食品安全情報blog過去記事

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その他

  • IARCの世界の小児がん発症率報告書への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to IARC audit of worldwide childhood cancer incidence
April 12, 2017
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-iarc-audit-of-worldwide-childhood-cancer-incidence/
Lancet OncologyにIARCが世界の小児がん発症率についての報告書を発表した
ロンドンがん研究所進化とがんセンター長Mel Greaves教授
IARCの世界の小児がん発症率の報告は歓迎できるもので原因を探るための基礎となる
これまでのデータから白血病が多いことは予想されていた。20年で13%の増加というのは興味深い。これまでのデータから子どものがんで最も多い急性リンパ芽球性白血病(ALL)は少なくとも1980年代初期から西ヨーロッパでは1年に1%安定して増え続けている。他の白血病はもっと増加が少ないあるいは増えていない。ALLの増加は遺伝子の変化や診断だけでは説明できず、いろいろな説が提示されているがしっかりした根拠はない。小児ALLは最も豊かな社会で最も多く、もっともありそうな説明は人生の初期の微生物暴露の変化を反映しているというものである。アレルギーや1型糖尿病の増加でも同様の説明がされてきた。これは進歩のパラドックスであろう。
オックスフォード大学医療統計学教授Richard Peto教授
世界中で小児がんが実際に増えていると主張するのは間違っている。1980年代から医療や診断技術が進歩し、がん登録で報告される範囲も増えている。こうしたことが13%の増加を説明できる可能性がある。このLancet Oncologyの報告には著者による時間的傾向を評価することの不確かさについて多くの声明が含まれていて、IARCのプレスリリースにはそれが反映されているが、こうした注意書きはメディアの見出しでは無視されている。

  • 米国の規制機関は食品安全監視のために臓器チップをテストする

Natureニュース
US regulators test organs-on-chips for food-safety monitoring
Sara Reardon 12 April 2017
http://www.nature.com/news/us-regulators-test-organs-on-chips-for-food-safety-monitoring-1.21818
目標はこれらと動物モデルを比較することで、将来は動物実験を代替することを視野にいれる
FDAが肝臓チップが信頼できるヒトの反応モデルになるかどうかのテストを始めた。この実験は企業が食品添加物のような新規化合物を申請するときに動物実験のデータの代わりにチップのデータが使えるかどうかを決めるのに役立つだろう。
この発表はアニマルライツ活動家の勝利であるPETAのKathy Guillermoは「ヒトの医療の向上のために動物が苦しまなくてすむ」とNatureにいう。しかし動物事件を臓器チップが代用するには時間がかかるだろう。たとえヒトの肝臓チップに影響がなくても他の臓器に影響があるかもしれない。研究者らは動物実験を無くす方向に向かっているがそれにはまだまだたくさんのことをしなければならない。