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Ramazzini研究所の行ったスクラロース(E 955)のマウス発がん性研究の結論の妥当性についての声明

Statement on the validity of the conclusions of a mouse carcinogenicity study on sucralose (E 955) performed by the Ramazzini Institute
8 May 2017
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/j.efsa.2017.4784/abstract;jsessionid=AD10B7E37E94E56325F0D4C30ED56057.f02t02
ANSパネルは欧州委員会からRamazzini研究所の行ったスクラロースの発がん性研究(Soffritti et al., 2016)の結論の妥当性について声明を提供するよう要求された。スクラロースEU食品添加物として認可されている。Commission Regulation (EU) No 257/2010により2020年12月までに完全再評価が予定されている。Soffritti らの論文、Ramazzini研究所から提供された追加情報や技術文書やスクラロースについてのその他情報を考慮し:(i)妊娠から自然死まで暴露するというバイオアッセイのデザインは、バックグラウンドの病変の増加につながりデータの間違った解釈や誤分類の可能性を増す、特に適切な対照群と最近の歴史的データベースの両方がない場合には; (ii) スクラロース暴露とリンパ腫および白血病(合計)の用量反応相関がない;(iii)作用機序がない、因果関係についての全てのBradford-Hill基準を満たさない、雄のマウスでしか腫瘍ができていない; (iv)スクラロースについては包括的なデータベースが存在しラットとマウスでの適切な試験で発がん性は報告されていない。さらにin vivo遺伝毒性についての信頼できる根拠がない。
従って入手可能なデータは、スクラロースが雄のスイスマウスでの造血系のがんを誘発するというSoffritti らの論文の結論を支持しない。
(Ramazziniは何度ダメ出しされてもそれを修正することはないので意図的。相手にしない、でいいのに。)