食品安全情報blog過去記事

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スタチンでコレステロールの管理

Controlling Cholesterol with Statins
February 16, 2017
https://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm293330.htm
真面目にジムに通い、食事に気を遣う。しかし年に一度の健康診断の後、血中コレステロールが驚くほど高いことに気付く。医者に再び呼び出され、スタチンとして知られる薬を服用することを話し合う。
以下にコレステロールとスタチンに関するよくある質問を載せている。
1.スタチンとは何か?どのように効き目があるのか?
スタチンは血中コレステロールを低下させるために使われる薬のクラスである。血中コレステロールの多くは肝臓で作られる。スタチンは肝臓で作られるコレステロールの量を減らし、肝臓の血中にあるコレステロールを除去する働きを助ける作用がある。
米国食品医薬品局(FDA)の代謝及び内分泌部門次長、James P. Smith医学博士かつ理学修士によると、「まず重要な第一段階はあなたの心臓疾患や脳卒中の危険性に関してどのようにスタチンがそのリスクを減らすのか、そして考慮すべき副作用は何かについて医療提供者と話し合うことである。」
2.なぜ血中コレステロールの値を低く保つことが重要なのか?
コレステロールは身体にとって必要なものだが、血中に過剰にあると心疾患や脳卒中のリスクを高める動脈壁に蓄積する(この集積は「プラーク」と言われる)ことに繋がる。疾病対策センター(CDC)によると心疾患は米国の男女ともにとって主要な死因である。
3.「善玉」と「悪玉」のコレステロールについて聞いたことがあるが、違いは何か?
コレステロールリポタンパク質と呼ばれる様々な型の粒子として血中を運ばれる。多くは「悪玉」コレステロールと呼ばれるLDL(low-density lipoprotein)粒子で運ばれる、なぜならLDL粒子の値が高いと心疾患や脳卒中に繋がる可能性があるからである。一方、HDL(High-density lipoprotein)粒子はコレステロールを体内から除去して肝臓に運ぶ。HDLコレステロール値が高い人々は心疾患のリスクが低い傾向にあるので、これは時に「善玉」のコレステロールとみなされる。医療関係者は心臓血管の健康のためにあなたのコレステロール数値の意味を説明すべきである。
4.健康的な食事と定期的な運動によってコレステロールを抑制できると考えていたが、そうではないのか?
「心臓の健康に良い食事、定期的な身体活動及び健康的な体重を維持することはすべてコレステロールを低くし、心疾患や脳卒中のリスクを減らすことに役立つ生活スタイルの非常に重要な構成要素である。しかし遺伝のような制御できない他の要因も影響を与える。多くの人々にとって、コレステロールは単に生活スタイルを変えるだけで低くなることはない。」とスミス氏は言う。
心疾患や脳卒中のリスクの高い人々にとって、スタチンはコレステロール値が高すぎると思えない場合でも、すすめられることがある。「スタチンは心疾患や脳卒中のリスクを減らす確実な実績がある。スタチンが特定の患者にとって適切かどうかは患者と医療関係者での話をふまえるべきである。」とスミス氏は述べる。 
5.スタチンを使用するとリスクがあると聞いたことがあるが、懸念すべきか?
スタチンは通常耐用性が非常に高い。患者が気付く可能性のある2つのリスクは筋肉に関する症状と2型糖尿病の発症増加リスクである。「筋肉の症状はスタチンを摂取していない人々の間でもよくあることなので、薬をやめる前に症状を医療関係者に評価してもらうことは重要である。スタチンが深刻な筋肉の問題を引き起こすことはまれである」とスミス氏は説明する。
同様にスタチンの結果としての糖尿病の発症リスクは小さい。「心疾患と脳卒中を減らすスタチンの有効性は一般にこの小さい増加リスクを上回るものだろう」とスミス氏は言う。
6.スタチンを摂取している場合グレープフルーツジュースを飲むべきでないと聞いたことがあるが、本当か?
グレープフルーツジュースや生のグレープフルーツ果実は薬の効果に影響を与える場合がある。特定のスタチンにも当てはまり、しかし一部のみである。加えて、他の薬物がスタチンに作用する可能性もある。スミス氏は医療関係者や薬剤師は患者が飲む処方薬や非処方薬のすべてについて確実に知っているべきであると助言する。