食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 説話的レビュー

セリアック病ではないグルテンあるいは小麦過敏症:新興疾患あるいは誤診?
Non-coeliac gluten or wheat sensitivity: emerging disease or misdiagnosis?
Michael DE Potter, Marjorie M Walker and Nicholas J Talley
Med J Aust 2017; 207 (5): 211-215.
https://www.mja.com.au/journal/2017/207/5/non-coeliac-gluten-or-wheat-sensitivity-emerging-disease-or-misdiagnosis
自称セリアック病ではないグルテンあるいは小麦過敏症(NCG/WS)の人の盲検での症状の再現性はわずか16%。病理発生はよくわかっておらず他の病気と重なる部分も多い。グルテンフリーダイエットにはリスクもあるため正確な診断が必要。

  • ジアセチルの職業影響を認識する:この歴史から何を学べる?

Recognizing occupational effects of diacetyl: What can we learn from this history?
Kreiss K.
Toxicology. 2017 Aug 1;388:48-54.
ジアセチルの職業暴露による閉塞性細気管支炎が職業リスクとして認識されるのに時間がかかったことについて。α-ジカルボニル関連肺疾患は電子レンジポップコーン製造業者、香料製造業や他の食品製造業者、ジアセチル製造業者、コーヒー生産業者にみられる。

  • ライフスタイル要因が個人がどれだけ長く障害無しに生きられるかに影響するかもしれない

Lifestyle factors may affect how long individuals live free of disability
1-Sep-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-09/w-lfm090117.php
Journal of the American Geriatrics Societyに発表された新しい研究によると、人生の終わり近くの障害のある期間を減らすのには健康的なライフスタイルが役にたつかもしれない。
平均年齢73才の男女5248人を25年追跡し、障害のある年数は男性2.9年女性4.5年だった。障害のある期間の短さに関連するのは長い距離を歩くことと質の良い食事、障害のある期間の長さに関連するのは肥満、喫煙は寿命が短いことに関連

  • 下痢と急性腎障害に関連するハーブ及びダイエタリーサプリメント:症例報告

Herbal and dietary supplements related to diarrhea and acute kidney injury: a case report.
Wanitsriphinyo S, Tangkiatkumjai M.
J Complement Integr Med. 2017 Mar 1;14(1). pii: /j/jcim.2017.14.issue-1/jcim-2016-0061/jcim-2016-0061.xml.
自家製フルーツ&ハーブピューレを大量に食べたことに関連する可能性のある45才タイ男性の症例。約1年エナラプリルを処方されていて8種の果物とハーブの混合物のピューレを3日間食べて糖尿病と下痢と急性腎障害(AKI)。さらにダイエタリーサプリメントも定期的に使用していた

  • 毎日のマイコトキシンの摂取TDIは母乳を与えられている乳児にとって保護的でないかもしれない

Daily uptake of mycotoxins - TDI might not be protective for nursed infants.
Degen GH, ,et al.,
Toxicol Lett. 2017 Aug 5;277:69-75. doi: 10.1016/j.toxlet.2017.06.002
母親のカビ毒暴露由来の母乳のカビ毒についての評価

  • 十代女性での鉄錠剤に誘発された希な胃炎:症例報告と文献レビュー

A rare case of iron-pill induced gastritis in a female teenager: A case report and a review of the literature.
Meliţ LE,et al.,
Medicine (Baltimore). 2017 Jul;96(30):e7550.
消化管上部の出血、嘔吐、下血、腹痛で来院した14才女性。鉄欠乏性貧血で鉄サプリメントを約2週間使用していた。

  • 英国のタバココントロールから日本は何を学べるか?

What can Japan learn from tobacco control in the UK?
Yusuke Tsugawa, Ken Hashimoto, Takahiro Tabuchi, Kenji Shibuya
Published: 02 September 2017
The Lancet, Volume 390, No. 10098, p933–934, 2 September 2017
英国が受動喫煙から国民を守ったのに、日本は今後も公共の空間での受動喫煙が続きそうだ。日本が受動喫煙防止のための政策を提案し、一般からも公衆衛生の専門家からも広範に支持されたのに、タバコ賛成派の政治家が反対した。これは財務省JTの主要株主である特有の事情にもよる。最終的には総理大臣の決定による。