食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 十代後半が骨の成長にとって重要な時期

Late teen years are key period for bone growth
6-Jul-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/chop-lty070517.php
青少年後期が、既に身長が伸びなくなっていても、骨にミネラルが蓄積する重要な期間である。フィラデルフィア子ども病院のShana E. McCormack博士らのJAMA Pediatricsに発表された研究。NIHによる子どもの骨ミネラル密度研究 (BMDCS)のデータを解析した。青少年では身長の伸びの方が骨へのミネラル増加より遥かに早く、子ども達の骨が折れやすいことを説明できることを示した。この骨のミネラルの遅れがその後身長が伸びなくなってから補充される。
(ところがこの時期に日本の女の子達は給食か無くなって牛乳を飲まなくなり、無理な減量をするので非常にまずい。その結果は彼女たちが高齢になってから出る)

  • Kent州立大学の研究者らの研究がポケモンゴーとより健康的なライフスタイルを関連づける

Kent State researchers study link between Pokémon GO and a healthier lifestyle
6-Jul-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/ksu-ks070617.php
今日はポケモンゴー世界発表一周年である。
Games for Health Journalに発表された研究でポケモンゴーのダウンロード前後での350人の大学生の運動量を調べた。直後がもっとも大きく運動量が上がったが、数週間後もまだ増加は続いていた。

Putative Markers of Adulteration of Higher-Grade Olive Oil with Less Expensive Pomace Olive Oil Identified by Gas Chromatography Combined with Chemometrics
J. Agric. Food Chem., 2017, 65 (26), pp 5375–5383
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.jafc.7b00687?journalCode=jafcau

  • カナダでNAFTAによる関税引き下げ後高果糖コーンシロップの摂取量が増加

Consumption of high-fructose corn syrup increased in Canada after tariffs lowered in NAFTA
4-Jul-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/cmaj-coh062717.php
CMAJに発表された新しい研究によると北米自由貿易協定で高果糖コーンシロップ(HFCS)の関税が下がったこととカナダでの供給量の増加、多分摂取に関連がある。
1985-2000の間にHFCSの関税が下がり、カロリーのある甘味料からのカロリー供給が約41.6kcal増え、肥満率が5.6%から14.8%に大幅に増加した。TPPを含む貿易協定が健康に有害である可能性を示すと主張。
(ふ〜ん)

  • 小麦のゲノム配列決定は「タイムマシン」を提供する−将来の食糧生産と安全性を向上させる

Wheat genome sequencing provides 'time tunnel' -- boosting future food production & safety
6-Jul-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-07/n-wgs063017.php
Tel Aviv大学の植物科学と食糧安全保障学部穀物改善研究所のAssaf Distelfeld博士らの世界中の科学者とイスラエルの企業NRGeneとの共同研究でWild Emmer小麦のゲノム配列をScienceに発表。

  • マウスは臭いがわからないと痩せる−食べるのを止めるからではなく

Scienceニュース
Mice shed weight when they can’t smell—but not because they stop eating
By Mitch LeslieJul. 5, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/07/mice-shed-weight-when-they-can-t-smell-not-because-they-stop-eating
鼻が詰まると焼きたてのアップルパイが美味しくない。しかし臭いがわからないことは代謝に驚くべき影響を与え、脂肪の多い食品を食べても痩せたままでいるのに役立つ可能性がある、マウスの新しい実験が示唆する。
カリフォルニア大学の分子生物学者Andrew Dillinらは臭覚神経細胞を一時的に消失させるジフテリア毒素を定期的に与えることで臭覚を抑制した。それからネズミに普通の餌と脂肪の多い餌を与えた。普通餌で3か月後、臭覚のないなずみ歯対照群より少しだけ軽かった。しかし高脂肪餌では臭いのないネズミは対照群より16%軽かった。また臭覚の喪失は、既に太っている別のマウスの減量にもつながった。Cell Metabolismに発表。
食べる量と運動量に差はなく、褐色脂肪組織でより多くのエネルギーを使っていた。ヒトと違って齧歯類には褐色脂肪が多い。ヒトで同じことが起こるかどうかはわからない。
ドイツのドレスデン工科大学の臨床神経学者Thomas Hummelらは、頭部傷害や他の原因で臭覚を失った人を研究してきたが、体重が減った人はほとんどいない、と注意する。
(食べものを不味くして痩せるという戦略は昔からあるけれど、悪手のような)

Nutritional and Dietary Interventions for Autism Spectrum Disorder: A Systematic Review
Nila Sathe et al.,
Pediatrics June 2017, VOLUME 139 / ISSUE 6
http://pediatrics.aappublications.org/content/139/6/e20170346.long
結論:自閉スペクトラム疾患の子どもに栄養サプリメントや食事療法を使用することを支持する根拠はほとんどない

Variability in strength of red yeast rice supplements purchased from mainstream retailers
Pieter A Cohen et al.,
European Journal of Preventive Cardiology
http://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/2047487317715714
市販の紅麹サプリメント28ブランドのモナコリンKの量を調べたところ、2つは含まれない、残り26は紅麹1200mgあたり0.09-5.48mgと60倍以上違っていた。さらに製品の1日摂取量だと0.09-10.94mgと120倍以上の差になる。FDAの製造基準強化(CGMPのこと)にも関わらず、市販製品の内容物は予測できない。
(医薬品買った方がはるかにいい。サプリメントと医薬品の間はかなり深い溝がある)