食品安全情報blog過去記事

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論文

  • ヒト腸内細菌叢による生体異物の化学変換

Chemical transformation of xenobiotics by the human gut microbiota
Nitzan Koppel1, et al.,
Science 23 Jun 2017:Vol. 356, Issue 6344, eaag2770
レビュー
誰かの肉は他の人の毒
過去数十年で腸内細菌叢による生体異物代謝の研究が進んだ。いろいろなものが代謝されその結果として有用なものにも毒性のあるものにもなる可能性があるがそれらは個人の腸の細菌の組成により大きく異なる。
まだ理解には大きな課題がある。
(オープンアクセスのレビューなので読んだら?巷に溢れる乳酸菌で健康に、といった宣伝がどんなに浅薄なものか少しはわかるのでは?)

  • 疑問を注入:ナチュロパスの反ワクチンレトリックに反応する

Injecting doubt: responding to the naturopathic anti-vaccination rhetoric
Timothy Caulfield et al., J Law Biosci lsx017.
https://academic.oup.com/jlb/article/doi/10.1093/jlb/lsx017/3871793/Injecting-doubt-responding-to-the-naturopathic
カナダで予防接種の接種率についての議論が増加している。相当な割合の人々がワクチンの科学に疑いをもち、一部の地域で「集団免疫」が脅かされている。ワクチン躊躇は複雑な現象であるが、補完代替医療(CAM)が関与していることに疑いはない。この研究では最初の目的はブリティッシュコロンビアアルバータのナチュロパスクリニックやプラクティショナーのウェブサイトを吟味し、ワクチン躊躇に寄与する内容があるかどうかとインフルエンザ予防接種の「代替」を薦めているかどうかを調べた。330のナチュロパスウェブサイトのうち40がワクチン躊躇内容を含み26がインフルエンザ予防接種の代わりになるものを薦めていた。二つ目の目標はこれらの間違った説明をカナダの法律と政策の文脈で検討し、これらへの各種法的対処法を検討することである。我々は広告の法律を強化し、CAMプラクティショナーの自主管理権限を減らし、既存の法の執行を改善することでナチュロパスが不正確な、科学を無視した反ワクチンやワクチン躊躇見解を拡散する能力を制限するのに役立つだろうと結論した。