食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

AFSCA (Agence fédérale pour la sécurité de la chaîne alimentaire)

(FASFC:Federal agency for the Safety of the Food chain)
卵のフィプロニル
Fipronil in eggs
http://www.afsca.be/businesssectors/foodstuffs/incidents/fipronil/
消費者向けFAQ
1. フィプロニルとは?
フィプロニルはシラミ、ダニ、家畜の無脊椎動物寄生虫を駆除する際に用いる殺虫剤である。この物質は農薬として食品チェーンに許可されている。
2. なぜ今フィプロニルに問題があるのか?
フィプロニルは食品チェーン用の動物への使用は許可されていない殺虫剤である。そのためフードチェーンでの影響と公衆衛生の影響は十分立証されていない。司法省と緊密に協力し、FASFCの調査は産卵鶏の赤いダニを駆除する際の家禽分野でのフィプロニルの使用を明らかにした。この状況においてこの製品の使用は許可されていないため、この物質の定期的な調査は行われていなかった。
3. どのような基準が用いられた?
卵には最初の制限値0.005 mg/kgが決められている。これはいわゆるMRL(最大残留基準)である。フィプロニルは家禽に許可されていないため、これは卵の市場からの撤退の基準値である。欧州リスク評価は濃度が0.009 mg/kg体重を超過すると健康リスクの可能性があると示している。この濃度と欧州の消費パターンを基にして、卵のリスク値0.73 mg/kgが決定された。このためこの値を超えるフィプロニルを含む卵は消費者から回収されることになる。
4. それで卵が現在消費者から回収されている理由は?
初めに行われていた分析の一部には、予想されていたよりずっと大きい測定の不確実性があったようだ。言い換えると、分析結果の信頼性に疑いが生じている。その結果予防原則が適用され、問題となっている卵を消費者から回収した方が良いとされた。これらの卵を決して食べないよう助言された。
5. どんな種類の卵のバッチが回収されることになった?
以下のバッチナンバーのついた卵のバッチである:ホームページ上の資料参照。数字は卵に書かれている。BEから始まる最初の4桁は生産者を特定している。回収されるコードのついた卵は食品店に返却できる。卵に数字が記載されていなければ、卵を購入した店に連絡すること。食品店がその卵の生産者を調べられる。店に返却された卵は破棄される。
オランダ産の卵はコードにNLの文字がある。nVWAのホームページ上のコードを確認してほしい。https://www.nvwa.nl/onderwerpen/biociden/fipronil-in-eieren/eicodelijst
6. それ以外の卵を食べるのは安全?
はい。ベルギーの全ての疑われた家禽企業はブロックされ、検査され、サンプルが取られた。分析結果が適合した後でしかその会社の製品は販売されない。現在販売されている卵は消費者に安全である。
7. 自分の鶏の卵を食べるのは安全?
はい。普通のルートで購入した認可製品で鶏の赤いダニを退治しているのなら、問題ない。それらの製品にフィプロニルは含まれていない。
8. 調理された卵製品は安全?
卵を調理した食品は希釈効果で測定値がより低くなるため、安全である。
9. 卵にだけ問題があって家禽肉に問題がないのはなぜ?
ブロイラーはかなり若い年齢で屠殺されるため赤いダニが問題とされず、ブロイラー部門ではフィプロニルが使用された兆候はない。これはFASFCが実施した分析で確認された。
10. フィプロニルに関する健康問題は?
フィプロニルは腎臓、肝臓、甲状腺に有害である。発がん性物質ではなく、胎児の発育に有害影響はない。純品によるまれな中毒事例では、吐き気、腹痛、めまいの症状が出ることがある。現在卵で見られる濃度はこれらの症状を引き起こすには低すぎる。
11. 市場からの撤退と製品回収の違いは?
Quelle est la différence entre un retrait du marché et un rappel de produit?
(ここだけ何故かフランス語)
食品企業は規格に合った製品、すなわち法の要求を満たす製品だけを販売できる。販売される製品が基準に適していない、すなわち法の要求を満たしていないとわかった時にはいつでも、食品企業管理者はすぐに対応策を取らなければならない。
取らなければならない手段は製品の性質や違反が立証されたフードチェーンの段階による。
・違反が法の要求を満たさない基本的な食品(例えば卵)に関する場合、その製品はブロックされなければならない(もう使用できない)。食品企業が問題の製品を購入していた場合には、FASFCは責任を負う卸売業者から情報を提供されなければならない。このようにしてFASFCは卸売企業を調査して市場からの撤退を行うことができる。関連した食品企業は消費者にも通知しなければならない。
・ビスケットや卵を含む他の製品などの加工製品も同様である。製品は製造工場に残されていたなら製造業者は製品をブロックし、FASFCに通知しなければならない。製造業者はすぐに製品を回収し、その製品をもう販売できないことを事業の顧客に通知しなければならない。

