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[CFIA]要約:2015-2016グリホサート検査

Executive Summary:Glyphosate Testing in 2015-2016
2017-04-11
http://www.inspection.gc.ca/food/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-reports/2017-04-13/executive-summary/eng/1491843712800/1491843713434
グリホサート検査2015-2016
化学ハザードは食品生産における意図的な使用から、もしくは環境、加工過程上、または自然毒の存在の偶発的な汚染によって食品に含まれる可能性がある。カナダ食品検査庁(CFIA)は食品安全リスクを見つけ、食品供給がカナダの基準を満たしていることを確認するために食品中の農薬を検査する。
CFIAは残留除草剤であるグリホサートを様々な輸入食品、国産食品3,188検体を検査した。これらの製品中の残留濃度がどれくらいか確認し、検出された残留濃度がカナダのガイドラインを満たしていることを確認するために実施された。検査から得られた結果はヘルスカナダの設定した基準値と比較された。
調査結果は検査したサンプルの70.3%に検出可能なグリホサートが含まれていないということを示した。全体のサンプルのカナダのグリホサート基準を遵守している割合は98.7%であった。果物、野菜または子供用食品のサンプルはどれも基準値を超える残留濃度は含まれていないことがわかった。
コンプライアンス違反データはヘルスカナダによって評価され、ヒトへの健康懸念は確認されなかった。CFIAはカナダの食品供給の安全性を保証するためにこのよく使われる除草剤の存在を引き続き監視していく予定である。

  • 全レポート:科学による安全を守る:2015-2016グリホサート検査

Safeguarding with Science:Glyphosate Testing in 2015-2016 
CFIA – Science Branch Survey Report
2017-04-11
http://www.inspection.gc.ca/food/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-reports/2017-04-13/executive-summary/glyphosate-testing/eng/1491846907641/1491846907985

化学ハザードは食品生産上の意図的な使用(例:動物用医薬品、農薬、食品添加物)から、または環境、加工過程上、もしくは自然毒の存在の偶発的な汚染によって食品に生じる可能性がある。ハザードの原因に関わらず、食品生産者、製造者及び輸入業者は製品が食べて安全なものでありかつ適用可能なカナダの基準に準拠していることを保証しなければならない。カナダ食品検査庁(CFIA)の優先事項はカナダの食品供給の保護により消費者を守ることである。食品の農薬検査は食品安全のリスクをみつけ、食品供給が安全であると保証するためにCFIAが使用するツールの一つである。
グリホサート検査
目的と理由
グリホサートは雑草を除去する除草剤で、収穫前の乾燥穀物や豆類に使用されることもある。ヘルスカナダは様々な種類の穀物への使用を認めており、MRLデータベースで検索可能な食品中の残留グリホサートの最大残留基準(MRL)を設定している。MRLは農薬がラベル表記の指示通り使用される場合、食品中や付着したまま残っていると思われる、ヒトへの健康に懸念はないであろうとされる残留農薬の量である。
これらの検査業務は以下を目的としている:
・食品中の残留グリホサートの存在と濃度に関する情報の作成
・カナダの基準を守っているかと供給されている食品の安全性の確認
サンプル採取
残留グリホサートの検査はCFIAの2015年の食品サーベイランスプログラムに加えられた。2015-2016年には3つのプログラムにおいて3,188の国内および輸入食品サンプルの残留グリホサートの採取検査が行われた:
・全国残留化学物質モニタリング計画(NCRMP)の一環として、新鮮及び加工した果物と野菜の482のサンプルを検査
穀物(大麦、そば及びキヌア)、飲料、豆類、エンドウ豆、レンズ豆、ひよこ豆及び大豆製品の2,497のサンプルの小売店調査
・2015-2016子供用食品プロジェクトの一環として、幼児用食品の209を超えるサンプルの小売店調査
限界
分析したサンプルや製品の数が少ないため、これらの結果を見る場合は気を付けなければいけない。地域差、製品保存期間の影響、保存条件または自由市場における商品コストはこの調査では分析されない。サンプルは売っているものを検査した;食べる状態での食品中グリホサート濃度は推定できない。
結果評価
残留グリホサートが食品に検出された場合、その結果はヘルスカナダが設定したMRLと比較された。食品サンプルに見つかった濃度がMRLより高かったならば、情報がレビューされ適切なフォローアップがなされ、製造者や輸入業者への通知、是正措置の要求、追加のサンプリングの指示または製品リコールを含む可能性がある。
サンプルは以下のMRLに従ってグリホサートと代謝産物アミノメチルホスホン酸(AMPA)の総量に基づいて評価された:
・大麦 – 10 ppm
・豆類 (ヒヨコ豆を含む) – 4 ppm
・レンズ豆 – 4 ppm
・エンドウ豆 – 5 ppm
・大豆 – 20 ppm
・小麦 (カムート小麦とスペルト小麦を含む) – 5 ppm
・上記に含まれない製品、一般のMRL (gMRL) 0.1 ppm
結果
カナダの最大残留基準(MRL)に基づいた全体のこの調査の遵守率は98.7%であった。果物と野菜、大豆製品または幼児食品にはカナダの基準を超える残留物を含むサンプルは見つからなかった。カナダの基準を超える残留物の濃度が検出された多くのサンプルは圧倒的に穀物に関連したものであった。
以下の表は2015-2016年のCFIAによるグリホサート検査の結果をまとめたものである:
プログラム 食品の種類 # 検査したサンプル数 % 残留グリホサートが検出されたサンプルの割合 % 残留グリホサートがMRLを超えたサンプルの割合
全国残留化学物質モニタリング計画 新鮮な果物
と野菜 317 7.3% 0%
加工した
果物と野菜 165 12.1% 0%
ターゲットサーベイ 穀物製品 869 36.6% 3.9%
ジュース及びその他の飲料 496 16.3% 0.2%
豆/エンドウ豆/レンズ豆製品 869 47.4% 0.6%
大豆製品 263 11.0% 0%
子供用食品
プロジェクト 幼児用
シリアル 82 31.7% 0%
幼児用
食品 127 30.7% 0%
計 3,188 29.7% 1.3%

まとめ
2015-2016年にCFIAは合計3,188件の食品サンプルのグリホサートを検査した。グリホサートはサンプルの29.7%に検出された。MRLを超える残留グリホサートはサンプルの1.3%にしか検出されなかった。このデータはヘルスカナダによって評価されヒトへの健康懸念は確認されなかった。
以下の表はそれぞれのプログラムにおいて検査したサンプルのグリホサートが検出されなかった割合、グリホサートがMRL以下で検出された割合、グリホサートがMRLを超えて検出された割合を示している。
以下図略