食品安全情報blog過去記事

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「チョコレートが心臓によい」というのは言い過ぎである

Behind the headlines
'Chocolate good for the heart' claims sadly too good to be true
Monday May 15 2017
http://www.nhs.uk/news/2017/05May/Pages/Chocolate-good-for-the-heart-claims-sadly-too-good-to-be-true.aspx
「定期的にチョコレートバーをお腹いっぱい食べることは実は体にいいかもしれない」とMail Onlineは報道している。
デンマークの研究者は週に1回〜6回チョコレートを食べる人は、ほとんど食べない人(1か月に1回以下)に比べて、心房性細動と言われる心臓の状態になる可能性が低いと言う。
心房性細動(AF)は、不整脈の一種で、血栓形成のリスクを増加させ、結果脳卒中のリスクが高くなる可能性がある。
しかし、うま過ぎる健康の話にはよくあることだが、この研究は特に説得力のあるものではない。1か月に1回以下しかチョコレートを食べなかった人は、心房性細動のリスク因子である糖尿病、高血圧及び心臓血管疾患がある率も高かった。つまりその人達は健康のためにチョコレートを避けてきた可能性がある。
この研究からは、すでにチョコレートを食べていた場合にチョコレートを食べることが心房性細動の症状に役立つというエビデンスもない。
どちらかと言えば、逆のほうが正しい可能性がある。つまり、定期的なチョコレートの食べ過ぎは、最終的に心房性細動の症状の引き金となりうる血圧や糖尿病リスクを増大させる可能性がある。