食品安全情報blog過去記事

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糖尿病と気温の上昇についての専門家の反応

SMC UK
expert reaction to diabetes and rising temperatures
March 20, 2017
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-diabetes-and-rising-temperatures/
Open Diabetes Research & Careに発表された論文は米国の糖尿病の罹患率と世界の耐糖能異常は外気温の上昇とともに増加すると主張する
内分泌学会員でオックスフォード大学内分泌教授Ashley Grossman教授
人体を冷やすと糖尿病が改善するという幾ばくかの根拠があり、著者らはもしこれが本当なら気温と糖尿病に相関があるだろうと考えて、実際いくつかの米国の州といくつかの国の気温を調べて小さいけれど有意な負の関連を見出した。この研究には疑問もあり、寒い地方のアメリカ人はセントラルヒーティングの家に住んでいて、暑い地方の人はエアコンを使っているので戸外の気温と関連があるというのは予期できないし少し困惑する。
Imperial College London研究医学部リサーチフェローSimon Cork博士
正直に言ってこんな論文が発表されたことにショックを受けている。一般の人々の科学への信頼を下げるのはこんな論文である。著者らは世界の気温の上昇と2型糖尿病の増加に関連があるとし、気温の上昇が褐色脂肪を減らして糖尿病につながる可能性があると結論している。しかしその根拠を何も提供していない。
UCLのMRC臨床試験ユニット上級統計学者Louise Brown博士
著者らはメタ回帰を用いて平均気温と空腹時血糖などの関連を示した。しかしそれは因果関係を示すにはほど遠い。他の重要な交絡影響を無視している。
全体としてこれが糖尿病対策に役立つとは思えない。
ケンブリッジ大学リスクの公衆理解Winton教授David Spiegelhalter卿
仮にこの推定が正しいとしても、平均気温が2℃上昇すると糖尿病が0.7%増えることに関連する。この状況ではこれが大きな懸念となるとは思えない。

  • ブラジル肉スキャンダル:中国とEUが輸入を一時停止

BBC
Brazil meat scandal: China and EU suspend imports
20 March 2017
http://www.bbc.com/news/world-latin-america-39334648
ブラジルの肉の最大の消費者の一部が、企業が何年にもわたって安全でない製品を売っていたという疑いによって輸入を一時停止
通動くがブラジル産赤肉の輸入を禁止、一方EUはスキャンダルに関与したとされる企業からの購入を止めるだろうという。この危機は金曜日の大規模連邦警察捜査をきっかけにおこった。肉の包装業者が腐った、品質の悪い製品を何年にも渡って売っていた根拠を発見した。ブラジル経済にとって肉産業は重要であり年に120億ドル以上を輸出している。
ブラジル政府は他国の輸入禁止を避けるためにできる限りのことをしている。Michel Temer大統領は日曜の夜、外国大使をステーキハウスに招いて安心させようとした。しかしこの努力は無駄に終わり、中国、EU、韓国、チリはブラジル産肉製品の制限を発表した。
ブラジルは世界最大の肉や家禽の輸出国である。金曜日に連邦警察が肉工場に強制捜査に入り30人以上を逮捕した。政府は不衛生で違法な行為を発見すべきだった30人以上の上級公務員を停職処分にした。彼らは汚職の疑いで捜査されている。3つの肉包装工場が閉鎖されさらに21が捜査されている。Temer大統領は捜査対象の工場はブラジルの肉業界のほんの一部であると言う。「政府の監視対象の4837ユニットのうち21のみが違法行為の疑いで調査されている。そのうち過去60日以内に輸出したのはたった6である」と日曜日の外交官との会合で大統領は言った。
脆弱な肉作戦Operation Weak Fleshは金曜日の朝早く、2年の調査を経てブラジルの6つの州で行われた。連邦警察は1000人以上の警官を投入して194ヶ所で捜査を行った。30以上の企業を多数の不衛生な行為で避難し、その中には世界最大の牛肉輸出業者であるJBSと世界トップの家禽生産者BRFも含まれる。警察によると「彼らは製品を誤魔化すために酸やその他の化合物を使った。時には発がん物質も使った」。JBSとBRFは彼らは高いレベルの基準と衛生規制に従っていると言っている。
(詳細がわからないとなんとも。)

  • 連邦栄養ガイドラインは現実的?お金持ちの妊娠女性しか適合しない

Science 2.0
Are Federal Nutrition Guidelines Realistic? Only Rich Pregnant Women Can Meet Them
By News Staff | March 17th 2017
http://www.science20.com/news_staff/are_federal_nutrition_guidelines_realistic_only_rich_pregnant_women_can_meet_them-224981
連邦政府の推進する栄養ガイドラインを守れるのはたった2%だけ。だけどこれが守れないことを他の全ての人たちから常に批判されるグループがある−妊娠女性である。そして新しい研究ではどんな人口集団の妊娠女性でもアメリカ人のための食事ガイドラインを守れないことが示された。
(野菜・果物・全粒穀物・乳製品・エンプティカロリー、など、解説略)
栄養士は妊娠女性との戦争をもう止めよう。母親がWhole Foodsで売っている煩わしいものの代わりにワンダーブレッドを食べたとしても子どもは元気である。
(熱心な指導者だと、望ましい、と薦めることと完璧でなければ害があると脅すことの距離は小さいかも)

Court: Florida dairy's skim milk is skim milk, not imitation
Mar 20, 2017
http://abcnews.go.com/Health/wireStory/court-florida-dairys-skim-milk-skim-milk-imitation-46263940
月曜日に連邦控訴裁判所が、州の要求に対して戦っていた小規模乳業会社のスキムミルクを「スキムミルク」と呼ぶことは詐欺的ではないと判断した。フロリダ農業省を支持した3月の判決を覆すものである。フロリダの定義ではビタミンAを添加したものをスキムミルクとしていて、このオールナチュラルを売りにしているOcheesee Creameryの製品はスキムミルクと表示できず、「イミテーション」スキムミルクと表示するよう求めた。この企業はナチュラルの製品に添加しないことを哲学としていて、そのような命令に従うよりはと数千ガロンのスキムミルクを流した。裁判所は、例えばビタミンAを欠くことを表示するよう要求するなどもっと制限の少ない表示法を提案できると判断した。

  • 研究者らが我々の日々のパンの塩の多さに警告

Researchers sound warning over high salt levels in our daily bread
http://www.abc.net.au/news/2017-03-21/salt-levels-found-to-be-high-in-some-breads/8372490
George Institute for Global Health.が2010年から2017年に1400以上のパンを調べた。典型的なパン一切れは最大一日摂取量の20%以上を含む。
オーストラリアは、他の世界中の国同様、塩を摂りすぎである

  • ハミルトン衛生局は砂糖危機に対応するよう強く求められる

Hamilton’s board of health urged to act on sugar crisis
March 20, 2017
http://www.900chml.com/2017/03/20/107169/
McMaster大学と心臓脳卒中財団の代表が市の衛生局に砂糖入り飲料を若い人の手に入りにくくするための対策を強く求めた。対策としては飲料容器のサイズに上限を設定する、子ども用の食事のデフォルトは水かミルクにする、自動販売機の中身を管理する、など。