食品安全情報blog過去記事

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論文等

  • 消費者はグルテンフリー食品に誤解させられている、研究が発見

Consumers misled by gluten-free foods, study finds
10-May-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-05/sh-cmb050417.php
第50回欧州小児消化器病・肝臓学・栄養学会年次会合での発表。グルテンフリー製品654とグルテンを含む655製品とを比べたところ、グルテンフリー製品の方がカロリーが高く栄養組成は異なり、グルテンフリー製品はグルテン含有製品の十分な代用品とみなすことはできない。欧州のセリアック病患者は約1%と考えられているが多くのセリアック病と診断されていない消費者が健康のために良いと考えて選択している。しかし健康的な選択肢とはいえない。
欧州では包装済み食品には栄養成分表示が義務づけられているが、パンやピザのような包装済みではない食品にはそのような義務はなく、消費者は気がつかない可能性がある。

  • 専門家は肥満は慢性、再発性、進行性の疾患だと主張

Experts argue that obesity is a chronic, relapsing, progressive disease
10-May-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-05/w-eat051017.php
世界肥満連盟World Obesity FederationがObesity Reviewsに意見表明を発表。肥満は疾患プロセスの疫学モデルに適合する。ただし原因毒物あるいは病原体は微生物ではなく食品。食品がたくさんあること、運動量が少ないこと、その他要因が遺伝的感受性と相互作用して生じる慢性疾患であると主張。肥満を疾患にすることで個人へのスティグマを減らし医療費を保険で支出できるようになるメリットがあるとする。
(食品は病原体!それはメリット?)

  • 低カロリー食品によく使われる甘味料は体重増加の指標

Common sweetener in low-cal foods also a marker for weight gain
10-May-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-05/cu-csi051017.php
PNASに発表された大学新入生での研究。体重と腹部脂肪が増加した学生は、体重が一定あるいは減った学生に比べて、その年の初めの血中エリスリトール濃度が15倍高かった。コーネル大学EnHANCEプロジェクトでは高校生が大学生になると食生活や体重や代謝がどう変わるかを調査している。約75%が進学で体重が増える。
(本文では摂取ではなくて代謝されて作られていることを疑っている。しかしタイトルは別の想像をさせる。コーネル大学のプレスリリース)

  • バラの恐怖:花用殺虫剤に暴露された子ども達に神経行動影響がみつかった

Dread of roses: Neurobehavioral effects found in children exposed to flower pesticides
10-May-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-05/uoc--dor051017.php
エクアドルはたくさんの母の日のブーケを輸出しているが、その背後に収穫を増やすために使う農薬による子ども達の精神機能への有害影響の根拠を残す
カリフォルニア大学の研究者らがNeuroToxicologyに発表した論文。エクアドルの農業地域に住む子ども達で、母の日のための花の収穫にあわせた農薬散布シーズンにピークとなる短期の神経学的行動の変化がみつかった。4-9才の308人の子どもで5-7月の注意力や自己コントロールなどの成績が他の時期に比べて悪い。
(農薬暴露を測定したわけではないらしい)

  • 百万ドルのストラディバリウスは盲検による音のチェックで現代のバイオリンに負ける

Scienceニュース
Million-dollar Strads fall to modern violins in blind ‘sound check’
By Adrian ChoMay. 9, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/05/million-dollar-strads-fall-modern-violins-blind-sound-check