食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 「再現性研究費」がいまだに疑問がある9つの影響の大きい研究を繰りかえすことを可能にするだろう

Scienceニュース
‘Replication grants’ will allow researchers to repeat nine influential studies that still raise questions
By Jop de VriezeJul. 11, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/07/replication-grants-will-allow-researchers-repeat-nine-influential-studies-still-raise
若い人の電子タバコの使用は喫煙リスクの高さと関連するか、自然環境はストレスからの回復に役立つか、などの疑問に新しい答えがえられるかもしれない。オランダ科学研究機関(NWO)が研究の再現のための最初の研究資金を用意した。再現性を確認される最も古い研究は1960年にScienceに発表された、ヒトが情動を動かすあるいは興味深い画像をみると瞳孔が大きくなるという研究である。この研究は625回も引用されていてヒトと機械の相互作用における最も重要な研究とみなされているが常に疑問が提示されてきていた。

Natureニュース
White House’s dwindling science office leaves major research programmes in limbo
11 July 2017
http://www.nature.com/articles/d41586-017-01350-x
大統領が連邦政府の縮小を誓っているがそれを科学から始めるようだ。就任して約6か月、科学アドバイザーはまだ選ばれておらず、Barack Obama大統領の時には130人いたホワイトハウスの科学技術政策オフィス(OSTP)の職員は35人に減らされた。さらにキャリアスタッフがOSTPを離れる予定で事態は悪化すると予想されている。

  • 挑戦的なBlack Salve販売業者が6年の実刑判決

Defiant Black Salve Seller Gets Six-Year Prison Sentence
Stephen Barrett, M.D.
July 10, 2017.
http://www.cancertreatmentwatch.org/reg/girod.shtml
2017年にハーブ販売業者Samuel A. Girod 57才が実験判決
2001年にコンフリーを含む"Chickweed Healing Salve"を売っていることをFDAにみつかり、2003年に州農務省から違法警告を受け、2004年と2005年にFDAが指摘事項が修正されていないと報告。2006年2010年2012年にもFDAが査察して指摘。さらに2010年に"TO-MORE-GONE"という製品にblack salveが含まれることを指摘。
(以下もずっといろいろ対応していてようやく。その間も被害者は増え続けただろう)
black salveについては
Don't Use Corrosive Cancer Salves (Escharotics)
Stephen Barrett, M.D.
revised on July 10, 2017.
http://www.quackwatch.org/01QuackeryRelatedTopics/Cancer/eschar.html

  • 子どもの医療は法的義務(CHILD) 法人

Children’s Healthcare Is a Legal Duty (CHILD), Inc.
http://childrenshealthcare.org/
CHILDは課税されない慈善団体としての活動を休止しCHILD USA (http://www.childusa.org/)に統合。CHILDのウェブサイトは残し創設者のRita Swanはロビー活動を続ける。CHILDはRitaと Douglas Swan夫妻がクリスチャンサイエンスプラクティショナーを信じたせいで一人息子を亡くして1977年に設立された。子どもへの医療ネグレクトが信仰により適用外になっていることを止めさせたくて活動してきた。ウェブには信仰により犠牲になった子ども達の事例が掲載されている。

  • タスマニアデビルを襲っている新しい伝染性のがんの背景にはたちの悪い染色体があるかもしれない

Scienceニュース
Rogue chromosome may be behind new contagious cancer striking Tasmanian devils
By Elizabeth PennisiJul. 10, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/07/rogue-chromosome-may-be-behind-new-contagious-cancer-striking-tasmanian-devils
タスマニアデビルは20年ほど前顔の伝染性の腫瘍で絶滅しそうになったがその後いくつかの個体が耐性になり保存主義者は安堵した。しかし最近二番目の伝染性のがんがタスマニア南東部で増えていると先週Society for Molecular Biology & Evolutionの年次会合で報告された。遺伝子解析の結果一つ目のがんも二つ目のがんも染色体1が関与している。この染色体はタスマニアデビルの染色体のうち最も大きく最も脆弱である。
この研究に関係していないテキサス大学の進化生物学者のDaniel Bolnickは、「がんを進化の問題と考えることに魅了される」という。

