食品安全情報blog過去記事

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イースターエッグについてのFAQ

Frequently Asked Questions about Easter Eggs
BfR FAQ, 27 March 2017
http://www.bfr.bund.de/en/frequently_asked_questions_about_easter_eggs-70342.html
(ほぼ微生物)
カラフルな卵がないとイースターは完成しない。絵を描き、枝にぶら下げ、隠し、そしてもちろん食べる。同様に、生の卵の中身を出したり、ゆで卵を保管したりするとき、いくつか単純な衛生規則を守ることが食品由来感染症を避けるのに役立つ。ドイツ連邦リスク評価研究所は、腹痛なくイースターを楽しむ方法について、いくつかのコツを以下のFAQに編成した。
生卵の中身を吹き出すことに健康リスクはある?
イースター期間中、子供は特に卵の中身を出して絵を描くのが好きである。だが、細菌が殻についていたり、(それほど多くないが)卵の内部にあるため、サルモネラ菌に感染することがある。卵を吹き出すのに口を使う場合、サルモネラ症をおこす可能性のあるサルモネラ菌に感染するリスクがある。
サルモネラ症とは?
報告されるサルモネラ菌感染数は近年減少しているにもかかわらず、ヒトのサルモネラ菌感染は毎年10,000事例以上報告されている。だが、おそらく報告されない事例数はもっと多いだろう。サルモネラ菌感染は主に下痢があり、たびたび嘔吐や頭痛を伴う。5歳以下の子供、高齢者、病人は特に影響を受けやすい。その場合、サルモネラ菌感染症はさらに深刻な過程をたどり、時には致死的になることさえある。
卵の中身を吹き出す時に、どのようにしてサルモネラ菌感染を防ぐことができるか?
子供は特にサルモネラ症になるリスクがあるので、できれば生卵に接触するべきではない。特に子供はどんな卵も吹き出すべきではない。中身を吹き出した生卵に絵を描くことの安全な代替法は、固くゆでた卵あるいは木やポリスチレンやプラスチックのような素材で作られた卵である。
卵の中身を吹き出す際、サルモネラ菌の感染を避けるために次の衛生方法を守るべきである:
・新鮮で清潔な卵だけを吹き出す。食器洗い洗剤数滴を入れた常温の水で卵を洗うとよい。
・卵に穴をあけるのに使うとがった道具(例えば釘や針)は清潔にし、使用後徹底的に洗うこと。
・可能な限り口と直接触れるのを避けるために、卵の中身を吹き出すのに道具を使用すること。卵の中身を吹き出すのに特にふさわしい道具は、例として細いストローや太い針の使い捨て注射器である。薬局や手工芸品店では現在、卵の中身を吹き出す小型のふいごも置いてある。
・中身を吹き出した卵は、絵を描く前に、生卵の残りを取り除くために数滴の食器用洗剤で常温で内側と外側をきれいに洗うこと。
・卵黄と卵白のはね汚れはすぐにキッチンペーパーでふき取り、作業面は完全に清潔にすること。
・終わった時には、手を温水と石鹸で完全に洗うこと。
卵が新鮮であることをとどうしたらチェックできるか?
「賞味期限の日付」が卵の包装上に示されている。卵が正しく保管されている場合、製造業者はその日まで貯蔵期間を保証している。「賞味期限の日付」終了後でも完全に調理すれば卵は普通に食べられる。
冷水のグラスに入れると、生卵が新鮮かどうかわかる。新鮮な卵はグラスの底に残るが、古い卵は上に浮きあがる。これは卵の中の空気ポケットのせいである:それが大きければ、卵が古いということである。
生卵を保管し使用する際に留意すべきことは?
生卵はできるだけ早く加工し、その後、7℃以下で保管しなければならない。イースターで卵の中身を吹き出して絵を描くとき、卵黄と卵白は普通に使われる。細菌の移行を避けるため、それらを密閉容器で保管するべきである。原則として、生卵もその殻もほかの食品と接触させてはいけない。
生卵は殻に細菌の侵入を防ぐ天然の保護膜がある。この保護膜を保つため、卵を保管しようとする場合は特に卵を洗ってはいけない。イースターのために中身を吹き出す時には、洗浄は間違いなく必要である。
生卵は可能な限り、それ以上過熱しないで食べる料理を作るのに使用してはならない(例えば、デザート、加熱していない具、塗り物、マヨネーズのパン製品)。卵はゆでたり揚げたり焼いたりして十分に加熱されていれば、存在する細菌は死滅する。これが、感受性の高い人たち(乳児、病人、高齢者)が完全に調理された卵しか食べてはいけない理由である。これは黄身と白身が完全に固まった状態である。
固ゆで卵はどのように調理し保存するべきか?
固ゆで卵の貯蔵期間はとりわけ、殻、調理、保管のしかたによる。
卵は沸騰水で完全に調理しなければならない。黄身は、卵の大きさによるが、およそ10分間ゆでると固まる。
一般的には、固ゆで卵は殻が傷つき細菌がその卵に入り込むと、より急速に腐る。そのためすぐに食べない卵はゆでた後に冷水につけてはいけない。冷水につけている間に存在するあらゆる細菌が小さなヒビや殻の多孔から卵に入り込む可能性がある。これにより保存期間はたったの2,3日に縮まってしまう。
細菌はより高温でさらに急速に増殖するので、保存温度が高いほど食品は腐りやすい。そのため固ゆで卵もできれば冷蔵庫で保存し、4週間以内に食べること。
工業生産されたイースターエッグはどのくらい保存できる?
固ゆでの、絵を描いた工業生産のイースターエッグは生鮮卵より長く市販される可能性のある加工卵である。食品企業の管理者は消費期限の日付を決める責任がある。この種の卵はたいてい細菌の侵入を防ぐ保護用のニスで処理されている。そのため常温で数週間、殻が壊れないかぎり長く保てる。だが、念のため、工業生産された卵も購入後は冷蔵庫で保管するべきである。
健康の観点から、どのような塗料が卵の装飾にふさわしいか?
市販の人工及び天然のイースターエッグの着色料は卵の装飾にふさわしい。E番号は食品着色料として認可されていることを示している。
代替手段の一つは、例えばタマネギの皮、ホウレンソウ、ビートの根などの植物由来食品で卵を装飾することである。