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海洋二枚貝と腹足類のテトロドトキシン(TTX)及びTTX類似体の存在に関する公衆衛生リスク

Risks for public health related to the presence of tetrodotoxin (TTX) and TTX analogues in marine bivalves and gastropods
EFSA Journal 2017;15(4):4752 [65 pp.]. 20 April 2017
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4752
テトロドトキシン(TTX)とその類似体は海洋細菌によって作られ、欧州海域の海洋二枚貝と腹足類に検出されている。欧州委員会はEFSAに海洋二枚貝と腹足類のTTXとTTX類似体の存在についての公衆衛生リスクに関する科学的意見を求めた。フードチェーンの汚染物質パネルは入手可能な文献をレビューしたが、様々なレビューで述べられている2mgのヒトの最小致死量の裏付けを見いだせなかった。あるヒトの事例報告では、4 μg/kg 体重(bw)に相当する0.2 mgの用量で深刻な影響が記述されている。だが、その研究の実際の暴露の不確実性から急性参照用量(ARfD)の導出に使用できない。代わりに、TTXとその類似体に適用されるグループARfD 0.25 μg/kg bwは、標準不確実係数100を適用し、マウスの急性経口試験で無気力が観察されたTTX用量25 μg/kg bwに基づいて導出された。推定類似体相対活性はTTXのそれより低いが、高い不確実性がある。EFSAに提出された検出量データと報告された摂取日数のみに基づき、平均とP95暴露はそれぞれ0.00–0.09と 0.00–0.03μg/kg bwと計算された。大量摂取一人前の400gと、カキ以外の二枚貝とTTXのp95検出量を用いると、暴露は全ての消費者グループでグループARfD以下だった。大量摂取400 gに基づいた 44 μg TTX当量/kg貝肉以下の濃度は、ヒトの有害影響にならないと考えられた。タンデム型質量分析液体クロマトグラフィー(LC–MS/MS)は、LOQs 0.1〜 25 μg/kg でTTXとその類似体の同定と定量に最もふさわしい。