食品安全情報blog過去記事

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キノコの取り扱い

Mushroom handling
Modified 5.9.2017
https://www.evira.fi/en/foodstuff/manufacture-and-sales/food-categories/vegetables/edible-mushrooms/mushroom-handling/
確実に食べられるキノコだと同定できるものだけを採ること
フィンランドには数千種類のキノコが生える。このうち200種以上が食用にできる。キノコの多くの種類については、食用であるかどうかについての情報が無い。キノコの毒性は種類によって異なる。このため、確実に食べられるとわかる種類のみを採取することが重要である。
死に至る毒性を持つキノコには、ドクツルタケ(シロタマデングタケ: Amanita virosa)、タマゴテングタケ(Amanita phalloides)、ジンガサドクフウセンタケ(Cortinarius rubellus)およびシャグマアミガサタケ(Gyromitra esculenta)などがある。ただし、シャグマアミガサタケは、正しく処置することにより、毒性成分を取り除くことができる。
キノコの取り扱い
採ったキノコは、きれいにして、できるだけその日のうちに処理すべきである。
すぐに処理できない場合は、冷蔵庫ほどの温度(+2〜6°C)で風通しのよい容器に保存しておくこと。キノコを取り扱う前後に手を洗うことが推奨される。キノコには専用のまな板と包丁を使うべきで、専用にできない場合は、キノコの処理に使用した器具を他の食品に使用する前に、十分洗浄すること。
加えて、一部の森のキノコは、正しい方法で処理しないと有害影響を及ぼす可能性があり、特にチチタケ属の一部のキノコは吐気を引き起こす苦味化合物を含むため、注意が必要である。このため、一部のキノコは、食べる前に調理しなければならない。以下に、フィンランドの森でよく見かけるキノコの推奨調理時間(茹で時間)を示す。:
・キハダチチタケ(northern milkcap) 5分
・アカチチタケ(rufous milkcap) 10分
・カラハツタケ(woolly milkcap) 10分
・ナラタケ(honey fungus) 10分
茹でたキノコは、すぐに調理して食べない場合、冷凍する前に急冷する。冷凍キノコは少なくとも数ヶ月は良好な状態で保存できる。冷凍状態から解凍した場合、すぐに悪くなるのでなるべく早く使うこと。乾燥キノコは湿気を避けて保存しないとすぐに悪くなるので注意を要する。
環境中の有害物質を摂取しないようにするため、汚染物質を排出している工場の付近、都市中心部または交通量の多い道路付近のキノコを採らないこと。欧州委員会(2003/274欧州原子力共同体)によると、販売する食品中については、セシウム137が600 Bq/kg以下であることが推奨される。欧州連合の地域では、野生キノコの取引においてもこの基準値が守らなければならない。フィンランドでは、チェルノブイリ原子力発電所の事故(1986)による放射性物の降下が最も酷かった地域で発生したキノコの中に、その基準値を超えるものがある可能性がある。