食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文

  • 最先端の細胞療法は安全であると証明されたが、効果はあるのか?

Cutting-edge stem cell therapy proves safe, but will it ever be effective?
By Dennis NormileMar. 15, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/03/cutting-edge-stem-cell-therapy-proves-safe-will-it-ever-be-effective
公式発表である:ヒトでの最初のiPS細胞の使用は、効果は明確ではないが安全である。日本の研究者らが今週のNEJMに発表した。加齢性黄斑変性により傷害された目の組織を置き換えることは患者の視覚を改良しないが病気の進行を止めた。
(日本のチームの成果を紹介。ただし締めくくりは「Takahashiは研究者は人々の期待を現実的なものに維持する必要がある。今のところiPS治療は病気を完全にもとにもどすことはない。再生医療は人々の期待するような完治はもたらさない」)

  • 証明されていない幹細胞「療法」がフロリダのクリニックで3人を盲目にした

Unproven stem cell 'therapy' blinds three patients at Florida clinic
15-Mar-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-03/sumc-usc031017.php
The New England Journal of Medicine
幹細胞に対する期待が大きく、この種のクリニックが患者に魅力がある。患者は5000ドルを払っているが、臨床試験でお金をとるようなクリニックは赤信号である。幹細胞で視覚が元に戻るという根拠はない。
(NEJMはこれを日本のチームの報告と同じ号に掲載してエディトリアルとレビューで根拠のない幹細胞療法に強い警告を出している。もしもインチキ療法が盛んに行われて被害が拡大すれば幹細胞の発見は人類にとって害の方が大きかったということに。病気の人を救いたいという想いを尊重するなら誇大宣伝は避けなければならなかった。)

  • 良い振動:少し揺れることは脂肪を燃やし糖尿病と闘う

Good vibrations: A bit of shaking can burn fat, combat diabetes
By Mitch LeslieMar. 15, 2017 ,
http://www.sciencemag.org/news/2017/03/good-vibrations-bit-shaking-can-burn-fat-combat-diabetes
健康のためのクレージーな方法に聞こえるだろう−ダブル・ベースの最も低い弦と大体同じ振動数で振動する台の上でしばらく過ごす。最近の研究がこの全身振動(ホールボディバイブレーション)という方法が脳性麻痺などに役にたつかもしれないことを示唆している。新しい研究では肥満マウスの研究で全身振動がトレッドミルを歩くのと同様の代謝上の利益があることを明らかにした。Endocrinologyに発表。
(運動の代わりにはならないと注意しているが妙な健康器具の宣伝に使われるだろう)

  • アジアのタバコ企業が世界の健康の大きな脅威

The looming threat of Asian tobacco companies to global health
15-Mar-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-03/uoy-tlt031517.php
Global Public Healthに発表されたカナダの研究。日本、韓国、中国、台湾、タイのタバコ企業が世界にマーケティングを拡大。政府はこれらの企業をお金のために支援するのではなく、この恐ろしい業界によるもっと大きな経済的環境的社会的コストを認識すべき。
(タバコ吸うだけで他のどんな努力も無駄になるのに)

  • Baycrestは成人向けの最初のカナダ脳の健康のための食品ガイドを作成

Baycrest creates first Canadian Brain Health Food Guide for adults
15-Mar-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-03/bcfg-bcf031517.php
50才以上の人向けの思考や記憶力を維持するのに役立つガイドを作った。個々の食品については根拠はあまりないが食品群についてはある。このガイドが薦めるのは
・特定の「スーパーフード」ではなく、健康的な食生活全体のパターンに注目
・魚、豆、ナッツを週に数回食べよう
・オリーブ油、ナッツ、魚から健康的な脂肪をとろう
・スープやシチューや揚げ物に豆を加えよう
・バランス、ほどほど、多様性を大事に
(別に脳に限らない)

  • 「無脂肪」あるいは「無糖」表示は栄養の質を保証しない

'No fat' or 'no sugar' label equals no guarantee of nutritional quality
15-Mar-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-03/uonc-fo031517.php
特定のものが「少ない」あるいは「含まない」ことを強調して買うことは必ずしも全体としての栄養が良いわけではない
Journal of the Academy of Nutrition and Dieteticsの最新号に発表されたNorth Carolina大学の研究。「基本的に何かが少ないという宣伝はたった一つの栄養素についてだけで相対的なものなので混乱を招くものである」
(○○無添加とか全体を判断させないように特定のものだけに注目して宣伝しているわけで。)