食品安全情報blog過去記事

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その他

  • この$25,000の健康診断で「重大な」健康問題があることがわかった。一方その健康診断に重大な問題があるという人もいる

Scienceニュース
This $25,000 physical has found some ‘serious’ health problems. Others say it has serious problems
By Ryan CrossMay. 12, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/05/25000-physical-has-found-some-serious-health-problems-others-say-it-has-serious
2014年に数百万人のゲノム配列を決定して病気の予防や長寿の予想をしようとしたHuman Longevityという企業を共同設立したCraig Venterは今やDNAに満足していない。彼の最新のベンチャーはHealth Nucleusという、DNA解析と全身MRIスキャン、メタボローム解析、2週間の心電図監視、マイクロバイオーム解析、家系解析、一連の検査を組みあわせて診断されていない健康問題を検出するというものだ。この25000ドルの健康診断は未来の進むべき方向のように見える。
先週VenterらはbioRxivにこっそり新しいプロジェクトの論文を発表した。それによると209人の検診の結果、速やかに病院に行く必要のある加齢関連疾患が8%に、早期がんが2%にみつかった。Health Nucleusはそのデータが25000ドルの検診のものであるとは言っていないが説明はほぼ同じものである。妥当性を装ったCraig Venterのいつもの研究であるとWeill Cornell Medicine の計算機生命医学研究所副所長のOlivier Elementoはいう。
一方Venterはメディア向けの宣伝で参加者の40%に何らかの重大な異常がみつかったという。CBSニュースはVenterのグループがアルツハイマー病を20年前に予想できると報道し、STATニュースはがんが治療可能な早い時期に発見できると報道した。
批判者はそれを信用しない。ミシガン州立大学の小児科医で疫学者のNigel Panethは、誰にとっても利益があるという根拠がないのに心理的ダメージや高いコスト、不必要な検査などの問題を指摘する。
(いろいろ略)
Health Nucleusは25000ドルのフル検査はこれまで570人が受けたという、しかし今週遺伝子検査と全身スキャンのみの7500ドルの簡易バージョンを発表した。

  • インドは間もなく最初のGM食用作物を認める

India nears approval of first GM food crop
By Pallava BaglaMay. 15, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/05/india-nears-approval-first-gm-food-crop
GM食用作物の安全性を巡る激しい議論の中、インドのトップバイオテクノロジー規制機関が先週トランスジェニックマスタードは「食べても安全」と宣言した。栽培するかどうかはインド環境大臣の政治的決定による。多分9月のインド最高裁判所での長い間ペンディングになっていた裁判の解決まで待つだろう。

  • 持続可能な食糧と栄養保障を達成するために消費者の選択の駆動要因を理解する

ILSI
Understanding consumer choice drivers to achieve sustainable food and nutrition security
http://ilsi.eu/task-forces/consumer-trust/nutrition-security-and-societal-aspects/
ILSIヨーロッパのプロジェクト
専門家グループとして「より健康的な食品選択に向けて持続可能な変化を促す(nudging)」
キーワードとしてNudge(ナッジ)という概念がある。個人や団体の意志決定を間接的にポジティブな方向へ誘導・強化する

  • WHOがインチキの罪を犯している理由

Why is WHO guilty of WOO?
The HealthWatch Newsletter
https://www.healthwatch-uk.org/images/Newsletters/Number_104.pdf
鍼師が赤痢、骨関節症、ポリオ、統合失調症、百日咳などの重大な疾患を治療できると主張している。かれらが「根拠」として参照するのがWHOである。WHOが鍼である種の疾患が治療できると主張する。それは根拠があるのか?
2013年に英国CAPが鍼について1996 WHO報告の多くの主張を却下し、「鍼は痛みの緩和に効果がある可能性がある」とだけ述べた。これにより鍼師が宣伝を取り下げることはなかった。英国最大の鍼師団体はWHOが支持していると言い続けている
(中略)
中国の鍼研究に多くのデータ偽造があることが報告されている。コクランレビューやPubmedはWHOの主張を疑い、多くの結論では鍼は「効果がない」あるいは「根拠不十分」である。リストに掲載されている赤痢や低血圧などについては研究がない。WHOがウェブサイトで述べている「RCTで有効性が確認された28」と「効果はあるがさらなる根拠が必要な63以上」の「鍼で治療できる病気」というのは単純に事実ではない。では何を根拠にWHOは主張しているのか?それは1979年の中国の一人の「統合医」が書いた報告による。2003年にWHOは無批判にそれを再掲した。この時代遅れの文書は無数の業界団体や大学の学生やプラクティショナーに「根拠」として参照された。2014年にFriends of Science in Medicineのロビー活動によりそのリンクは取り除かれたがWHOがその主張を反証することはなく、プラクティショナー達はいまだにオリジナルのレポートを引用し続けている。
何故WHOは疑似科学を推進するのか?問題は歴史的なものである。WHOは鍼の対照群を設けない初期の臨床試験に興奮した。そして新興国の万能薬として推進した。その後の研究で鍼がプラセボでしかないことが明らかになった。WHOは多くの分野で偉大な仕事をしているが、鍼については最低である。その文書は間違っている。しかし代替医療についての責任を個人に渡して放棄しているため修正は困難である。
新興国の貧困に苦しむ人々には有効な治療法へのアクセスが緊急に必要である。医療を届けるのに既に多くの苦労がある中でWHOの間違った情報でさらに苦しめるべきではない。人々はWHOを信頼していて鍼を薦めているのは根拠があるからだと信じている。何十億人もの貧しい人々の健康は既に間違いだとわかっている疑似科学でしかないものに見合うのだろうか?

