食品安全情報blog過去記事

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BfRで朝食を―確実に!

Breakfast at the BfR - with certainty!
01/2017, 18.01.2017
http://www.bfr.bund.de/en/press_information/2017/01/breakfast_at_the_bfr___with_certainty_-199638.html
BfRは食品に潜在する可能性があるリスクについて国際緑の週間で情報を提供している。
ドイツ人の大半は食べることを喜びと結び付けていて、食品を安全だと考えている。いくつかの例では、日常生活で食品が健康リスクにならないよう確保するため消費者も貢献している。ハチミツ、紅茶、コーヒー、卵、トースト、ハムやソーセージなどの薄切り冷肉は私達を病気にさせる天然成分や細菌を含む可能性がある。BfRは各種食品を適正に取り扱うことで、これらのリスクから自身を守れる方法を説明する。2017年1月20〜29日にベルリンで開催される国際緑の週間2017で、アドベンチャーファーム(ホール3.2)のBfR展示場101は、来場者が背の高さほどのトースト、バター、ムーズリボウル、コーヒーポットのなどの朝食器具の間を動き回れるように朝食テーブルのように配置している。来場者は食品衛生規則についての全てを知ることができ、BfRエラー冷蔵庫を正しい順番で満たすことでその知識をテストすることができる。これに加えて、クイズホイールを回したり、次元を超えたバターのかけらで卓球ができる。記念にBfR展示場での経験を残したいと思う人にはスライストーストとエッグカップの形の2つの写真ブースがある。緑の週間は同時に第15回BfR記念祭2017の開始を知らせる。「歴史の中では食品は今日のように安全ではなかった。2002年11月に創設されて以来、BfRはリスクの認識と消費者の健康保護に向けた貢献に成功している、」とBfR長官Dr. Andreas Hensel博士は述べた。
ハーブティーとハチミツは、捕食者に対する保護としてある種の花を咲かせる植物が作るピロリジジンアルカロイド(PA)で汚染される可能性がある。ミツバチがこの種の植物から花粉や花の蜜を集めるとPAがハチミツに入り込む可能性がある。この種の植物の成分が種としてお茶と一緒に収穫されると、そのお茶もPAで汚染されることになる。だが、お茶とハチミツの摂取による急性健康ハザードは、起こりそうもない。安全な側にいるために、BfRは消費者にお茶とハチミツの摂取は交互に、すなわちブランドや種類を規則的に変えるよう助言する。ハチミツの摂取は生後最初の一年―特に最初の6カ月の間―には乳児ボツリヌス症の発生につながることがあるので、BfRは一歳未満の子供にハチミツを与えないよう、また飲料を甘くするのに使用しないよう助言する。
コーヒー豆とお茶の葉は、天然に、心血管と中枢神経系を刺激するアルカロイドであるカフェインを含む。カフェインを大量摂取すると緊張や興奮しやすい性質が高まり、不眠症、汗が出て心拍数が増えるなど望ましくない影響が生じることがある。これらの望ましくない影響の発生は個人のカフェインの感受性に大いに左右されるが、摂取量にもよる。欧州食品安全機関(EFSA)によると個人の摂取量200 mgは健康的な成人に健康リスクを起こさない。1日にわたって摂取する時は、最大400 mgのカフェイン摂取は健康的な成人に安全だとみなされている。妊婦と授乳中の女性については、一日を通して最大200mgのカフェイン摂取が胎児と母乳を与えられる子供の健康に安全とされている。
パンをトースターで焼くとアクリルアミドが生じることがあり、オーブンで焼く、あぶる、直火で焼く、たっぷりの油で揚げる、アミノ酸アスパラギンが多く含まれる炭水化物を多く含む食品を揚げる時にも基本的に同じである。クリスプやポテトフリッター、ポテトチップスなどのジャガイモ製品や、クリスプブレッド、クラッカー、ビスケットなどのシリアル製品に高濃度のアクリルアミドが存在する。アクリルアミドは遺伝子を修飾し、がんの原因となりうることが動物実験で知られている。現在の知見に基づき、それ以下ならがんのリスクを排除できる「上限値」はない。そのため摂取は合理的に達成可能な限り低くし続けなければならない。食品のアクリルアミド量は加熱による褐色化の程度に強く左右される:製品を黒くするほど含まれるアクリルアミドは多くなる。セ氏180度以下の温度ではアクリルアミドの量が大幅に低くなるので、経験則は「焦がさずきつね色に」。
サラミ、メットヴルスト、ティーヴルストは生のソーセージの種類で、すなわち含まれる肉と脂肪組織は加熱されていない。生のソーセージは酢漬け、塩漬けおよび/または燻製、乾燥、時にはいわゆる種菌を加えること(熟成)だけで保存処理される。生のソーセージの生産が加熱段階を含まないことにより、動物に生じるある種の病原体が肉を通して生のソーセージに入り込み、熟成過程を生き延びることが可能になる。これは、細菌(例えばサルモネラ菌や病原性大腸菌)、寄生虫、E型肝炎ウイルスがヒトに移行しうることを意味する。そのため加齢や既往症で体の防御システムが弱っている人、薬を飲んでいる人、小さな子供、妊婦は、完全に加熱した後にだけ生のソーセージを食べるよう、あるいは用心として特に食物の感染症に影響を受けやすいこれらのグループの人たちは完全に避けるよう助言する。
まれに、ハーブティーサルモネラ菌のような細菌を含むこともあるが加熱で死滅する。だが間違って準備すると、特に子供のお茶で健康リスクになりうる。そのため包装上の調理表示に従うことが非常に重要である。ハーブティーの基本ルールは―ばらになった茶葉でもティーバックでも―沸騰した熱い湯に規定時間浸しておかなければならないということである。いったん正しくお茶を入れれば、少量の水を加えて飲む温度まで下げてよい。