食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 科学的バイアスの研究が問題を明らかにする

Studies of scientific bias targeting the right problems, Stanford-led study finds
20-Mar-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-03/sumc-sos031617.php
スタンフォード大学医学部の研究者らの研究によると、科学の全ての分野で、初期の研究と多く囲繞される研究は一貫してエフェクトサイズを過剰に推定している。
科学者の初期のキャリアの状態、他の研究者からの孤立、不正行為への関与もまた信頼できない結果のリスク要因である。PNAS。
全ての科学には何らかのバイアスがあるが、どの種類のバイアスが分野によりどのくらいよく見られるのかを22の分野についてマップした。仮定したバイアスの種類は7つ
・小規模研究効果:小さい研究のほうが大きな効果を報告する
灰色文献バイアス:ピアレビューのある雑誌より学位論文や学会発表、個人的伝聞などのほうが統計学的に有意でないあるいは小さい影響を報告する傾向がある
・低下効果:びっくりするような影響が報告されるとその後の報告では効果は小さい
・引用バイアス:効果が大きいものほどよく引用される
・米国効果:研究者が米国人だと効果を過剰推定する
・企業バイアス:企業がスポンサーの場合報告に影響する
さらに共同研究や性差なども検討した。最も大きなバイアスの発生源は規模の小さな研究で、他のバイアスの影響は比較的小さかった。男女差や論文数の差はなかった

Vitamin E, selenium supplements did not prevent dementia
20-Mar-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-03/tjnj-ves031617.php
JAMA Neurologyにオンライン発表された研究によると、抗酸化サプリメントビタミンEとセレンは単独でも組み合わせでも症状のない高齢男性の認知症を予防しない。
ビタミンEとセレンによるアルツハイマー病予防Prevention of Alzheimer's Disease by Vitamin E and Selenium (PREADViSE)臨床試験は最初平均約5年のサプリメントを使用している7540人の高齢男性と、さらに長期観察に合意した3786人の男性サブセットからなる。男性はビタミンEまたはセレン、その両方、あるいはプラセボを投与されている。認知症の発症率は7338人中325人の4.4%で、4つの群で差はなかった。
エディトリアルあり
"Preventing Dementia: Many Issues and Not Enough Time,"

A greener way of making vanilla
By Katherine KorneiMar. 17, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/03/greener-way-making-vanilla
何千もの食品がバニラ風味だが、99%以上が合成バニラ香料である。バニラの主成分はバニリンであるがその合成効率が悪く処理が必要な排水を出す。Industrial and Engineering Chemistry Researchに新しい、より環境に優しい合成法が報告された。