  • 彼はカフェラテ、ダイエットマウンテンデュー、エネルギードリンクを飲んだ。カフェインが彼を殺した。

He drank a cafe latte, a Diet Mountain Dew and an energy drink. Caffeine killed him.
May 15, 2017
http://www.sacbee.com/news/nation-world/national/article150703397.html
16才の高校生が先月、カフェインの摂りすぎで教室で倒れて死亡した、とサクラメント郡の検視官が月曜日に発表した。Davis Allen Cripeの公式の死因は「カフェイン誘発性心イベントが不整脈を誘発した可能性」。約2時間の間に、ダイエットマウンテンデューの大サイズ、マクドナルドのカフェラテ、そしてエネルギードリンクを1本飲んだ結果である。

Fentanyl Crisis: Ohio Cop Accidentally Overdoses During Drug Call
May 15 2017
http://www.nbcnews.com/storyline/americas-heroin-epidemic/fentanyl-crisis-ohio-cop-accidentally-overdoses-during-drug-call-n759741
East Liverpool警察のChris Green巡査が薬物ディーラーの容疑者の車の捜査を終えて警察署に戻るところだった。別の巡査が彼のシャツに白い粉がついているのを指摘した。何の気なしに素手でそれを払いのけ、それから約1時間後に気絶した。彼を生き返らせるのにNarcanを4回打った。それは金曜日のことで、彼はまだ頭痛がし、胸が痛くて横になっている。彼が接触したのはフェンタニル

  • 砂糖とがん−あなたが知る必要のあること

Cancer Research UK
Sugar and cancer – what you need to know
May 15, 2017
http://scienceblog.cancerresearchuk.org/2017/05/15/sugar-and-cancer-what-you-need-to-know/
砂糖に関する混乱する情報や助言がたくさんある。我々の食事に含まれる悪者にされているが、砂糖とがんの関連についてのコンセンサスは?
ブドウ糖−生命の燃料
砂糖とがん
・砂糖なしの食生活でがんになるリスクが低くなったりがんと診断された後に生存するチャンスが増えるという根拠はない
砂糖ががんの原因ではないなら、何故心配するの?
肥満ががんリスクを上げることにはしっかりした根拠があり、砂糖は肥満を介して間接的に関連する
添加された砂糖を減らすには?
栄養成分表示を見よう
砂糖とがんの話は複雑である。砂糖がそれ自体でがんを作ることはない。炭水化物の極端に少ない食事でがんリスクがさがるという根拠はない。しかし食べる砂糖の量には注意。そのせいで太る可能性がある。太るとがんリスクが増加する。
(いろいろ略)

Avocado injuries cost ACC almost $70,000
Tuesday May 16, 2017
http://www.nzherald.co.nz/the-country/news/article.cfm?c_id=16&objectid=11856961
過去3年間でアボカドを切ろうとして怪我をする人が増えていて、昨年ACCは約7万ドルを支払った。昨年ACCはアボカドの関連する怪我について162件の申告を受け取り、2014年の118、2015年の137から増えている。費用は2014年が54945ドルだったが昨年は68589ドルだった。
先週英国形成、再生、美容外科医師会が病院で治療する人を減らすためにアボカドに安全性に関する表示を呼びかけた。(avocado handという診断名)