食品安全情報blog過去記事

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米国の科学研究活動は研究の公正性を守るために行動すべき:新しい研究の公正性助言委員会を作るべき

U.S. Scientific Research Enterprise Should Take Action to Protect Integrity in Research; New Advisory Board on Research Integrity Should Be Established
April 11, 2017
http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=21896&_ga=1.250387846.147430040.1465349714
一部抜粋
一部の分野では発表された論文の相当な割合で再現性がないという根拠が増加している。一部は未知の変数やエラーによるもので研究の正常な一部であるが、データ改ざんや不適切な統計、先にデータを集めて後から仮説を作ることのような良くない研究行動が関与していることは明らかである。編集や品質チェックのない搾取的雑誌のような新しい形態の良くない研究行為も出現してきている。論文の取り下げ数も増加していてその相当数が研究不正による。しかしこれらの増加が必ずしも不正の増加を示すわけではなく、厳しい目で見られるようになってきたことも寄与している可能性がある。
良くない研究行動は個々の研究者の行動としてのみ理解されるべきではなく、研究機関や雑誌の無責任で不正な行動もそうである。研究所、雑誌、学会、その他研究の他の部分も研究の公正性を損なったり促進したりする。

  • 米国の報告書は研究の公正性委員会を作ることを要請

Scienceニュース
U.S. report calls for research integrity board
By Jeffrey Mervis Apr. 11, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/04/us-report-calls-research-integrity-board
米国の研究コミュニティーは不正があったという告発の調査や倫理的行動の促進のためにもっと良く対応する必要がある。そうでないと政府が、科学者の望まない方法で一方的に対応することになる。
NASEMの新しい報告書「研究の公正性を養成するFostering Integrity in Research (2017) 」https://www.nap.edu/catalog/21896/fostering-integrity-in-research
で間接的に送っている助言である。大学や学会は独立した、政府によるものではない研究の公正性助言委員会(RIAB)を作るよう求めている。この委員会はこの種の問題についての情報センターとして啓発に努め、合意できない場合の仲裁をし、間違った行動の根本原因対策の導きをする。