食品安全情報blog過去記事

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2013-2014 表示されていないクッキーのアレルゲンやグルテン

2013-2014 Undeclared Allergens and Gluten in Cookies
2016-11-08
http://www.inspection.gc.ca/food/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-reports/2016-11-10/undeclared-allergens-and-gluten-in-cookies/eng/1478622088371/1478622557427
要約
カナダ食品検査庁(CFIA)は最も高いリスクの分野のサーベイランス活動に重点的に取り組むため特定の物質に的を絞った調査を行う。これらの調査から得られた情報の活用により、より大きな懸念のある分野に対して検査庁の活動の優先順位をおき、そして、懸念の少ない分野へは科学的根拠を提供することができる。もともと、食品安全行動計画(FSAP)のもとに始まったが、この的を絞った調査はCFIAの定期的なサーベイランス活動に組み込まれてきた。この調査は、食品中の特定のハザードに関する必須情報を作成し、新しく出現するハザードを特定し、特性を明らかにし、傾向の分析を報告し、ヒト健康リスク評価を促して改善し、カナダの法律遵守を評価し、潜在的な汚染問題を明らかにし、そして、コンプライアンス遵守を促す、価値あるツールである。
この特定の物質に的を絞った調査の主な目的は、クッキーの表示されていないアレルゲンやグルテンの有無と量に関しての基礎情報を得ることである。また、アレルギーや過敏症の人々にとって、表示されていないアレルゲンやグルテンに関連する潜在的な食品安全上の懸念を同定するためでもある。
多様な数多くの包装済みのクッキーがカナダの市場で手に入る。ラベル表示が不十分だったり、最終工程の製造前か、製造中の交叉汚染のために、これらの商品に表示されていないアレルゲンやグルテンが入っている場合もあるかもしれない。それは、適正製造規範やアレルゲン管理に問題があったことを示す可能性がある。食品中の表示されていないアレルゲンの存在は、アレルギーや過敏症の人にとっては深刻で命にかかわる健康リスクになる可能性がある。加えて、表示されていないグルテンは、セリアック病やグルテン過敏症の人にとって慢性的な健康問題の一因となるかもしれない。
この調査のために、包装済みのクッキー595検体が店舗から採取され、分析された。一つ、もしくは一つ以上の表示されないアレルゲン(特に大豆、卵、ミルク(ベータラクグロブリンカゼイン)、ピーナッツ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、およびゴマ)、およびグルテンが分析された。595の検体のうち、22検体(3.7%)が一つ、もしくは一つ以上の表示されていないアレルゲンやグルテンの陽性反応が出た。
検出可能な量の表示されていないアレルゲンやグルテンが、すべて消費者にリスクを与えるというわけではないということを考慮に入れたうえで、すべての陽性結果は、CFIAによって評価された。CFIAは、カナダ保健省による健康リスク評価に基づいた適切なリスク管理対策を行った。このリスク管理行動は、製造業者や輸入業者への通知、フォローアップ査察、追加の指示サンプリング、食品安全調査、および、製品回収措置などが含まれる。
CFIAはこのサーベイランス活動を引き続き行い、カナダ市民や関係者にその知見を通知する予定である。