks out
Barbara Casassus 27 October 2016
http://www.nature.com/news/controversial-head-of-french-agricultural-agency-speaks-out-1.20859
7月にフランス国立農業研究所(INRA)の所長にPhilippe Mauguinが指名されたことが研究者からの広範な抗議を呼んだ。フランスの主要研究所の所長は通常科学者だが、Mauguinは農学のエンジニアで農業大臣のスタッフの長であり政治的任命だと見られた。これが英語で発表された初のインタビューである。INRAは1850人のフルタイム研究者を含む8165人の正職員をもつ年9億ユーロ近くの予算をもつ組織である。
・INRAの優先課題は?どう変わるべき?
・研究者は基礎研究が減らされて応用が増えると懸念している。どう答える?
そんな可能性はない。INRAは研究所で知を生み出すことと公共政策を支援することのバランスを維持する必要がある
・そのバランスとは?
定量できるとは思えない
・INRAは2013年にGM研究を止めている。復活する予定はあるか?
INRAにはGM作物はないがバイオテクノロジー研究は自由にして欲しい。この分野の研究がない公的研究所は想像できない。
・INRAの研究者はあなたをどう見ている?まだ反対に直面している?
そんなに反対されているとは思わない

Expert Q&A
Inside the American Food Psyche
by David Tuller, DrPH | October 26, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/nutrition/article/inside-american-food-psyche
本「貪る:鶏手羽からケールスムージーまで−いかにして何を食べるかが我々が何者かを決めるかDevoured: From Chicken Wings to Kale Smoothies—How What We Eat Defines Who We Are」の著者でサンフランシスコにあるアメリカ料理研究所計画部長のSophie Eganへのインタビュー
・私が思うに多くの人がこの国のフードシステムは混乱していると感じている。ほんとう?
エスでもありノーでもある
・フードリテラシーとは何か?
私にとってはフードリテラシーは食べものにある種の親密さを持っていること。単なる知識ではなく信頼も含む。何かの食品成分についての恐ろしい研究結果がメディアで報道されると、その場合ニュースになる理由は例えばこれまでの常識と違うからといったことで、それからそのニュースが他の人に批判される。ジャーナリストはわかりやすくしようという善意であっても実際の結果を正しく翻訳しない。その結果はおかしな誤解だらけの伝言ゲームになり、常識を信じられなくする。
ソーシャルメディアが食品についての情報の温床となっている。これは良くないことだろうか?
オンラインのレシピは増えた。しかしそれが必ずしも食品についての直感につながっていない。ソーシャルメディアでの食品のたくさんの投稿は食品崇拝fetishizingの一種で食事を作ることがある種威嚇のようになっている−「まあ、こんなに写真写り良くはできない!」
・それを変えられる?
・オーガニック食品についてはどう?より多くの人にアクセス可能になっている?
私にとってはコストコが希望の兆候。オーガニックを大量に販売し始めたたった一つの大企業。彼らによりオーガニックがエリートのためだけのものではなくなるのに役立つ
グルテンフリーについては?
グルテンフリーは最新の「無いことを売る」パターン。このグルテンヒステリーはより大きな懸念−何かを食べたあとで気分が良くなりたい、より加工の少ない食品を食べたい−の代償とされたのであろうと思う。
(オーガニック農産物の大量生産大量消費、不足分は大企業が他の売り上げから補填ってなんかいろいろ間違ってるような気がするんだが)