食品安全情報blog過去記事

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キノコ摂取による中毒―リスクに注意!

Poisonings due to mushroom consumption - be aware of the risk!
20/10/2016
https://www.anses.fr/en/content/poisonings-due-mushroom-consumption-be-aware-risk
10月の初めから、キノコの摂取に関連した深刻な3事例を含む87件の中毒事例が中毒管理センターに報告されている。事例の件数の増加に応えて、フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)と健康総局(DGS)は野生のキノコ採集者に警告を出し、彼らに良い習慣を守るよう再確認している。
ここ数週間の天候状態(大雨に続く暖かい時期)は野生のキノコの成長を促し、その結果キノコ摂取に関連した中毒件数は著しく増加している。この種の中毒は深刻な健康状態(深刻な消化器障害、腎臓合併症や移植の必要もありうる肝臓障害)になる可能性があり、死に至ることさえある。大抵の場合は食べられるキノコと取り違えたことによる。
そのような事例は毎年のように定期的に報告されていて、警戒が必要とされる。ANSESとDGSはそのため野生のキノコ愛好家に次のような助言をしている:
・明らかに見分けられるキノコだけを採取する:かなり毒のあるキノコには食べられる種類と非常によく似ているものがある;
・採取したキノコの状態や識別に少しでも疑いがあるなら、専門家(たとえば薬剤師または菌類学団体や協会)に検査してもらうまで食べてはいけない;
・よい状態のものだけを選び、簡単に見分けられるようにキノコ全体(柄とかさ)を採る;
・毒のあるキノコと食べられるキノコを混ぜないように、収穫したキノコを注意深く種類ごとに分ける;
・採取した後は手を徹底的に洗う;
・食べられる種類について疑いが残る場合や専門家が見分けられない場合、子供、妊婦、体の弱い人に採取した野生のキノコを勧めてはいけない。
下記事項も助言されている:
・汚染された場所(沿道、工業地帯、埋め立て地)の近くのキノコを採るのは避ける;
・最適に保管するために箱や木箱にキノコを分けて入れ、腐敗が早まるプラスチック製の袋にいれないこと;
・冷蔵庫に適切な状態でキノコを隔てて保管し、採取後2日以内に消費する;
・食べる前にキノコを完全にしっかり調理し、生では絶対に食べない。
中毒症状の場合の対処
野生のキノコの摂取に関する症状(下痢、嘔吐、吐き気、震え、めまい、視力障害など)は摂取後最大12時間後までに現れるおそれがあり、患者の状態は急速に悪化することがある。最後の食事の時間、最初の症状の始まりを記録し、見分けるために収穫したものの残りをとっておくことが役に立つ。
調理前にキノコの写真を撮るのは貴重な行動です!中毒の場合、その写真が中毒センターで薬剤師や医者がふさわしい治療を決めるのに役立つかもしれない。
これらの症状の1つ以上が現れたら、すぐに地域の中毒管理センターに電話を、あるいは(フランスでは)ダイヤル「15」にかけ、キノコを食べたことを説明してください。
2016年1月に中毒監視(トキシコビジランス)業務がANSESに移行したを受け、ANSESは現在フランス中毒管理センターのデータに基づき、キノコ中毒の結果の季節ごとの監視責任がある。
追加情報
野生のキノコ摂取に関する記事
https://www.anses.fr/en/content/gathering-and-consuming-wild-mushrooms
毒物及び中毒管理センター(フランス語)
http://www.centres-antipoison.net/
フランス菌類学社会のホームページ訪問(フランス語)
http://www.mycofrance.fr/
社会保健省のホームページ訪問(フランス語)
http://social-sante.gouv.fr/sante-et-environnement/denrees-alimentaires/article/prevention-des-intoxications-par-les-champignons
プレスリリースを読む
https://www.anses.fr/en/system/files/PRES2016DPA13EN.pdf