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マヌカハニー

Mānuka honey
12 Apr 2017
http://www.mpi.govt.nz/growing-and-producing/bees-and-other-insects/manuka-honey/
マヌカハニーニュージーランドにとって高価値の輸出品として着実に成長しているプレミアム製品である。食品として販売される場合マヌカの完全性を保証するために産業界と取り組んでいるいくつかの方法を見てみよう。
マヌカハニーとは何か?
ニュージーランドマヌカハニーはマヌカの木(ギョリュウバイLeptospermum scoparium)から蜜蜂が集める花蜜によって作られるものである。マヌカの木はニュージーランド全土で見られる。
本物のニュージーランドマヌカハニーであることの確認
蜂蜜生産と輸出についての我々の名声は製品の完全性とシステムの信頼性によるものである。
ニュージーランド第一次産業省(MPI)は特定の蜂蜜が本物のニュージーランドマヌカハニーであるかどうか証明するために使用することができる頑健で洗練された科学的な定義を作成した。科学的な定義は海外市場においてニュージーランドの高品質な地位を維持するために不可欠であり、輸出用蜂蜜産業の持続的な成長にとって必須である。
重要な点は以下である:
・海外の規制当局が我々のニュージーランドマヌカハニーの保証に確信が持てること
・輸出先の国々の消費者が本物を購入していると信頼できること。
そうでなければ、我々の市場へのアクセスはリスクを負うものになるであろうし、または我々の蜜蜂関連製品が海外で設定している高級な価格を失うことになるかもしれない。
どのように定義は作成されたのか
2014年から2016年、MPIはニュージーランドマヌカハニーであると確認するための基準を作成するためにマヌカハニー科学計画を行った。この活動は海外市場でニュージーランドマヌカハニーとして売られているいくつかの蜂蜜の信憑性について疑問が持ち上がってきているため重要であった。
プログラムには以下が含まれた:
・研究と分析が可能な専門家との業務委託契約
・16の様々な国からの蜂蜜のサンプル採取と同時に20種以上の異なった種類の蜂蜜から800を超える蜂蜜のサンプル収集
・蜂蜜に流れ込むマヌカの木に見られる属性の特定
・信頼できかつ正確に属性を検査できることを確認するために検査法の作成とその妥当性評価
・モノフローラル(単花蜂蜜)もしくはマルチフローラル(百花蜂蜜)の識別基準を決定するための統計分析
MPIの3年間のマヌカハニー科学プログラムーファクトと統計資料[PDF, 3.3 MB]
http://www.mpi.govt.nz/document-vault/17371
プログラムの更新
・December 2016 [PDF, 1.6 MB] http://www.mpi.govt.nz/document-vault/14935
・August 2016 [PDF, 302 KB] http://www.mpi.govt.nz/document-vault/13693
・November 2015 [PDF, 723 KB] http://www.mpi.govt.nz/document-vault/10133
サンプル結果
MPIのマヌカハニー科学プログラムを支援するために蜂蜜を提供いただけると、MPIはその蜂蜜サンプルが定義に対してどうかの検査結果をお知らせする。2017年4月28日までに結果が届かない場合は、以下に連絡をください。Email:manuka.honey@mpi.govt.nz
マヌカハニーの本物の証明のための検査法開発
この科学計画で、他の蜂蜜とマヌカハニーを識別し、モノフローラルかマルチフローラルかを識別するために必要となる5つの属性の組み合わせ(4種の化学物質とマヌカの花粉の1つのDNAマーカー)を発見した。

モノフローラルマヌカハニーの検査
モノフローラルマヌカハニーの検査には5つすべての属性が必要となる。もしその蜂蜜が1つ以上の属性が満たされない場合、モノフローラルマヌカハニーではない。しかし、まだマルチフローラルマヌカハニーの検査をパスする可能性はある。
検査1:化学検査
以下の化学物質はすべて存在しかつ以下の濃度が必要である:
・3-フェニル乳酸の濃度が400mg/kgと同等またはそれ以上
・2’-メトキシアセトフェノンの濃度が1mg/kgと同等またはそれ以上
・2-メトキシ安息香酸の濃度が1mg/kgと同等またはそれ以上
・4-ヒドロキシフェニル乳酸が1mg/kgと同等またはそれ以上
検査2:DNA検査
・マヌカの花粉からのDNA(DNAレベルはCq 36未満(およそ3fg/µL未満)が必要とされる)

マルチフローラルマヌカハニーの検査
マルチフローラルマヌカハニーの検査には5つの属性を満たすことが必要である。1つ以上の属性が満たされない場合は、その蜂蜜はマヌカハニーではない。
検査1:化学検査
以下の化学物質はすべて存在しかつ以下の濃度が必要である:
・3-フェニル乳酸の濃度が20mg/kg以上20mg/kg未満
・2’-メトキシアセトフェノンの濃度が1mg/kgと同等またはそれ以上
・2-メトキシ安息香酸の濃度が1mg/kgと同等またはそれ以上
・4-ヒドロキシフェニル乳酸が1mg/kgと同等またはそれ以上
検査2:DNA検査
・マヌカの花粉からのDNA(DNAレベルはCq 36未満(およそ3fg/µL未満)が必要とされる)

科学と検査資料
科学要約報告[PDF, 582 KB] http://www.mpi.govt.nz/document-vault/17314
DNAメソッド[PDF, 344 KB] http://www.mpi.govt.nz/document-vault/17350
化学物質メソッド[PDF, 531 KB] http://www.mpi.govt.nz/document-vault/17347

あなたの検査結果の見方
蜂蜜がマヌカハニーの定義にあうか検査する場合、検査室は化学物質とDNAの検査の結果を提供する。
これらの結果を化学物質とDNAが特定のレベルで存在するかどうか判断し解釈してモノフローラルあるいはマルチフローラルマヌカ蜂蜜と表示することは、経営者であるあなたの責任である。

結果の見方の詳細について
マヌカハニー科学定義[PDF, 3.2 MB] http://www.mpi.govt.nz/document-vault/17374

次の段階
MPIは輸出要件を変更し、マヌカハニーの定義を履行する。定義と輸出要件に関する意見募集は2017年4月11日に開始される。
協議情報の確認と意見提出は以下のサイトから可能
http://www.mpi.govt.nz/news-and-resources/consultations/proposed-general-export-requirements-for-bee-products/
蜂蜜を検査する検査室
検査室が蜂蜜の検査に確実に備えるために新輸出要件が発効するまで導入に期間がある予定である。多くの民間の検査室が正確かつ信頼できる検査結果を確実に出すために蜂蜜の5つの属性を検出する検査法を確立し妥当性を評価している。完全な要件を満たす研究室はMPIによって認可されることになる。
認可検査室の検索サイト
http://www.foodsafety.govt.nz/registers-lists/rlp-laboratories/index.htm
(‘Activities’ボックスを使用して検索する際の注意。DNA検査には'10.04'化学物質検査には  '10.05'を入力すること。すべての研究室が両方の検査ができるわけではない。)

ニュージーランドで販売される蜂蜜
国内市場における蜂蜜販売の規制要件のいかなる変更も、さらなる政策的措置が必要で、後日完成する予定である。目下、国内用蜂蜜は正確にラベル表示しなければならない公正取引法要件を含め、現在あるすべての要件を守らなければならない。