食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

乳児用米せんべいの「有害」なヒ素濃度についての懸念

Concerns about alleged 'harmful' arsenic levels in baby rice cakes
Behind the headlines:
Friday May 5 2017
http://www.nhs.uk/news/2017/05May/Pages/Concerns-about-alleged-harmful-arsenic-levels-in-baby-rice-cakes.aspx
「研究者によると欧州連合(EU)によって新規則が設定されたにもかかわらず、約半数の乳児用米食品には違法な濃度の無機ヒ素が含まれる」とITV Newsは報道している。 
これは衝撃的に思うかもしれないが、ヒ素は環境中に自然に存在する一般的な化合物である。
ヒ素は英国では水道水にごく微量で含まれるが、水汚染がより高い場所由来食品中に存在する。低濃度では、問題はない。懸念は健康問題を引き起こすほどの、乳児の場合発育上の問題を引き起こすほどの高濃度であるかどうかということである。
この研究はベルファストの11人の乳児の離乳前後での尿中ヒ素濃度が測定された。ヒ素濃度は離乳前より、多くの乳児が米食品を食べる時期である、離乳後のほうが高かった。
研究者はまた2016年2月に購入した乳児用米食品を検査し、ヒ素濃度が最大基準値を超えていたことが分かった。しかし、欧州委員会は2016年1月に米に存在するヒ素の量に関する規制を導入したばかりだった。
米せんべい製造業者を代表する業界団体である英国専門家栄養協会の広報担当は、「研究は…2016年2月に購入した製品を使用して実施された。これは法的要件の適用後1か月である。すべてのサンプルは法律が効力を発する以前に製造された可能性が高い」と指摘する。
この研究は1つの地域からの非常に少規模のサンプルを対象とした。そのうえ、英国のほかの地域の比較群がない。
これは測定されたヒ素濃度が直接米によるのか、またはこれらの濃度が発育上悪影響を与えるのかどうかは確信をもって結論を出すことはできない。米食品のさらなる検査が有用であろう。