食品安全情報blog過去記事

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栄養情報プログラム:公衆衛生への妥当性を立証するには根拠不十分

Nutrition information programmes: inadequate evidence to substantiate their relevance for public health
14/02/2017
https://www.anses.fr/en/content/nutrition-information-programmes-inadequate-evidence-substantiate-their-relevance-public
ANSESは本日消費者のための栄養情報プログラム(NIPs)の妥当性についての意見を発表する。この作業には、そのような制度を推進することにより、食品選択への影響を通して全年齢集団の特定の病気の発生を減らすことへの影響評価が含まれている。ANSESは、現在の知見では、検討したNIPsの公衆衛生の栄養的上の妥当性は立証できないと結論した。
NIPsは、2016年12月以降すべての包装済み製品の裏面に義務化されているものに加えて、包装の表面に消費者に栄養情報の概要を提供する視覚的要素(ロゴ、色、画像など)を用いている。健康システムの近代化に関する法令2016-41は、欧州INCO規則の規定をとりいれて、「消費者が食事のエネルギーと栄養摂取に関して選択できるように手助けする」ために国家レベルで自発的に一つのシステムを採用している。
NIPsは食品を選択することで、すべての年齢集団で病気の発生を減らす能力があるか評価した。目標は、栄養表示が食品の栄養情報を知らせるシンプルなツールになることだけでなく、この情報が消費者に十分理解されて長期間食習慣を改善することである。
この点を考慮して、専門家は最初に、NIP(栄養あるいはほかの物質の摂取、エネルギー、食生活全体など)の妥当性に影響を与える全ての変数を同定した。次に公衆衛生上の目的に照らして、各NIPの消費者の行動を指導する能力を評価した。
購買頻度や購入品の栄養品質がどの程度理解されているかという情報に比べると、消費者へのNIPsの影響は研究が少ない。ハロー効果の認知バイアスのような矛盾した効果が生じるかもしれないことが示唆されている。健康の決定因子とNIPの実施に直接関連させたデータは現在ない。
これらの要素を考慮してANSESは現在の知見では、検討したNIPsの公衆衛生のための栄養上の妥当性は立証できないと結論した。
栄養表示の規制を開発計画において、ANSESはどんな表示システムが選ばれても、定期的モニタリングとその影響評価の必要性を主張している。

追加情報
・消費者のための栄養情報プログラム(NIPs)の栄養学的妥当性を分析した意見(フランス語)
Our Opinion analysing the nutritional relevance of nutrition information programmes (NIPs) for consumers (in French)
https://www.anses.fr/en/system/files/NUT2016SA0017.pdf