食品安全情報blog過去記事

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乳児をさらに守る最新の科学

Latest science further protects infants
31 May 2017
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/170531
生後16週間以内の乳児用食品に見られる物質を評価するEFSAのアプローチは、この年齢集団の食品の安全性に関するEUの意思決定をさらに支援するだろう。このガイダンスは今後いくつかの食品添加物評価を含む食品の安全性に関連するEFSAの評価に適用する予定である。
乳児用食品の成分はEUレベルで規制されている。この規則は、食品添加物残留農薬、汚染物質、食品と接触する物質などの物質の使用および/または存在に関する要求を含んでいる。
最新の評価方法論
EFSAの科学委員会は、16週間以内の乳児用食品に、この種の食品中物質(意図的に添加したものあるいはそうでないもの)のリスク評価を行うためのアプローチを提供するガイダンスを開発した。
EFSAの科学者らは誕生前後の乳児の発育の最新の評価に従ったアプローチを開発した。このガイダンスは食品中の物質に対する乳児の感受性を高める恐れのある身体過程や臓器機能を同定した。また、唯一の栄養源である粉ミルクの摂取に基づく新生児の新しい摂取値がこれらの物質の暴露を推定するのに役立つだろう。
このアプローチの役立て方
科学委員会は次のような証拠に基づくケースバイケースのリスク評価を可能にする段階的アプローチを開発した:
1.胃腸、代謝、脳と脳関門、免疫系、内分泌、生殖系を含むヒトの乳児の臓器の発達
2.以下の試験による物質の毒性:
・動物の子供と大人での試験
・動物の子供と大人では見られない影響、あるいは動物の乳仔に低用量で生じる可能性のある影響の動物の乳仔での試験。
パブリックコメント募集後の関連フィードバックはガイダンスの最終化で科学委員会に検討され、添付する報告書に含まれる。

  • 生後16週間以内の乳児用食品に存在する物質のリスク評価に関するガイダンス

Guidance on the risk assessment of substances present in food intended for infants below 16 weeks of age
EFSA Journal 2017;15(5):4849 [58 pp.] 31 May 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4849
EFSAの科学委員会は、暴露評価を行う際には260 mL/kg体重/日の高い摂取値を使用するよう提案した。決定樹decision treeアプローチが提案された。生後16週間以内の乳児用食品に存在する物質を試験する際には追加情報が必要で、リスク評価のアプローチは、その物質が意図的に添加されているかどうか、全身に分布するかどうかで、ケースバイケースに行われる。

  • 生後16週間以内の乳児用食品に存在する物質のリスク評価に関するガイダンス案についてのパブリックコメント募集結果

Outcome of a public consultation on the draft guidance on the risk assessment of substances present in food intended for infants below 16 weeks of age
31 May 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1248e
EFSAは108件のコメントを受け取った。このガイダンスは2017年4月26日の科学委員会総会で議論、採択されEFSA Journalで発表される。