食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 神経神話は非常によく信じられている

Belief in neuromyths is extremely common
10-Aug-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-08/f-bin080317.php
神経神話を信じているかどうか、教育者と神経科学を履修した人で調べた研究がFrontiers in Psychologyに発表された。多くの神経神話は脳の研究と教育に関するもので、もともとの研究を間違って解釈したり過剰に単純化したりしたものである。例えば「砂糖を食べた後に子どもの集中力が落ちる」など。「失読症の共通の兆候は文字を逆にすること」という神経神話は一般人が76%、教育者が59%、神経科学を履修した人が50%間違って本当だと信じていた。他に良く信じられている神話はMozart効果、脳は10%しか使われていない、右脳と左脳。これらはクラスターになっていて一つの神話を信じている人は他の神話も信じている傾向がある。神経科学の履修があまり役にたっていないことも明らかになった。

  • 健康的な食事は南アジアの女性の妊娠糖尿病リスクを減らす

Healthy diet could decrease gestational diabetes risk for South Asian women
10-Aug-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-08/mu-hdc080917.php
オンタリオの南アジア女性は妊娠糖尿病リスクが高いが、妊娠前の食事を変えることで相当な違いがある、CMAJ Openに発表されたMcMaster大学の新しい研究によると。
「もし南アジア人女性が妊娠前の至適体重と食事の質の改善ができれば、妊娠糖尿病の約1/3が予防できる」とSonia Anandはいう。質の低い食事は肉、米、あげものが多く野菜が少ない、質の高い食事は野菜や豆や全粒パンが多い。
(米は「質が低い」だって。南アジアだと全粒の米やヒ素濃度の低いものもあるのにそういう評価なら東アジアは絶望的だよね)

  • がんに代替医療のみを使うことは生存率の低さと関連

Using alternative medicine only for cancer linked to lower survival rate
10-Aug-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-08/yu-uam081017.php
JNCIに発表されたYaleがんセンターとYale大学医学部公共政策有効性研究(COPPER)センターの研究によると、治療可能ながんに標準療法の代わりに代替医療法を選択した患者の死亡リスクが高い。
患者や家族ががんの標準療法に反対して代替療法を行うことへの関心がますます強くなっている。この傾向は患者や医療者にとって困難な状況をもたらしている。標準療法が生存にとって最大のチャンスであることは広く信じられているが、がんの代替療法の有効性を評価した研究は少ない。多くのがん患者が標準療法に加えて代替療法を使っているが、代替療法のみを選択した患者についてはよくわからない。
YaleがんセンターのJames B. Yu,准教授は「我々は、効果のないあるいは根拠のない代替療法のみをやって進行がんになった患者があまりにも多く我々の病院に来るのでこのトピックに関心をもった」という。
研究者らは全国がんデータベースの乳がん前立腺がん、肺がん、直腸結腸がんの840人の患者を調べた。このデータベースには全国で新たにがんと診断された患者の約70%が含まれる。代替療法を選んだ280人と標準療法を選んだ560人を比較した。2004年から2013年に診断された患者のアウトカムを集め、化学療法、手術、放射線療法の代わりに代替療法を受けた患者は死亡率が高いことを発見した。この知見は乳がん前立腺がん、直腸結腸がんで同じだった。研究者らは代替療法を選んだ患者は死亡する可能性が高いと結論し、代替療法の使用についてより厳密に精査するよう強く求める。

  • The Lancet:毒性の高い農薬:安全な貯蔵ではなく禁止

The Lancet: Highly hazardous pesticides: Bans not secure storage
11-Aug-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-08/uob-tlh081117.php
ブリストル大学のDavid Gunnell教授らによるスリランカの180の村での無作為化試験でがは、安全な保管方法は自己中毒や自殺率に影響しないことを発見した。さらに二つ目の世界での政策のレビューは、自殺予防のためには毒性の高い農薬を禁止にするのが最も効果的であると結論した。
WHOによると農薬を使った自殺は世界の自殺手段の最も多い3つのうちの一つである。多くは中―低所得国の地方でおこっている。この地域では自宅に農薬が保管されていることが多い。一方高所得国では農業は大規模に行われほとんどの人は農薬を使用せず入手しにくい。農薬業界は農薬の安全な保管を主張してきたがThe Lancetに発表された研究ではそれが自殺を減らすことにはならなかった。
The Lancet Global Healthに発表されたレビューでは世界の政策変更の影響を検討した。
(食糧生産はプロの仕事にすべき?)