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食品添加物としてのグリセロール(E 422)の再評価

Re-evaluation of glycerol (E 422) as a food additive
EFSA Journal 2017;15(3):4720 [64 pp.]. 15 March 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4720
ANSパネルは食品添加物としてのグリセロール(E422)の安全性を再評価する科学的意見を提供した。1981年に食品科学委員会は、1976年に国連食糧農業機関世界保健機関合同食品添加物専門家委員会(JECFA)が「男性への許容一日摂取量(ADI)は特定しない」とした結論を支持した。グリセロールは急性毒性が低く、いくつかの強制経口投与試験で報告された胃腸でのグリセロールの局所刺激影響はグリセロールの吸湿性と浸透性の影響による可能性が高い。遺伝毒性と発がん性の懸念はない。生殖毒性試験は限られるが、投与に関係する有害影響は報告されていない。入手可能な動物実験からグリセロールの有害影響は確認されなかった。治療効果に求められるグリセロールの最小経口量は控えめに125 mg/kg bw/時と概算され、乳幼児は風味付き飲料1缶(330 mL)未満の飲料量で暴露される可能性がある。ADIを数値化する必要はなく、報告された用途の詳細暴露評価では食品添加物としてのグリセロール(E422)の使用に安全上の懸念はない。グリセロールの製造工程は、暴露マージン10,000以下となる量の遺伝毒性発がん性の残留物を含む食品添加物の生産を許すべきではない。パネルはE422のEU仕様書の改訂を勧めた。パネルはまた、追加の使用情報、使用量、分析データを提出するよう求めた。