食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

France to suspend sales of Vitamin D supplement after infant's death
Wed Jan 4, 2017
http://www.reuters.com/article/us-france-health-idUSKBN14O0HW
与えられた乳児が死亡したためUvesterol DというビタミンD製品の販売を一時停止するとフランスの医薬品安全監視機関が水曜日に発表した。
Marisol Touraine保健大臣はそれを使って投与する経口用シリンジに欠陥がありサプリメントそのものは危険ではないという。この製品はCrinex社の開発したもの。EMAによるとこのサプリメントは他のEU国では販売されていないが事態を監視している。

  • 予防接種キャンペーンはビクトリアの集団免疫を強化することを期待する

Vaccination campaign hopes to boost herd immunity in Victoria
By Guy Stayner
Updated Wed at 1:55pm
http://www.abc.net.au/news/2017-01-04/vaccination-campaign-hoped-to-boost-herd-immunity-in-victoria/8161366
州政府が予防接種をしない子どもは幼稚園に入れない政策を導入して1年、ビクトリアの予防接種率はまだ問題がある。現在6才以下の約7%の子どもが予防接種をしていないため集団免疫に穴が空いている。Sonny Maraは希な免疫不全疾患で抗体が作れず、彼は周囲の子ども達が予防接種をしていることを必要とする。集団免疫には95%以上の接種率が必要であるがビクトリアのいくつかのコミュニティでは90%以下になっている。
ビクトリア政府は新しいキャンペーンで予防接種率を上げたい。75万ドルを費やす新しい広告ではMargaret Cooper博士が4才の時にポリオになって車いす生活になったことを取り上げる。両親が疑似科学に頼って予防接種を信条により拒否したためである。
(確かにかつてはそれほど珍しくなかった小児麻痺の人はあまりみかけなくなった。歴史から学べず、経験しないとわからない人が多いと常に犠牲者が必要になる。そんなのおかしいのに。)

ACSH
Breastmilk is Not Anti-Aging Serum
By Julianna LeMieux — January 4, 2017
http://www.acsh.org/news/2017/01/04/breastmilk-not-anti-aging-serum-10679
ラクティビスト(lactivists、授乳活動家)のワーキングウーマンとの文化戦争にまだネタ不足であるかのように、最近American Journal of Clinical Nutritionに発表された研究はさらにミルクを与える両親の罪を重ねる理由を提供した。その研究では米国のトップ医学研究所U.C. San Francisco School of Medicineの著者らが母乳のみを与えることがテロメアの長さと関連すると主張している。6人の著者のうちの一人がテロメアの発見でノーベル賞を受賞したElizabeth Blackburnである。
まずテロメアとは何で何故長い方がいいのか?
我々のDNAは染色体と呼ばれる構造に詰め込まれていて、末端がテロメアと呼ばれる構造で覆われている。テロメアはしばしば靴ひもの末端のプラスチックにたとえられるが細胞で重要な役割を果たす。テロメアがないと染色体の重要な部分が細胞分裂するたびに短くなってしまいやがて複製できなくなって細胞死につながる。そのためテロメアが長いことが長寿と関連づけられている。
このグループは203人の4-5才のラテン系の子どもで、4-6週間まで母乳のみを与えられたかそうでないかのテロメアの長さを測定した。後者はミルクのみを与えられているのではなく砂糖入り飲料やフレーバーミルク、水なども与えられている。従って明らかにこの比較は正しくない。4-6週の時の母乳と4-5才の時にみつかる何らかの特徴を比較することは非科学的であるだけでなく馬鹿げている。片方のグループで多い何かを探せば見つかるだろう。母乳のみを与えた群では睫毛が長いかもしれないし指や舌が短いかもしれない。単なる相関がみつかっただけで母乳を与えるとテロメアが長くなると示唆している。また著者らは生まれたときのテロメアの長さは測定していないのでその後の筆禍右派不可能である。4-5才の時にテロメアが長かった子ども達は生まれたときから長かったのかもしれない。
意味のあるデータではないにもかかわらず、この研究はニューヨークタイムズなどで取り上げられ、Timesの報道は特に熱狂的で母乳のみを与える母親は健康的な食生活をしていて子どもへの愛着も強いと示唆する。つまりミルクを与える親は健康的な食事を与えておらず子守歌を歌ってこどもをあやしてもほ乳瓶を使っていたら愛着が生まれないというのだ。これらの主張には単に根拠がないだけでなく母乳を与えることができない人やワーキングマザーを傷つける。彼らは母乳育児の専門家であるAlison M. Stuebe博士の言葉を引用する「母乳について学べば学ぶほど母乳が素晴らしいものであることがますます明らかになる」
確かにいいものかもしれないが、母乳がテロメアを伸ばし長寿に役立つという根拠はない。なのに何故科学的にしっかりしていない母乳と何かの関連を示すデータを作り続けるのだろう。メディアや活動家には両親に罪悪感を感じさせる既に十分な理由がある。
私には3人の子どもがいてみんな母乳とミルクの両方を与えられている。私は彼らのテロメアは十分な長さがあると思う。
ラクティビストという言い方が面白かった)

  • 何故研究者は2017年に参加しようと決断すべきなのか

Natureエディトリアル
Why researchers should resolve to engage in 2017
04 January 2017
http://www.nature.com/news/why-researchers-should-resolve-to-engage-in-2017-1.21236
気候変動やゲノム編集に関する議論は、研究者が自分たちの快適な場所から出て市民と一緒に参画する必要性を提示する−そしてそのことを認めて讃えるべきだ