Behind the headlines
Reports that antibacterials in pregnancy are 'harmful' unfounded
Monday August 14 2017
http://www.nhs.uk/news/2017/08August/Pages/Reports-that-antibacterials-in-pregnancy-are-harmful-unfounded.aspx
「妊娠している女性に警告、抗菌石鹸を使用しないこと!製品中の化学物質が子供を肥満にし発育を妨害する可能性がある」は不安を抱かせるが、全く根拠がないMail Onlineの見出しである。
米国の研究者は、以前その抗菌特性のために幅広く石鹸やローションに使われた化学物質のトリクロカルバン(TCC)を妊娠マウスに暴露すると、胎盤や母乳を通して子マウスに移行するかどうか確認しようとした。
研究者は毎日母親マウスの飲み水にTCCを加え、子マウスの発育を短期間及び長期間調べた。研究者は物質が胎盤に、さらに母乳にも入り込むことを発見した。暴露した子マウスは脳が小さく太っており、特に雌の子は脂肪が多かった。研究の著者はTCCは廃水の一般的な汚染物質であると述べているが、ヒトは廃水を習慣的に飲んだり、抗菌ローションを飲んだりしない。
たとえヒトが同量のTCCを飲んだとしても、ヒトの胎児や新生児にどんな影響があるかを述べるためにこの知見を利用することはできない。それゆえこの研究から妊娠中の抗菌石鹸の使用が子供を肥満にするという結論を出すことはできない。
それでもやはり、TCCと、類似化合物トリクロサンは今年初めに報告したように、既に米国において禁止されておりヨーロッパでも消費者の製品から段階的に廃止されつつある。
子供の肥満はたくさんの原因によって引き起こされるので、たった1つの化学物質が子供を「肥満」にするということはありそうにない。