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低グルテンの食事は心臓発作リスクに関連がある

Low-gluten diet linked to heart attack risk
Thursday May 4 2017
http://www.nhs.uk/news/2017/05May/Pages/Low-gluten-diet-linked-to-heart-attack-risk.aspx
「グィネス・パルトローやラッセル・クロウが好んでいる流行のグルテンフリー食は心疾患のリスクを増加させる可能性がある」ということが新しい研究でわかったので、「グルテンフリー食はセリアック病患者でない人にとっては有益というよりむしろ害になる可能性がある」とThe Independentは報道している。
グルテンは小麦、大麦及びライ麦のような穀物にみられるタンパク質である。セリアック病患者にとってはグルテンが腸を損傷し、下痢のような消化器系症状を引き起こす。つまりこの患者はグルテンフリー食を守る必要がある。
最近、セリアック病でない人の間でグルテンを避けることで、あるかもしれない健康効果に関心が高まりつつある。しかし、このグループでの効果についての長期的な根拠は現在のところ限定的である。こうした事情にもかかわらず、グルテンフリーの食品市場は2016年世界での売り上げが3.5億ドルになったと報告されている。
食事とその期間に心臓発作があったかどうかについて評価する今回の研究では、1986年から2012年に10万人以上の人々を観察した。対象の人々は研究開始当初は心臓疾患がなく、重要なことだが、セリアック病患者でもなかった。
全体的に見て、他のリスク要因が考慮された時点では人々のグルテンの摂取は心臓発作のリスクに関連はなかった、ということがわかった。しかし、さらに分析すると特に全粒穀物(小麦、大麦及びライ麦)からのグルテン摂取量が少ない人をこれら全粒穀物の摂取量がより多い人と比較すると、心臓発作の増加リスクに関連があるということを示した。
これらの知見は他の研究によって確認されることが理想だが、この研究は時間を要す。その一方で、医学的理由でグルテンを避ける必要がないならば、この研究は心血管の健康にとっては食事に全粒穀物を含め続けることが有益である可能性があると示している。