食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

食品添加物としてのペクチン(E 440i)及びアミド化ペクチン(E 440ii)の再評価

Re-evaluation of pectin (E 440i) and amidated pectin (E 440ii) as food additives
EFSA Journal 2017;15(7):4866 [62 pp.]. 6 July 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4866
欧州委員会の要請を受け、EFSAの食品添加物および食品に添加される栄養源に関するパネル(ANS)は食品添加物としてのペクチン(E 440i)とアミド化ペクチン(E 440ii)の再評価について科学的意見を出すよう求められた。食品科学委員会(SCF)はE 440i と E 440iiに許容一日摂取量(ADI)を「特定しない」とした。ペクチンとアミド化ペクチンは完全なままで吸収されないが、動物とヒトの腸内微生物叢により広く発酵される;消化管のペクチンから形成される製品はペクチン由来の酸性オリゴ糖製品(pAOS)と類似している。ペクチンとアミド化ペクチンに遺伝毒性の兆候はないが、入手可能なデータは限られている。ラットの慢性毒性試験では最大5,000 mgペクチン/kg bw/日の量で有害影響は報告されていない。ラットのペクチン由来酸性オリゴ糖での食事一世代生殖毒性試験では、調べた最大用量6,200 mg/kg bw/日で投与関連の影響は観察されなかった。パネルはE 440i と E 440iiにアレルギーを起こす可能性があるとは考えていない。ヒトでは6週間 36 g/日の用量(515 mg/kg bw/日に相当)で有害影響はなかった。食品添加物として使用するペクチンへの暴露は95パーセンタイル(ブランドロイヤルシナリオ)で幼児に最大442 mg/kg bw/日までである。一般人に食品添加物としてのペクチン(E 440i)とアミド化ペクチン(E 440ii)の使用に安全上の懸念はなく、ADIを数値化する必要はない。