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妊娠中にリコリス(甘草)を食べるとADHD疾患のリスクがあがる?

Behind the headlines
Does eating liquorice in pregnancy raise the risk of ADHD?
Monday February 6 2017
http://www.nhs.uk/news/2017/02February/Pages/Does-eating-liquorice-in-pregnancy-raise-the-risk-of-ADHD.aspx
「妊娠中はリコリスを避けるべきだ:科学者はその成分の一つが子供のIQ、記憶力に影響し、ADHDを引き起こす可能性すらあることを発見した」とMail Onlineは報じている。
研究者らが妊娠中にリコリスを食べることと発達上の問題に関連があることを発見した。このニュースは平均年齢12.5歳の青年、約400名を対象としたフィンランドでの研究に基づいている。
リコリスの摂取量は、塩味の甘草スナックであるサルミアッキの人気のために英国よりもフィンランドで多いと思われている。
妊娠中に甘草をたくさん摂取した母親の娘はより若い時期に思春期を経験することを発見した。
また、たくさん摂取した母親の娘や息子は知能テストで7ポイント低く、注意欠陥多動性障害ADHD)が多かった。
しかし、他の多くの食事研究同様に、その実態は複雑すぎて直接の原因と結果の関係を推測することはできない。
障害を与える原因と思われている甘草の成分はグリチルリチンと言われるものである。しかし、グリチルリチンはほかの食品、飲料及び医薬品に幅広く含まれている。
この研究では甘草の摂取だけが評価され、そのため女性の食べたグリチルリチンの実際の量は単に推定でしかない。
多くのほかの要因が認知発達に影響し、研究者が完全にすべての可能性ある要因を調整したのかはっきりしない。
現在英国には妊娠している女性がすべての甘草を避けるべきということを示唆するガイドラインはない。
しかし、予防措置として、妊娠している女性はグリチルリチンの濃度が特に高いハーブレメディである甘草の根(リコリスルート)を避けることを助言する。