食品安全情報blog過去記事

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その他

  • クレームチェック

ジンにつけたレーズン:いかれた関節炎「治療薬」?
Gin-Soaked Raisins: Kooky Arthritis 'Cure'?
by Densie Webb Ph.d., R.d. | June 28, 2017
http://www.berkeleywellness.com/self-care/home-remedies/article/gin-soaked-raisins-kooky-cure-arthritis
宣伝:ジンにつけた干しぶどうを食べると関節痛が和らぐ
事実:何十年も宣伝されているが、実際には科学的に研究されていない。1950年代から1980年代に包装されていたラジオ番組の司会者Paul Harveyが「酔っぱらったレーズン」について言及している。先の大統領候補John Kerryの妻であるTeresa Heinz Kerryが2004年に夫の選挙演説でそれを関節炎の治療薬として宣伝している。
作り方は、ゴールデンレーズン(ブラックではダメ)をジンに1-2週間漬ける。用量は様々で1日2回7-9粒を二週間続けてそれから1日1回を薦めるひともいる。自分で作らなくても真空パック製品が売られている。
このレメディの有効性は証明されていないが、宣伝者は一見もっともらしい科学的知見を引用することがある。抗酸化物質が抗炎症作用があるとか。アントシアニンレスベラトロールを含むと宣伝されることもあるが実際のところゴールデンレーズンにはこれらは少ない。しかし仮に抗酸化物質が含まれていたとしても少し食べただけで効果がある可能性はほとんどない。このレメディの中でもっとも効果のありそうなアルコールはもし大量に使用すれば痛みを緩和するが、もっと可能性が高いのはプラセボ効果だろう。
基本:酔っぱらったレーズンレメディは面白そうだが、抗酸化物質をとるには野菜や果物を多く食べて、関節炎の痛みは医師または薬剤師に相談するほうがいいだろう。それでもやってみたいなら、亜硫酸塩にアレルギーのある人はゴールデンレーズンは避けるべきである

  • 画像の改ざんは止めなければならない

Natureエディトリアル
Image doctoring must be halted
28 June 2017
http://www.nature.com/news/image-doctoring-must-be-halted-1.22202
研究者や雑誌は科学における図の不適切な操作対策をもっとする必要がある

  • 米国立法府の科学への支出はトランプによる削減を無視

Natureニュース
US lawmakers' science spending plans ignore Trump cuts
Sara Reardon 28 June 2017
http://www.nature.com/news/us-lawmakers-science-spending-plans-ignore-trump-cuts-1.22226

  • 科学を政策のきっかけにしよう

Natureワールドビュー
Let science be a springboard for politics
http://www.nature.com/news/let-science-be-a-springboard-for-politics-1.22203
良い政治には良い研究と同じ考え方が必要、とJames Martinはいう
化学の教授であり選挙で選ばれて公職に就いているJames Martinが政治について語る。
科学者は研究費を要求する以外ではあまり政治に関与しないが、もっと政治に参加する科学者が必要である。科学者が政治に参加する場合には経験と知見をもった人物として働くべきで、特定の目的を推進する活動家になるべきではない、と助言する。

  • カナダの基礎研究は衰退のリスクにあると報告書が主張

Scienceニュース
Canada’s basic science at risk of fading away, report argues
By Wayne KondroJun. 28, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/06/canada-s-basic-science-risk-fading-away-report-argues
国際学会Global Young Academyが本日発表した報告書によると、カナダの科学的企業は資金不足と政府と出資機関による間違った方針によりジャンク債権になるリスクにある。特に基礎科学部門の縮小が問題だという

  • 科学者は議会科学委員会での最新のゲリラ戦で自分の物語を話す

Scientist tells her story in latest partisan battle on House science panel
By Jeffrey MervisJun. 28, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/06/scientist-tells-her-story-latest-partisan-battle-house-science-panel
EPAの科学助言委員会の座長であるミネソタ大学名誉教授Deborah Swackhamerが議会でEPAにおける科学の役割について語ったが、米国下院の民主党共和党との科学を巡る別の戦いに巻き込まれた。
EPAのごたごたが続く。他トランプ政権と科学を巡る話題多数)

Putin tightens control over Russian Academy of Sciences
By Vladimir PokrovskyJun. 27, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/06/putin-tightens-control-over-russian-academy-sciences

  • テキサスは証明されていない幹細胞療法を支持する

Texas signals support for unproven stem cell therapies
Kelly Servick  Science 23 Jun 2017:Vol. 356, Issue 6344, pp. 1219
テキサス州では関節損傷や糖尿病、神経変性性疾患などに広く根拠のない幹細胞療法が行われているが、Greg Abbott州知事はそれを規制しようとする連邦法に逆らう法案に署名した。病院や企業は医師が求めれば連邦法で要求されている試験や認可がなくても実験的治療を行うことができる。

  • 科学の完全性を成文化する時

Time to codify scientific integrity
Paul D. Tonko
Science 23 Jun 2017: Vol. 356, Issue 6344, pp. 1241-1242
議会エネルギー商業委員会環境小委員会幹部メンバーであり先のニューヨーク州エネルギー研究開発機関CEOとして、Scott Pruitt長官による最近のEPAの科学助言委員会委員の解雇と彼らを企業の代弁者に置き換える意図に警告を発する。