食品安全情報blog過去記事

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その他

SMC UK
expert reaction to deaths from Fentanyl
August 2, 2017
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-deaths-from-fentanyl/
国家犯罪庁が英国で過去8か月に少なくとも60人が強力な鎮痛剤フェンタニルを使用して死亡していると報告した
ヨーク大学精神衛生講師Ian Hamilton
フェンタニルの問題があるのは明確だがその問題の程度については明確ではない。ヘロインを使用している人の多くはフェンタニルを選んでいるわけではなく、提供されただけだろう。このことは用量を選ぶための知識や経験がないので特にリスクとなる。多くの死亡は政府が薬物を安全に使用できる場所を提供することで避けられるだろう
薬物に関する独立した科学委員会DrugScienceの創設者でImperial College Londonの神経心理薬理学センター長でEdmond J Safra議長のDavid Nutt教
これはストリートの「ヘロイン」の多くにフェンタニルが混入されている米国で見られる合成オピオイドによる死亡増加の始まりである可能性がある。最初に必要なのはフェンタニルについて理解すること。それからやるべき6つのことを提案
(長い記事、略)

  • 地中海食が豊かな人にしか効果がない、への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to Mediterranean diet only works for wealthy people
August 1, 2017
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-mediterranean-diet-only-works-for-wealthy-people/
International Journal of Epidemiologyに発表された研究で地中海食は心血管系疾患リスクの低さと関連するが、その関連は社会経済的地位の高い人に限定されるという
UCL、健康インフォマティクス研究Farr研究所、臨床データ科学上級臨床講師で名誉心臓相談医Amitava Banerjee博士
地中海食が心血管系疾患リスクを下げることについては疑問がない。南イタリアでの5年にわたる24000人の男女の、この質の高い観察研究ではリスク削減を確認した。新しいのはその利益が自己申告による学歴と収入で評価した社会経済的地位の高い人に限られるということである。
これには二つの意味がある。最初に、質の高い地中海食はその費用がかかるために社会経済的地位の高い人にとってより入手しやすい、あるいは教育レベルの高い人が実行しやすい可能性があること。二つ目は社会経済的勾配は心血管系疾患でよく知られているが、この研究が地中海食のメリットが低所得の人で減衰することを初めて示したものである。
我々は貧困と社会的勾配の削減と、地中海食を全ての人に同様に入手可能にする必要がある
シェフィールド大学心血管系医学准教授Tim Chico博士
最も健康的な食事とは何かを正確に知るのは極めて困難だが、地中海食(定義は広範だが概ね野菜果物ナッツ種子オリーブ油魚が多く、赤肉や加工食品が少ない)が心疾患リスクを下げることは繰り返し示されてきた。この研究はよく知られているが陰鬱な事実である収入または教育レベルの低い人は心疾患リスクが高いことを確認した。
著者らは地中海食が豊かでない人にとってあまり効果的でないと示唆しているものの、他の要因による可能性が高い。

コンシューマーラボ
Product Review: Low-Dose Lithium Supplements
Initial Posting: 8/5/17
https://www.consumerlab.com/reviews/Lithium-Low-Dose-Supplements/lithium/
0.05-20 mgのリチウムを供給するサプリメントを調べた

  • 「人道的子牛」−本当?

'Humane Veal'—Really?
by Berkeley Wellness | August 07, 2017
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/humane-veal
子牛の生産は通常乳牛の母親から生まれたばかりの子どもを引き離して身動きのできない小屋で育てるため特に残酷だと考えられてきた。動けないので筋肉が発達せず、そのおかげで肉がやわらかい。「ホワイト子牛」を作るには子牛にはミルクしか与えず、鉄が不足して貧血のため肉が白っぽい。そして4-5か月で肉にされる。ボブビールは2-3週間で肉になる。
子牛の生産への反対は1980年代から始まり、その後米国での消費は大きく減った。顧客を取り戻すため、農家は歩けるような小屋で集団で子牛を育てるようになった。一部は液体だけでなく穀物餌も与える。母親と一緒に牧場で育てるところもごく僅か存在する。穀物や芝を与えられた子牛は「レッド子牛」と呼ばれる。一部の生産者はそれは本当の子牛(ビール)ではないという。「子牛(calf)の肉」と呼ぶ場合もある。
(中略)
子牛肉を買う前に
「人道的子牛」なんてものがあるのだろうか?それはどのくらい厳密に定義するかによる。より人道的に取り扱ったとしても、子牛は不自然な状態で育てられ殺されている。そして子牛ができるのはミルク生産の副産物であることを忘れないように。乳製品を摂取するということは子牛の生産を促進することである。
子牛肉は牛肉より健康的?ほんの少し脂肪が少ないだけで、他の赤身肉同様部位による。より健康的なのは植物由来の肉代用品や豆である。

  • 最初の遺伝子組換え鮭がカナダで販売される

Natureニュース
First genetically engineered salmon sold in Canada
Emily Waltz 04 August 2017
http://www.nature.com/news/first-genetically-engineered-salmon-sold-in-canada-1.22116
米国の会社AquaBounty Technologies はトランスジェニック魚が25年待って販売できたという
8月4日に約4.5トンほど、初めてカナダで販売

  • 大学が、有名な細胞生物学者が不正を行ったという

University says prominent Japanese cell biologist committed misconduct
David Cyranoski
01 August 2017 Corrected: 03 August 2017
http://www.nature.com/news/university-says-prominent-japanese-cell-biologist-committed-misconduct-1.22394
東京大学がYoshinori Watanabeの論文の画像が操作されているという匿名の告発を調査した。
5つの論文で科学的不正を行った。同じラボのもとメンバーもう一人も有罪と。
まだ罰は与えられていないが一年にわたる調査で結果を発表する前に既に研究室のメンバーは去り研究費も失いキャリアはぼろぼろである。
Watanabeのラボでは画像の意図的操作は日常的で、Watanabeがメンバーにやり方を教えていた。もと准教授で不正を行ったと判断されたYuji TannoはWatanabeの指導の犠牲者でもある

  • 根拠のない幹細胞療法の増加が、この目立たない科学者を業界の監視者にした

Scienceニュース
The rise of unproven stem cell therapies turned this obscure scientist into an industry watchdog
By Kelly ServickAug. 3, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/08/rise-unproven-stem-cell-therapies-turned-obscure-scientist-industry-watchdog
Paul Knoepflerが2010年から運営しているブログを通じて幹細胞療法の権威になっていろいろな相談を受けるようになった。
STAP細胞の騒動で大活躍だったKnoepfler先生!STAP細胞のおかげで権威として有名になったらしい。自分も前立腺がんで生存率50%と診断された経験がある)