食品安全情報blog過去記事

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その他

  • シチメンチョウは本当に眠くなる?

Does Turkey Really Make You Sleepy?
by Densie Webb Ph.d., R.d. | July 19, 2017
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/nutrition/article/does-turkey-really-make-you-sleepy
クレーム:シチメンチョウで眠くなる
事実:この主張はターキーが主役の感謝祭の食事の後に多くの人が眠くなることから生じたようだ。それが1990年代のSeinfeldのエピソードでGeorge と Jerryが誰かにシチメンチョウをたくさん食べさせて眠らせようとしたことで強化された。
その神話に燃料を与えたのがシチメンチョウに必須アミノ酸であるトリプトファンが含まれることである。トリプトファン血液脳関門を通ってセロトニンに変換される。セロトニンには興奮を静める作用があり、メラトニンの前駆体となる。そしていくつかの研究でトリプトファンサプリメントが早く入眠するのに役立つことを報告している−ヒトでの全体的利点についての根拠は限定的で結果は矛盾し、サプリメントに安全上の懸念はあるが。
しかしトリプトファンそのものをサプリメントで摂った場合にはBBBを超えるが、シチメンチョウはトリプトファン以外にもアミノ酸を含みBBBの通過がより困難になる。そしてトリプトファンからセロトニンへの変換はシチメンチョウだけではなく他の食品を食べてもおこる。チーズやベーコン、カボチャの種、オート麦のふすま、豆腐など。それを食べても眠くなるというのはありそうにない。
むしろ感謝祭のごちそうの後に眠くなるのはシチメンチョウではなく、大量の炭水化物を食べたせいである可能性のほうが高い。あるいは食べた食事の量が多くて血圧が下がったり、一緒に飲んだワインのせいかもしれない。
基本:シチメンチョウにそのような罪はない−少なくとも直接的には。

  • サプリメント:あなたは自分が実際何を摂っているのか知っている?

Supplements: Do You Know What You're Really Getting?
by Berkeley Wellness | July 19, 2017
http://www.berkeleywellness.com/supplements/other-supplements/article/supplements-do-you-know-what-youre-really-getting
ダイエタリーサプリメントを買うとき、何を入手しているのか実際にはわからないという根拠がまた増えた。Journal of Clinical Sleep Medicineに発表された最近の研究で、16ブランドのメラトニンを調べたところ、表示されている量のたった1/5から5倍近くまで含まれることが明らかになった。10製品中7は表示より10%以上多いまたは少ない。全く同じ製品であっても、メラトニン含量が相当違うことがわかった。さらに1/4のサプリメントは表示されていない、有害影響をおこす可能性のあるセロトニンも少量含んでいた。
Melatonin Natural Health Products and Supplements: Presence of Serotonin and Significant Variability of Melatonin Content
http://www.aasmnet.org/jcsm/ViewAbstract.aspx?pid=30950

  • ワクチンが薬物耐性微生物撲滅の鍵として薦められる

Natureニュース
Vaccines promoted as key to stamping out drug-resistant microbes
Alison Abbott
19 July 2017
http://www.nature.com/news/vaccines-promoted-as-key-to-stamping-out-drug-resistant-microbes-1.22324
予防接種は耐性感染が始まる前に止められると大学と企業の科学者がいう
(ヒトの病気の話)

Chipotle to reopen Virginia restaurant after norovirus reports
July 20, 2017
https://www.reuters.com/article/us-chipotle-health-idUSKBN1A41NB
Chipotle Mexican Grill社は、客数人のノロウイルス疑いで閉鎖した2日後の水曜日にバージニアのレストランを再開するという。2015年後半の一連の食品安全上の欠陥での売り上げ低下から復活するのに苦闘しているところだった
(また?)

Dust Causes Obesity: Real Fake News!
By Ruth Kava — July 18, 2017
http://www.acsh.org/news/2017/07/18/dust-causes-obesity-real-fake-news-11570
残念ながらしばしばニュースの見出しは科学を伝えない。例えば最近Telegraphが「家の埃が人を太らせる」という。しかし報道された研究はほんとうに見出しのようなことを示したのか?全然。これまでたくさんのことが肥満の原因とレッテルを貼られてきたが、その中でも最も革新的なものが内分泌撹乱物質(EDC)であろう。そして最近の報告はEDCがハウスダストにある量で脂肪細胞の増殖を促進することを発見した。一見もっともらしいがその影響が見られたのはヒトでも丸ごとの動物でもなく培養細胞である。そしてこの結果は家の埃がその埃のある家に住んでいる人にどう影響するのかについては何も言っていない。

  • 目的は親を騙すこと:サッカーの才能を調べる子どものDNA検査

The Goal is Scamming Parents; Testing Kids' DNA for Soccer Talent
By Erik Lief — July 12, 2017
http://www.acsh.org/news/2017/07/12/goal-scamming-parents-testing-kids-dna-soccer-talent-11547
サッカーゲノミクスSoccer Genomicsという団体が、299ドルで子どものDNAを分析して才能あるサッカー選手に育てるための情報を提供すると宣伝している。これに科学的根拠はない。この手の消費者に直接販売されている遺伝子検査は役にたたない。
(検査した後は別の特別な指導方法や食事法をさらに売る)