注意:その製品が公衆衛生を脅かすことが想定される理由がある場合、消費者にはすぐに通知されなければならない!

手短に言えば、3つの手段がある:
1. 製品のブロック:特定の店舗(企業の店内)で製品を留め、使用しない、消費者に提供できない。これは具体的にはその製品をもう販売しないことを意味する。
2. 市場からの撤退Market withdrawal:関連製品を卸売りや小売業の棚から引き揚げなければならない(製品リコールはしない)。
3. 製品が公衆衛生の脅威となる場合はリコールrecall:消費者にその製品を消費したり使用したりしないよう促し、それらを店舗に返却させる。

その製品を販売する人や企業(製造業者、輸入者、小売業者、卸売業者など)は消費者に情報提供する責任がある。
この目的で、彼らはベルギーの報道機関に情報を提供する報道発表を作成しなければならない。そうしなければ、FASFCが報道発表を作成・公表し、違反企業に警告を与えたり調書(PV)を出したりする。
FASFCは消費者に情報提供するためにホームページ上で回収に関する報道発表も公開する。この報道発表はFASFCホームページ上の「消費者」→「製品回収」(このページはドイツ語とフランス語でのみ入手可能)で見ることができる。

汚染された卵と卵を含む加工品については?

フィプロニル量がMRLsを超過することが分かった全ての卵と卵を含む加工品は陳列棚から引き揚げ破棄される!


汚染卵が見つかった産卵鶏農場は直ちにブロックされた。農場に残った卵は破棄された。これらの企業はすぐに顧客に通知された。
卵加工工場や包装施設なども、順番にそれぞれの顧客に通知した。ブロックされた産卵鶏の全ての卵は市場から回収され、フードチェーンの下流の段階で破棄された。これは関連した卵はもはや加工されず陳列棚に届かないことを意味している。
すでに店に到着していた卵は陳列棚から取り除かれ破棄された。
たった一つのバッチコードにだけリコールが求められた:3BE3114。この産卵鶏農場の卵のフィプロニル量は欧州参照値を超えていることが分かった。この特別な場合には、それゆえ消費者への情報提供が必要である。この情報は報道発表とソーシャルメディアによって広められた。

フィプロニルが見つかったほかの卵は健康リスクとならない。検出されたフィプロニル量は欧州参照値をかなり下回ったままだった。これらの卵の製品回収(リコール)は計画されなかったが、市場から回収された。

加工製品
ブロックされた産卵鶏農場由来の卵を既に製品に使用している加工施設は調査を実施するよう求められた。違反した全ての製品は市場から撤退されなければならない。
これらの企業は消費者に情報を提供することが法律で求められていて、順番に陳列棚から加工製品を引き揚げなければならない(市場撤退)。

フィプロニル量が欧州参照値を超過した場合、すなわち公衆衛生が傷つけられる場合にだけリコールが必要とされる。
注意:今日まで欧州参照値を超えるフィプロニル量は見つかっていない。今までのところ製品リコールは必要なかった。リコールの場合には、すぐにFASFCが消費者に情報提供するために報道発表を出すだろう!