食品安全情報blog過去記事

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食品中の残留農薬:消費者へのリスクは依然として低い

Pesticide residues in food: risk to consumers remains low
11 April 2017
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/170411?utm_source=EFSA+Newsletters&utm_campaign=1f54e15011-HL_20170407&utm_medium=email&utm_term=0_7ea646dd1d-1f54e15011-59411841
EUで消費される食品の大部分は残留農薬を含まない、あるいは法の限度内の残留物が含まれる状態が続いている、ということが新しいデータで示されている。EFSAが発表した最新の監視報告書で、2015年にEU全域で集められた食品サンプルの97%以上が基準値内で、53%余りで計測可能な残留がないことが明らかになった。このデータは2014年の報告書と一致している。

報告書の要点
・2015年に報告国は774農薬84,341検体を分析した。
・検体の大多数(69.3%)はEU加盟国、アイスランドノルウェーのものである;25.8%は第三国から輸入した製品に関連する。残りの検体の産出国は報告されていない。
・分析された検体の97.2%はEU規則で容認されている限度内である。検査された検体の53.3%に測定可能な残留物はなく、43.9%に基準値を超えない残留物が含まれていた。
EU加盟国以外からの検体の5.6%は基準値を超えており、2014年より6.5%低下した。
EU及びEEA由来製品のサンプルの1.7%で法の限度を超えており、わずかに年々増加している(1.6%より)。
・乳幼児用食品の検体のうち96.5%は残留物なし、または残留物は基準値内だった。
・オーガニック食品では99.3%に残留物なし、あるいは基準値内だった。
・動物製品の検体の大多数(84.4%)に計測可能な残留物はなかった。

・一目でわかる2015年残留農薬
https://dwh.efsa.europa.eu/bi/asp/Main.aspx?src=Main.aspx.3140&evt=3140&share=1&hiddensections=header%2Cpath%2CdockTop%2Cerror&documentID=66F3AA0A4CBD2DA879FA9290E4EFE05B&Server=-nwpv_TuYKDGKL5oXk46bF65ymG8%3D&Port=-Tf9BwrNLc9dk1sKm&Project=-IImKNicL_wqqioRR6z1qKacg_xQLydeGTE358F_a5rkDsNZCUCoXNHgfEGybEKdyDoNfLBzxOfhaY6bL&encryptedByRedir=true&

2015年の結果について、見出しの数字以上にさらに調べるには私達のインタラクティブ報告書(上記サイト)をご利用ください。

年次報告の一部として、EFSAは、報告国が同じ「バスケット」の食品項目の検体の分析をするという条件で、EUがまとめた管理計画(EUCP)の結果を分析する。2015年の製品はナス、バナナ、ブロッコリー、バージンオリーブオイル、オレンジジュース、豆、パプリカ、生食用ブドウ、小麦、バター、卵だった。
記録された最も高い超過率はブロッコリー(サンプルの3.4%)で、次に生食用ブドウ(1.7%)だった。めったに超過が見られないのはオリーブオイル、オレンジジュース、鶏卵だった。超過なしはバターで記録された。
EFSAはEUCPに基づく食事リスク評価も実施した。EFSAは短期(急性)と長期(慢性)両方の暴露の消費者リスクは低いと結論した。
同じ製品が2012年にも分析され、全体の超過率は2015年の0.9% から 0.8%にわずかに低下している。
報告書の中でEFSAはEUが調整した国家管理計画の有効性を増す多くの助言をした。

The 2015 European Union report on pesticide residues in food
11 April 2017
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4791

http://www.efsa.europa.eu/sites/default/files/discover/pesticides_report_2015_en.png