食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

Behind the headlines

  • ベジタリアン食の中には心臓疾患のリスクが上がる可能性があるものがある

Some types of vegetarian diet can raise heart disease risk
Tuesday July 18 2017
http://www.nhs.uk/news/2017/07July/Pages/Some-types-of-vegetarian-diet-can-raise-heart-disease-risk.aspx
ベジタリアンであることは常に健康的とは限らない:野菜中心の食事は心臓疾患のリスクを上昇させるかもしれない」とDaily Mailは報道している。米国の研究で例えば精製された穀物のような健康度の低い食品選択に基づいたベジタリアン食は心臓疾患のリスクを上昇させる可能性があるとわかった。
最新研究で研究者は、従来の多くのダイエットと健康研究が実際の具体的な食事の内容を考慮せず、野菜中心のすべてのタイプのベジタリアン食が「ひとまとめになっている」と指摘した。すべての野菜中心の食事が健康的で栄養価が高いというわけではない。
研究者は米国の20万人の健康な労働者を対象にしたデータを調査し、食事と冠動脈性心疾患の関連を分析しようと試みた。
全体として、野菜の多い食事は野菜の少ない食事や肉食中心の食事と比較して心疾患のリスクについて明確な有益性と関連しなかった。
野菜中心の食事をさらに分析すると、研究者は興味深い差異に気付いた。
全粒穀物、果物、野菜及び健康的な脂肪を多くとる「健康的な」野菜中心の食事をする人は、ジャガイモ、精製穀物類及び甘い菓子のような食品を含む「健康的でない」野菜中心の食事をする人に比較して心疾患になる可能性は低い。
研究では例えばストレス、職種及び教育のような他の健康、ライフスタイル要因が関連に影響を与えた可能性は無視できないが、健康的でない野菜中心の食事と心疾患の関連性には説得力がある。
ベジタリアン向けの食事の助言はすべての人に向けた助言と同じである。毎日少なくとも5単位の果物や野菜のバランスのとれた食事をし、砂糖、塩、飽和脂肪を少量にし、可能であれば全粒穀物の炭水化物を選ぶようにすることである。

Benefits of artificial sweeteners unclear
Wednesday July 19 2017
http://www.nhs.uk/news/2017/07July/Pages/Benefits-of-artificial-sweeteners-unclear.aspx
人工甘味料が体重増加のリスクと関連がある」とDaily Mirrorは報道している。過去の研究で集められたデータを調査し人工甘味料―ダイエット飲料にしばしば含まれる―と皮肉な体重増加の関連を報告した。また2型糖尿病、高血圧及び脳卒中との関連も発見した。
しかし、このレビューの結果は注意して取り扱うべきである。レビュー結果は7つの小規模な質の低い試験及び30のコホート研究に基づいていて因果関係を示すことができない。
試験の結果と方法に大きな差があるので、それらを一緒にすると結果は偶然の可能性が高い。
健康的な体重に達し、維持するまた2型糖尿病を予防する一番良い方法は、少なくとも1日5単位の果物と野菜を含んだ健康的な食事と定期的な運動の組み合わせによるものである。そして究極のダイエット飲料は?水である。

  • 高用量のビタミンDは子供の風邪やインフルエンザの予防にならない。

High-dose vitamin D 'doesn't prevent colds and flu in kids'
Wednesday July 19 2017
http://www.nhs.uk/news/2017/07July/Pages/High-dose-vitamin-D-doesnt-prevent-colds-and-flu-in-kids.aspx
ビタミンDは子供の風邪の予防にならないだろう:神話を否定する研究で、子供の健康を維持するためには『必ずしも多いほどよいというわけではない』という」とMail Onlineは述べている。
この話は、健康な子供に高用量のビタミンDを冬に与えることが、標準に推奨される、より低い用量のビタミンDを与えた子供と比較し風邪やインフルエンザの予防になるかどうかを調査する研究に基づいている。
高用量摂取した子供は標準量を摂取した子供と同じように病気になったという結果だった。両グループの子供とも冬に平均約1回の風邪もしくはインフルエンザにかかった。
高用量ではインフルエンザの症例は減少したが、しかしインフルエンザの症例はまれであり、それゆえ減少は小さかった(一冬に子供100人あたり4感染少なかった)。
現在の英国の助言は、年齢1歳から4歳の子供は、この研究の標準量と同量の10 mcgのビタミンDを含むサプリメントを毎日とるべきだというものである。
研究で使用されたより高用量(50mcg)を子供に与えることは、子供が一般的に健康であるならば、冬の風邪やインフルエンザに対して大きく効果があるようには思えない。