  • ニュージーランドは侵入してきた肉食獣を根絶したいが、一般からの支持を得るのは大きな課題だろう

New Zealand aims to eradicate invasive predators, but winning public support may be big challenge
By April ReeseJul. 10, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/07/new-zealand-aims-eradicate-invasive-predators-winning-public-support-may-be-big
ニュージーランド政府は昨年固有の鳥を守るために外来の肉食獣を排除する大規模な計画を発表した。しかし一般からの支持を得るのはそれより困難かもしれない、と科学者が言う。
世論投票ではニュージーランドの固有種を守ることには強い支持があるが、「悪魔は細部に宿る」。例えば侵入種をコントロールするのに毒素を使うことには反対がある。

  • 今やチョコレートを鼻から吸うことができる、しかし医者は歓迎しない

You can now snort Chocolate, But Doctors Aren't Happy About It
By Amanda MacMillan July 07, 2017
http://www.health.com/nutrition/snortable-chocolate-coco-loko
健康の専門家は新しい鼻から吸うカカオ粉末Coco Lokoについて心配している。過剰摂取や危険な副作用につながる可能性がある
カフェイン入りエネルギーブーストには食品や飲料、ガム、貼り付けるなどいろいろなものがあるが、新たに鼻から吸うものが登場した。
Coco Lokoを作ったNick Andersonはワシントンポストにこの製品は主にカカオ粉末−つまり未加工のチョコレートであると語っている。天然にカフェインを含む。しかしイチョウタウリンガラナも含む。これらはエネルギードリンクによく使われている成分である。
しかしこの製品は合法なのか?安全なのか?エネルギーを与えるのか?
エス、合法である。Coco Lokoは食品や医薬品として販売されていないためFDAの認可対象ではない−ダイエタリーサプリメントのように。つまり監視されていないので保証はない。
Skidmore大学の健康専門家Paul Arciero博士によると、もし成分が本当なら食べたり飲んだりするより早く血流に入るだろう。カフェインは交感神経を興奮させるだろう。
そして三番目の質問であるが、安全か?吸入したカカオパウダーが人体でどう反応するかは謎である。点鼻用医薬品はあるがミストであって粉末ではない。鼻が詰まるかもしれないし粘膜を刺激するかもしれない。
AndersonはCoco Lokoを飲酒の代わりになるという。
政府の規制はないのかとFDAに尋ねてみたがFDAワシントンポストに対して決めていないと語った。
AndersonはABCニュースでこの製品の開発にあたり医療の専門家には相談していないと言っている。

Measles outbreak - 35 reported deaths in Europe
July 12, 2017
http://www.news-medical.net/news/20170712/Measles-outbreak-35-reported-deaths-in-Europe.aspx
過去12か月で、WHO欧州地域で35人の死亡が報告されている
イタリアでは2016年6月以降3300症例以上で2人死亡、ルーマニアが死者最大で31、ドイツ1ポルトガル1。
はしかは予防接種で予防できるのに死亡や障害をおこしているのは「許容できない悲劇である」とWHO欧州地域Zsuzsanna Jakab博士は言う
ルーマニアは予防接種率を上げるため全国キャンペーンを始めた
はしかワクチンと自閉症−神話は否定されているがいまだ残る

  • 自宅遺伝子検査:それはあなたのため?

Home Genetic Tests: Are They for You?
by John Swartzberg, M.D. | July 11, 2017
http://www.berkeleywellness.com/self-care/over-counter-products/article/home-genetic-tests-are-they-you
自宅遺伝子検査は魅力的に聞こえるかもしれないがそれが信頼できるあるいは正確であるという根拠は、親になろうとする人のキャリア検査以外、ほとんどあるいは全くない。
遺伝的リスク予想の科学は期待できてあなたがその限界とリスクを理解しているなら選択肢になるかもしれない。しかし現時点ではまだ専門家の指導のもとでのみすべきだと助言する。
(知識が少ない方が自信たっぷりに言えるという分野)

  • 遠隔医療は軽い病気での医療の過剰使用を促進する

Telehealth Encourages Overutilization for Minor Ailments
by Berkeley Wellness | July 10, 2017
http://www.berkeleywellness.com/healthy-community/health-care-policy/article/telehealth-encourages-overutilization-minor-ailments
スマートホンやパソコンなどで医療を提供する、急速に拡大している遠隔医療は、医療へのアクセスを容易にするのに役立つ可能性があるが、軽い病気での医療の過剰使用を増やし、期待されたような医療費の削減はないだろう。
Health Affairsに発表されたRANDの研究でカリフォルニアの30万人のデータを、急性呼吸器疾患に絞って解析した。個別の医療費は遠隔医療の方が費用が少ないが、便利なために通常病院に行く必要のない軽いものでも医療を使うようになった結果医療費は増えたと結論。