食品安全情報blog過去記事

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その他

  • EPAは38人以上の科学アドバイザーを解雇し委員会の会合をキャンセル

Scienceニュース
EPA axes 38 more science advisers, cancels panel meetings
By Sean Reilly, E&E NewsJun. 20, 2017 ,
http://www.sciencemag.org/news/2017/06/epa-sheds-38-more-science-advisors
E&E Newsから
昨日のEPA高官Robert Kavlockからのメールによると、EPA長官Scott Pruittは科学顧問委員会(BOSC)の何十人もの現在のメンバーを止めさせる計画信号を発し、掃除を続けている。8月で3年の任期が切れる全てのメンバーは更新されないだろう。
委員会の再構成のために夏から秋に計画されていた全ての小委員会会合はキャンセルされる。Kavlock は2018年に仕事が再開できることを期待しているとして離れるメンバーに再度応募することを強く求めている。

BBC
Alcohol-linked deaths '54% higher in Scotland'
http://www.bbc.com/news/uk-scotland-40347942
平均して一週間に22人がアルコールに関連した原因で死亡している。この数字はイングランドウェールズより54%高い。
NHSヘルススコットランドの年次調査。最も貧しい地域下位10%が最も豊かな10%の6倍死亡率が高い。

  • リアリティチェック:妊娠女性は肉や情欲を避けるべき?

Reality Check: Should pregnant women shun meat and lust?
By Geeta Pandey  BBC News, Delhi
http://www.bbc.com/news/world-asia-india-40341898
伝統および代替医療を推進しているインドのAyush省が先週16ページからなる小冊子を配った。それは3年前にできたものであるが、国際ヨガの日を前に多くのニュースで取り上げられている。
この冊子を作ったのはAyush省の一部であるヨガとナチュロパシー中央研究評議会で、妊娠女性に助言するものである。インドの医師は一部の助言は役にたつが全部に従うのは賢明ではないという。例えば食品である。避けるものとしてお茶、コーヒー、砂糖、スパイス、小麦粉、揚げたもの、卵、植物由来でないものを揚げている。批判者は妊娠女性の栄養不良が多いインドでこれは危険な助言だという。批判に対してAyush省は言い訳をしている。

  • 助産師の「間違い」が死産の原因:死亡した乳児の最大3/4はもっとしっかりチェックしていれば健康に生まれた

Midwives' mistakes 'causing stillbirths': Up to three-quarters of infants who die could have been healthy with more thorough checks
21 June 2017
http://www.dailymail.co.uk/health/article-4623638/Midwives-mistakes-causing-stillbirths.html
王立産科婦人科学会が新しい対策を要求。
2か月前、Jeremy Hunt保健大臣がShropshireのShrewsburyと Telford病院での必要のない赤ちゃんの死亡クラスターについて調査を始めた。2014年9月から2016年5月までの間に疑わしい状況での死亡は9人でそのうち7人は避けられた、2人はまだ調査中。いくつかの事例ではスタッフが出産中の赤ちゃんの心拍数を適切に読むあるいは解釈できなかった。
しかし本日の報告は同様の間違いは全国のマタニティユニットでおこっていると警告している。その報告では2015年に生まれた、1136人の赤ちゃんで、126人は死産、156人は生後一週間以内に死亡、854人は重大な脳の障害を負った事例を検討している。そして著者はもっと良いケアが受けられたら76%の赤ちゃんはもっと良い結果になったと結論している。
経験談を含む長い記事)

  • 中国がピアレビュー偽装を取り締まる

Natureニュース
China cracks down on fake peer reviews
David Cyranoski 20 June 2017
http://www.nature.com/news/china-cracks-down-on-fake-peer-reviews-1.22176
出資機関が厳しい罰と強力な警察活動を発表
6月14日に科学大臣の率いる機関連合が、政府は投稿された論文のピアレビュー偽装で雑誌を騙した研究者には研究費を停止すると発表した。今年初めがんの雑誌が中国人著者による107の論文の取り下げを発表してそのような詐欺的行為が明らかになった。中国の研究費出資機関は同様の詐欺がおこらないよう科学者コミュニティーの監視を強化すると約束した。

  • バイオダイナミック農法とは何?

What Is Biodynamic Farming?
by Berkeley Wellness | June 20, 2017
http://www.berkeleywellness.com/healthy-community/environmental-health/article/what-biodynamic-farming
バイオダイナミック農法はオーストリアの哲学者で芸術家で社会改革主義者のルドルフ・シュタイナー1920年代に行った一連の講義から開発された農法である。シィタイナーは、彼が食糧供給を損なうと信じていた無機肥料や殺虫剤の使用などを含む、農業の工業化に懸念を抱いていた。それ以降バイオダイナミック農法は有機農法とよく似た農業システムを発展させてきた。欧州では非常に人気があり、米国でも拡大しつつある。実際Whole Foodsにはバイオダイナミック食品があり、バイオダイナミックワインも売っている。
しかしシュタイナーは科学者ではないことを強調すべきだろう。彼の農業についての講義の多くは地球上の有機生命体に影響する「宇宙エネルギー」や「土地の力」をどうやって使うかということに関連する。そしてバイオダイナミックに関する多くの本や記事やウェブサイトはとうてい科学的とは言えない。
特に古典的バイオダイナミック化合物−それはそれで育てた作物を食べる人々や土壌を調和させ生き返らせると言われる−を準備する方法には、ウシの糞尿やケイ土をウシの角に入れて何ヶ月も土に埋めて、水と混ぜてホメオパシー的な微量を土壌に撒く儀式を行うという神秘的な性質がある。何故ウシの角?それが宇宙エネルギーを集めるのだという。また骸骨やウシの腸や鹿の膀胱に特別なハーブを詰めて埋めてから土壌に撒く。さらにバイオダイナミック農法に不可欠なのは宇宙の周期に従うことである。作物の植え付けや収穫はバイオダイナミックカレンダー(月の満ち欠け)に従う。
その非科学的基本原理にもかかわらず、バイオダイナミックの考え方は今日の持続可能性ムーブメントと共鳴して人気になっている。つまり農場は植物と動物と土と人が一体になった生きた生命体である。農場は自己充足的であり、有機物や水は閉鎖系で外からはほとんど取り入れず再利用されるべきという考えである。
バイオダイナミックと有機農業はどう比較できるのか
バイオダイナミックと有機農業には共通点が多い。合成農薬や肥料、GMOは使わない、など。違いは使われる堆肥の種類である。バイオダイナミック農法の堆肥の方がオーガニックより土壌や植物の健康に良いという質の高い研究は存在しない。
オーガニック同様、バイオダイナミックにも認証がある。有機とバイオダイナミックの両方の認証を持つことも可能である。動物の福祉などいくつかの点でバイオダイナミック認証の方が有機認証より進んでいるが、ホメオパシーを使うことを要求するなど過激な部分もある。
基本
バイオダイナミックは環境や農場労働者に良い持続可能な農法の一種であるが、オーガニック同様、その方法で作られた食品が普通の食品よりなんらかの健康上のメリットがあるという根拠はない。高い値段にみあうかどうかは個人の選択である。