食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 自己免疫疾患は心血管系と死亡リスクが増加

Autoimmune diseases increase cardiovascular and mortality risk
29-Aug-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-08/idm-adi082817.php
約100万人を6年間モニタリングして確認された。
Heartに発表。自己免疫疾患は全体の死亡率と心血管系リスクを増加させる。特に関節リウマチとSLEを患っている人で顕著で、クローン病潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患では全原因での死亡と脳卒中リスクが増加。

  • スポーツでのドーピング:公的検査は多くの事例を検出できない

Doping in sports: Official tests fail to pick up majority of cases
29-Aug-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-08/s-dis082917.php
エリートアスリートのドーピングは驚くほど広範に行われていて多くは検出されていない。Sports Medicineに発表された研究。2011年の二つの大規模スポーツイベントで匿名で調査を行ったところ30-45%が前年に禁止薬物や方法を使ったことを認めている。国際大会での血液や尿でのドーピングの検出は1-3%であるが実際のドーピング率ははるかに多いことが示唆される。最新のドーピング方法は現在行われている検査をすり抜けることができる、

  • 専門家が食用動物に使用される抗生物質を減らすための米国の政策ロードマップを発表

Experts release US policy roadmap to reduce antibiotics used in food animals
29-Aug-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-08/gwu-eru082917.php
以下から
http://battlesuperbugs.com/PolicyRoadmap
内容としては
・医療上重要な抗生物質を畜産に使うことは減らす
・使用を監視
・耐性のサーベイランスの強化とデータの統合、政策への利用

  • 研究は看護師のスクラブ(手術着)は病院で細菌に汚染されることを示す

Study shows nurses' scrubs become contaminated with bacteria in hospitals
29-Aug-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-08/sfhe-ssn082917.php
抗菌繊維は効果がない
Infection Control & Hospital Epidemiologyに発表された、抗菌スクラブ汚染と伝染(ASCOT)試験の結果。12時間シフトで3種類のスクラブを着た40人の看護師に各シフトの前後で衣服、患者、環境中細菌培養を行った。スクラブは通常の綿化繊混紡、銀合金を繊維に埋め込んだもの、複数の抗菌剤で処理したもの、の3種類で、看護師はどの種類を着ているのかは知らない。33%が新たに細菌に汚染されるがスクラブの種類による汚染の差はなかった。

  • 国際研究が脂肪と炭水化物を適度に摂取することが健康にとってベストであることを示す

International study shows moderate consumption of fats and carbohydrates best for health
29-Aug-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-08/mu-iss082517.php
5大陸135000人以上を対象にした研究が、脂肪と果物と野菜を適度に摂り、高炭水化物を避けることが死亡リスクの低さと関連することを示した。
適度がどのくらいかというと、死亡リスクが最も低かったのは1日に野菜と果物と豆を3-4サービング(合計375-500g)で、それ以上摂っても追加のメリットはほとんど無かった。また脂肪はエネルギーの約35%が最も低いリスクと関連した。一方炭水化物の多い食事(相エネルギーの60%以上)は、心血管系疾患リスクとは関連しないが死亡率の高さと関連した。これはThe Lancetに発表された二つの報告から。
なお世界中のほとんどの人は野菜と果物と豆の合計で375-500gは達成している